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日本人が全員異世界へ転移させられました  作者: 光晴さん


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第33話 魔物襲来



結局俺は、ラルガ村に残ることにした。


オークが大群で森から攻めてくるからと、町に戻ったところで、

俺に何ができるのかと考えると、

見習いでしかない俺は、オリビア先生のおまけでしかなったのだ。


そんなことを考えていて、初めてもっと強くなりたいと思うことができた。


村に来た冒険者のもたらした情報では、

オークの大群が侵攻していることしかわからず、

後は、救援をミレニードの町へもお願いに行っているらしい。


つまり、俺たちのやることは、この村に避難してくる人々の、

受け入れ態勢を整えることだけなのだ。


そのため、川島さんは、村長の要請により、村の東側に造った外壁を、

さらに南側へ伸ばし始めた。


俺たちは、そのお手伝いや村に避難してくる人たちのための宿舎を造るため、

それぞれに別れて働き始める。


オーク襲撃に備えるために………




次の日には、町から避難してきた人が村に到着しだしたが、

村は受け入れ態勢が整っておらず、少し村長ともめる場面もあったが、

宿舎が土魔法で次々と建てられていくと、


順調に受け入れが始まった。


さらに、外壁の延長も出来上がっていく中、

土魔法や土魔術を使う俺たちは、なかなか疲れがとれなくなっていた。


「………ああ、休みがほしい」


この言葉が川島さんから出たのが、知らせが届いてから4日目だった。



町から避難してくる人たちの列もなくなり、

5人ばかりの冒険者が見張りに外壁の上に立ってくれるようになったころ、

ムルナの町では、森の中からオークの先頭が姿を現し、


ゆっくりと町を取り囲みだした。


ムルナの町はすでに厳戒態勢を敷いており、森方面の東門は固く閉められ、

西門の外には、冒険者たちが数多く集まっている。


また、東門近くには、魔術師ギルドから大勢の魔術師が待機していて、

いつでも攻撃可能だった。

今か今かと緊張状態の中、見張り櫓で待機していた冒険者ギルド職員が、


オークの大群が森から出てきたことを知らせると、

冒険者たちは、戦闘態勢に入る。

だが、次の叫びを聞いて先頭に参加する全員がざわつき始めた。


「オークの大群の中に、オークジェネラルを10体確認!」



オークジェネラル。

オークの中で騎士のような姿をしていて、普通のオークより一回りほど大きい。

武器は両手剣を使用して戦う。


普通のオークより防御が硬く、攻撃力もあるためボス的存在になっている。

倒す時は魔法攻撃を中心にして、倒しているようだ。



オークジェネラルの存在を知ると、魔術師仲間を町から連れてくるために、

町へ戻っていく冒険者が何人かいた。

この知らせはまだ、冒険者にとってなんでもない事だが、


次の叫びは、聞き捨てならなかった。


「オークの大群の最後に、お、お、オーガを確認!!

しかもあれは、レッドオーガです!

完全武装のレッドオーガが、オークの大群の最後に出てきました!」



レッドオーガ。

オーガの上位種。

通常は力技で攻めてくるオーガだが、上位種は武器を扱う。


しかも、レッドオーガは赤黒い皮膚をしていて、

ある程度追い詰めた時、バーサーカースキルを発動させ、

全身の皮膚が真っ赤になると、通常の2倍の力が出ようになる。


しかも、真っ赤な皮膚は硬く、

鈍器のような武器で殴った方がダメージを与えられるといわれるほど、

切れない。


また、魔術や魔法も効かなくなるため、厄介な魔物なのだ。



レッドオーガの出現は、町に残った者たちに動揺をもたらしたが、

ミレニードの町から加勢に来た冒険者たちには、動揺はなかった。


なぜなら、今回の戦いにミレニードの町の冒険者ギルド最強と言われる、

クロード・ブレンという冒険者が参加していたからだ。



クロード・ブレン。

ミレニードの町から王都の間を中心に活躍する冒険者。

仲間に、女魔術師が2名と治癒術師が1名、そして騎士が1名いる。


また自身も魔術が使え、冒険者としての経験も豊富だ。

何より『ドラゴンバスター』の称号も持っている英雄なのだ。



そんな彼らが、今回の戦いに参加した。

だからこそ、彼らと一緒にミレニードの町から来た冒険者たちには、

動揺がなかったのだ。


そうこうしているうちに、オークたちはムルナの町の東側を埋め尽くし、

レッドオーガの叫びとともに、侵攻を開始した!



だがこの時、見張りのギルド職員はある事を見逃していた。

それは、オークの数だ。


実は、ムルナの町に侵攻したオークの数は800~900前後。

そこにレッドオーガやオークジェネラルが加わるが、

発見された時と数が違っているのだ。


では、少ないながらも100前後のオークはどこに行ったのか。


その答えは、のちに森の中で見つかるたき火の跡にあった。


オークの大群が森の中をムルナの町へ押し寄せている中、

たき火に混ぜた『ゴブルーの木の実』が出す煙を吸い込んだオークが、

何かに操られるように北へ進路をとったのだ。


いったい何者がオークを誘導したのか、

何の目的で、北にあるラルガ村を狙うのか分からないまま、

再び、ラルガ村に危機が迫っていた。








読んでくれてありがとう、次回もよろしくお願いします。


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