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第19話:理解者が出来ました。

「あぁ、なるほど~。これがツバキさんやシリカさんが言ってた情報共有って奴なんですね」


 私と握手した事でこちらが持ってる元の世界の一般常識諸々と私の個人情報の一部がアルに伝わったっぽい。

 という事はつまり、これで晴れてアルも私がこちら側の住人じゃないという事が分かってしまったわけで。


「キョウちゃんは所謂異世界人という奴だったんだねー・・・うん、納得納得。でもこれ、事前情報が無い状態で話されててもよくわかんなかっただろうな。キョウちゃんが黙ってたわけだよね」


 ほらね!まぁ私のクランに加入する以上、遅かれ早かれ説明する事になった事案ではあるんだけど、握手するだけでこっちの一般常識やら状況諸々の説明を省けるのはとっても有難いよね。とはいえ、


「うーん、もうちょっと驚くと思ったんだけどなぁ・・・あっと、そうだ。アルさんや、頭が痛かったりとかしてないかね?大量に情報とかが一気に流れ込んでくると、頭が情報処理しきれなくて頭痛が起きたりするって話だけど」


「ん?んん~・・・驚いてるよ?な、ナンダッテー!・・・あ、頭の方は特に痛くもないかな。あと『この力、素晴らしいぞ!』みたいな変化もありませ~ん」


 そうかそうかさよですか。敢えて何も言うまい。私の曰くつきな手に触れた人は、何かしら進化的なイベントが起こっていたけれど、アルは情報共有のみと。

 あれかな、ツバキの時にあった待機状態って奴なのかも。心底こうしたい、こうでありたいって願った時何かが起こりそう。


「一応、暫くの間は注意しておいてね。害があるわけじゃないけど、切っ掛け一つで突如フラグがおっ立つ事も有り得るんで」

「わかったよー。何かあったらすぐ知らせるね・・・むぅ、スルー力が高いな」


 ・・・尚、凄くどうでもいい事かもしれないが、アルは未だに正座したままである。しかも太ももの上にはマグルが鎮座しており、頭の上にはカシアが這い登り角に引っかかっているツバキとシリカを弄んでいる。

 何が面白いのか、カシアは腕輪を自分の肉球ハンドで弾いてアルの角を支点にしてクルクルと回して遊んでいる始末・・・アル、その状態辛くない?

 回されてるツバキとシリカは特に反応を示していない・・・かと思いきや、


「・・・段々気持ち悪くなってきたわ」

「腕輪なのに目が回るとはねぇ・・・うぐぐ」


 うん、ちょっと危険領域に突入しかけてるかな。


「カシア~?そろそろ止めて差し上げよう。腕輪さん達がそろそろ危うい」

「はーい」


 カシアはそう言ってアルの頭の後ろ側から滑り落ちる形で着地すると、こっちにやってきてお座りをする。

 私はそんなカシアの頭をナデナデしつつ、モフモフ成分の補充を図る。癒されますわー。

 カシアをモフりながらアルの方を見てみると、あっちもあっちで太ももの上に乗ったマグルを絶賛モフり中で・・・そんなアルの手の甲に私と同じ刻印が現れてる事に気づいた。


「あ~クランに加入するとそこのリーダー?族長?長?何でもいいか。そのクランを立ち上げた人の刻印が加入者の手にも表れるんだ」

「そうだね。同じと言っても形だけで、大きさや色が違ったりするんだけどね」


 そうなのだ。私の刻印は黒色。アルのは金色。なんだろう・・・髪の色にでもなるんだろうか。あと、アルの方が若干小さいように見える。まあ大した事じゃないけれど。


「あるじ~私も入りたい」


 突然カシアがそんな事を言い出す。


「ん?クランに?」

「うん」


 お~カシアも我がクランに入ってくれるそうです。


「いいぞ~。でも、ちょっと面倒な約束事があるんだけどいいかな?」

「さっき2人で話してたのだよね?うんいいよー」


 即決である。でもまぁ念の為・・・


「本当にいいの?窮屈な思いとかするかもしれないよ?」

「だいじょうぶ!私、あるじといっしょにいたい。ダメ?」


 ああん!可愛すぎるよカシアたん。


「ダメなんかじゃ全然ないよ!でわでわ、よろしくね~」


 そう言って、カシアにお手をしてもらう。すると、カシアの横っぱらの所に家のクランの刻印が浮かび上がるような感じで現れた。

 カシアはダークシルバーとライトシルバーの柴犬風ツートンカラーをしてるけど、丁度刻印が現れたのは黒毛の所にシルバーが混ざる形で出てきた。

 2人?目の加入者ゲットだ~。そんな感じでニマニマしていたら嬉しい事に、


「僕も入りたいです」


 と、マグルもそう言ってきてくれた。


「いいの?」


 私がそう聞くと、


「はい。姉さんが入るのなら僕も入ります。あの・・・ダメ、ですか?」


 おっふぅ・・・こちらもこちらでトキメイテしまうやないか~い!


「いえいえ!全然そんな事は!寧ろよろしくお願いします!」


 そう言って、マグルにもお手をしてもらう。尚、マグルは全体的にダークシルバーだった為、こちらも横っ腹の所にシルバーで刻印が現れた。

 ふっふっふ。こんな短期間で3人?も加入してくれるなんて、幸せ冥利に尽きるじゃありませんか。

 もうね、ニマニマが止まらないのなんの!思わず高笑いしちゃいそう。


「蕩けきったような顔してるね~キョウちゃん」

「あれはだらしない顔って言うんじゃないかな?」

「お2匹の魅力でノックアウト寸前なんだわ」


 えぇ、もうね2匹の魅力でメロメロですとも!それと同時にアルには深い感謝の気持ちもあるんだよ?

 こんなにもスムーズにクランを立ち上げる事が出来たのはアルのお陰と言っても過言じゃないからね。


「むふふ、2匹の魅力も凄いけど、全てはアルのお陰でもあるんだよ。もうね、感謝してもしきれないくらい・・・ありがとう、アル」


 こういう事はちゃんと言葉にして伝えないとね!


「・・・あぁぁぁ!やっぱり女の子してるキョウちゃんも可愛いなぁ!」


 凄い勢いで抱き付かれました。こら!頬ずりしてくるんじゃありません!って正座の影響無しですか!?


「と、とにかくだ。カシアとマグルも何か体の調子がおかしかったり、不思議に感じた事があったら教えてね?」


「「わかったー」」


 とりあえずはこんな所でしょう。一通り事が済んだ辺りで、未だにアルの角に引っかかったままでいるツバキとシリカから、


「そうそう、気になっていたのだけど・・・アルさん?私の事はシリカと呼び捨てで構わないわよ」

「そうだねぇ。僕もツバキでいいかな」


 そんな声が聞こえた。お~良かったねアル。だからそろそろ頬ずりするのを止めてくれないかな?


「え?いいんですか。なら、私の事もアルと呼んで欲しいな!」

「わかったわ」

「わかったよ。アル」


 お二人から快諾を頂きアルは、


「やったー!遂にお二人がデレてくれましたよ、キョウちゃ~ん」

「「いやいや、デレてないから」」


 デレてないっぽいぞい、アルさんや。

 なにわともあれ、これからも賑やか且つ楽しい日々が送れそうだねぇ・・・。

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