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第6話 宿に泊まる




異世界転移した日本人全員が送られた大陸『ディレル大陸』


大小10に別れている大陸の1つである、ここに日本人全員を送ったのには、

あまり意味はない。

ただ、他の大陸に住む者たちに比べて種族差別が少ないからだろう。


この大陸の大きさは、オーストラリアとほぼ同じだが、形は縦長で、

イギリスに近い形をしている。



そして、俺たちがたどりついたのが、

この大陸の南東にある『ゴルドム王国』だ。


この大陸には、たくさんの国が存在しているが、その中でもゴルムドは、

平均気温20度というある意味過ごしやすい土地だ。


俺は寒いのが苦手だから、過ごしやすいと評したが、

他の人は、過ごしにくいのかもしれないな。


俺が住むことになった『ムルナ』の町は、王都からさらに東に進んだ、

辺境と呼ばれる場所にある。

なにせ、町のさらに東には広大な森が広がっていて、森の奥は未開の地だからだ。


俺たちが転移してきた場所は、森の入り口付近だったようで、

だからこそ、魔物とあまり遭遇することなく町にたどり着けたのだろう。



『ムルナ』の町は、城壁に囲まれた中に存在する。

また、この町は『リグターナー辺境伯』の治める領地の東の端で、

貴族が暮らしておらず、辺境伯が代官を置き、この町を治めている。


また、この町の北に2つの村があり、いろいろと交易をしている。


このような辺境の町ではあるが、各ギルドは支部をちゃんと置いており、

『冒険者ギルド』『商人ギルド』『薬師ギルド』『魔術師ギルド』と存在している。

また、このほかにもギルドはあるが、あまり人々に知られていないようだ。


俺たちが、この町に着いた後、まず『冒険者ギルド』に行って、

最初にギルドカードを作ったのは、そのギルドしか知らなかったからだ。


だが、青年や男子高校生たちが、ギルドカードを作るときに、

何故かワクワクして、周りを気にしていた。

おそらく、何か起こるのではと期待していたのだろう。


勿論、揉めたり何かイベントが起きることもなく、無事にカードを作れたため、

青年たちがガッカリしていた。


それからギルドを出て、俺たちは何かあったときはお互い助け合うことを約束し、

その場で解散した。




町のあちこちに進んでいくみんなを見送り、

俺はまず、何をするべきか考える。


「ん~、まずは一人になれる場所の確保か。

こんなところで考えていてもしょうがないし、宿を探すか……」


俺は今日泊まれる宿を確保するため、その辺りを歩いている人に声をかけ、

宿屋のある場所を聞いた。


「宿屋なら、ここの通りをまっすぐ行けば何軒か見えてくるよ」


教えてくれた人にお礼を言って、俺は歩き出す。



昼ちょっと過ぎぐらいにこの町に着いて1時間ぐらいしかたっていないのに、

町の中は、買い物をする女性をよく見かけた。


そしてキョロキョロと、周りを見渡しながら歩いていると、

目的の宿屋が、何軒か見えてくる。


俺は、最初の宿に入り部屋をとることにした。


「いらっしゃい『夕映え亭』にようこそ」

宿屋に入って、声をかけてくれたのは、受付にいる女性だ。

歳は30代ぐらいかな、金髪の細身の女性だ。


「2泊、お願いできますか?」

「はい、お1人様2泊なら銀貨20枚ですよ。

食事は、朝と夕方になります」


「では、それでお願いします」

俺はそういうと、銀貨20枚を支払う。


「わかりました、では、お名前を教えてもらえますか?」

「コータと言います」

「コータさんですね、こちら205号室の鍵になります」

「ありがとうございます」


俺は鍵を受け取り、受付の左にある階段を上っていく。




205号室は、1人部屋で中はベッドと机に椅子、クローゼットがある

普通の宿の部屋となっていた。

俺はすぐに、靴を脱いでベッドに座り込むとステータスカードを出し、


持ち金を確認しておく。

アイテムボックスの中にある自分の荷物は確認したが、お金はまだだった。


「確か、日本にいた頃のお金をこっちのお金に変えておいたと言っていたな……」

そして、ステータスカードのアイテムボックス内にある金額は、

金貨87枚と銀貨65枚と銅貨2枚。


「どうやら、所持金だけじゃなくて、

銀行などに預けているお金も合わせて変えたってことか……」


俺の全財産、876万5200円がこっちのお金に変わっている。

……いや、この町に入るときに銀貨1枚、冒険者登録で銀貨1枚、

宿で銀貨20枚使っているから


正確には、金貨87枚と銀貨87枚と銅貨2枚になるな……

結構持っていたんだな、俺。


明日からは、この町で仕事を探してスキルを増やしていかないとな。


そう明日からの行動を確認していると、ドアがノックされる。


「はい」

『コータさん、夕食の準備ができてますので食堂へどうぞ』

「はい、わかりました」


受付の女性の声が聞こえた。

その声で窓を見れば、オレンジ色の光が差し込んでいた。


「もうこんな時間か……」

俺は、この異世界に来て初めての1日に思いをはせる。

森を歩き、草原を歩き、街道を歩いたこと。


魔物との遭遇から、戦闘。

そして、この町にたどり着き、ギルド登録に宿に着くまで。

すべてが初体験ばかりだったが、


これから俺はこの世界で生きていくことになるのだ。

がんばっていこうと決意し、これからどんなことが起きるのだろうと

ワクワクしながら、自分の部屋を出ていった。







読んでくれてありがとう、次回もよろしくお願いします。


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