第39話 あれから5年後
俺たち日本人がこの世界に来てから、5年の歳月が流れた。
俺にとってこの5年間は、まさに勉強の期間でした。
魔術や魔法の勉強に始まり、薬師、錬金術、
体も鍛えようと格闘術や槍術なんかも身につけた。
身体能力が向上したり、気配察知や魔力察知も習得したし、
冒険者パーティーに臨時で入れてもらっての勉強もしましたね。
特に野営や支援魔法や魔術の有効性を学べたのはありがたかった。
そんなこんなで、俺はこの5年間で飛躍的にレベルアップできた。
そんな俺のステータスがこちら。
名前 コータ (白石 耕太)
年齢 47歳
職業 銀ランク冒険者 上級魔術師 A級薬師
レベル 352
生命力 73,920
魔力 704,000
スキル 異世界言語 アイテムボックス 鑑定
召喚術[神] 空間魔法 不老
魔力操作 気配察知 魔力察知
初級・中級・上級魔術(火・水・風・土・光・闇)
初級・中級・上級魔法(火・水・風・土・光・闇)
錬金術 薬術 格闘術 槍術 料理 解体
称号 召喚者 勉強の虫 料理の探究者 薬の研究者
……ここまでになるには大変だったけど、後悔はしていない。
ただ、勉強やレベル上げしかしてこなかったため、
俺はいまだ独り身だ。
女っ気もなかったな……
そして、俺が勉強に打ち込んでいる間に周りは劇的に変わっていた。
まず、西条さんが結婚したよ。
相手は、冒険者パーティーの1人で10歳年下だ。
アビゲイルさんから基本となる魔術を教えてもらい、その魔術を活かして
冒険者パーティーに入れてもらって頑張っていたらしい。
将来は、娘たちと一緒にパーティーをと考えていたからだそうで、
いろいろと相談を聞いてもらっているうちに……と言う具合らしい。
結婚してから引っ越していく際に、挨拶に来た時は驚いたね。
今は、王都近くの町に住んでいるらしい。
挨拶に来た時、その辺りに引っ越すと言っていたからな……
それから、3年ほど前ミコトが、
友達同士でパーティーを組んだと報告してくれた。
2年ほど、この辺りの森でレベル上げを頑張っていたが、
物足りなくなったのか、王都近くのダンジョンに挑戦すると言って、
旅立っていった。
そういえば、この間ミコトから手紙が来ていたな。
王都の北にある迷宮都市からだったよ、
おそらくその町で、仲間と共に頑張っているのだろうな……
そうそう、この町に来たばかりのころに別れた青年と再会できたよ。
何でも、あの時のおじさん2人と一緒に王都に行っていたそうだ。
そこで冒険者として頑張っていたといっていたな。
すごい仲間と出会えて、面白いように強くなれたと自慢そうに言っていた。
ある程度レベルが上がると、おじさん2人とは別れたそうだ。
おじさん2人が、今どうしているかは分からないらしい。
それから、青年は女性の仲間とともにパーティーを組んで、
いろんな国を巡っているそうだ。
「おじさん、ハーレムはやめた方がいいよ……」
と、そんな忠告を疲れた表情で、俺にしてくれたな。
ただ、その青年と別れるときに、気になることを言っていたな……
「……おじさん、いろんな国を巡って分かったけど、
やっぱり、いろんなところで日本人たちがやらかしているみたいだったよ」
「……そうか、日本人の中には異世界物の話が好きな人がいるからな。
何かしらしでかす人が出るとは予想していたけど……とうとう来たか」
「僕が旅して巡った中で、一番おかしくなっていたのは、
この国から北に行った、この大陸の中央辺りにある王国だよ。
王族、貴族に日本人が混ざっているし、
領地持ちになった日本人が、重税を課したなんて話はよく聞いたよ。
領民からの不満で、内戦になりそうなところもあったね。
あと、戦争をしようとしていた日本人も何人か会ったよ。
準備のために動いていた人もいたし、民主主義の国を造るって人もいたな……」
戦争を始めようとする人がいたのは驚いたが、
この大陸全土を巻き込んで、戦争を起こそうというのかね~
今後どうなるか分からないが、俺は俺らしく生きていこう、うん。
あと、北のラルガ村に住んでいた川島さんの奥さんが見つかったそうだ。
この国から東に2つ行ったところの国で生活していたらしい。
あのオーク襲撃の後、村に冒険者ギルドの出張所ができたんで、
冒険者登録するついでに、奥さんの居場所をギルドに捜索してもらって、
判明したとのこと。
川島さんは、判明後すぐに迎えに行ったそうだ。
同じ村に住む山崎さんが、
俺に教えてくれたんだが、羨ましがっていたよ。
今では、仲睦まじい新婚夫婦のような熱々ぶりらしい。
以上が、俺の周りの劇的な変化だ。
俺が勉強だけをしている間に、みんな人として成長しているような気がする。
俺もこれから頑張っていかないとね……
読んでくれてありがとう。
中途半端になりますが、ここまでです。




