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日本人が全員異世界へ転移させられました  作者: 光晴さん


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第26話 村の危機




ブルラ村の中を村長の家に向かっていると、東から時折声が聞こえる。

歩きながら、時折聞こえる声の方向を見るのだが、

誰が叫んでいるのか、よくわからなかった。


おそらく、それほど遠くで叫んでいるのだろう。


「オリビア先生、東から声が聞こえるみたいなんですけど……」


「ええ、わたくしも聞こえましたわ。

でも、はっきりと聞き取れないということは、距離があるということ。

わたくしたちに危険が向かないようなら、今は気にすることありません」


俺の前を歩くオリビア先生に、どうするか聞いてみるものの、

俺たちに危険がないと判断し、

今は気にしないで村長の家へ向かうことにした。


しかし、俺はどうしても気になったので、偵察をすることにした。


「【召喚 くノ一 楓】」


俺は召喚魔法を発動し、この場に『くノ一』を召喚した。

召喚魔法陣の上に現れる、1人の女性。

髪は後ろで縛りポニーテール、顔はどこかのアイドルのように美人で、


黒髪黒目、そして、服装はこれぞ忍者といった黒一色。

ただ、少し大きすぎる胸に目がいってしまう。


彼女、楓は、俺が愛読していた漫画の主人公であり、

使える忍術から必殺技まで、よく知っている。


俺の召喚術[神]の召喚条件の1つである、

召喚対象の名前と詳細を知っているという条件をクリアーしているため、

たとえ対象が漫画の主人公でもこうして現実に召喚できるのだ。


しかも、漫画の絵そのままではなく、現実の人として。



「お呼びですか、マスター。

私にできることなら、何でもするよ?」


……何でも。

楓の姿を見て、ちょっと変な想像してしまったのは男だからか?

いや、今はそんな場合ではない!


「楓、この村の東側から大声が聞こえるんだがよく分からない。

ちょっと偵察を頼む」


楓は俺の頼みを聞くと、了解といって村の東へ走って行った。


「さすが忍者、足早いな……」


すでに見えなくなった楓を見送り、オリビア先生たちの方を向くと、

俺を見てものすごく驚いていた。


特にオリビア先生とアビゲイルさんが驚いていて、

西条さん親子は、葵とさくらが西条さんに何か話してる。


「お母さん、今の忍者?」

「私、本物見たの初めて~」


……みんな、かなり驚いているな。

その中の、オリビア先生とアビゲイルさんにいきなり詰め寄られた。


「ちょっといいか?

君、召喚魔法が使えたのかい?」


「あ、あ、あなた、召喚魔法を使えるんですの?」


オリビア先生とアビゲイルさんから同じ質問をもらった。

2人の反応から、どうやら『召喚魔法』はかなりのレア魔法のようだ。


「え、ええ、召喚魔法は使えますよ。

ただ、ある程度の条件が付きますけど……」


「条件? 召喚魔法に条件が付くなんて初耳だ!」


「わたくしも条件なんて聞いたことありませんわ!

あなたの召喚魔法は、それほど珍しい魔法ということですわね」


2人の魔術師が、すごく興奮している。

まくしたてるように、興奮気味に質問攻めにあうが、

俺の視線の先、西条さん親子のさらに向こう側から


男の人が2人走ってきていた。

よく見ると、1人は初老の男性ではあるが体はがっちりしている。

もう1人は、オリビア先生がこの村で道を聞いていた人だ。


「オリビア先生、アビゲイルさん、あれ……」


俺が指さした方向を、興奮気味の魔術師2人が見る。

走ってくる人を見ると、すぐに興奮が収まりいつもの2人に戻った。


「……たぶん、あの人がこの村の村長でしょう」




村長が到着するまで待っていると、すぐに近くに走ってきた。


「はぁ、はぁ、はぁ、あ、あの、ぼ、ぼう、冒険者の、方です、か?」


「あの、まずは息を整えてください。

それと、私たちは冒険者ではありませんよ」


アビゲイルさんから、冒険者ではないと否定されると、

顔をあげて驚かれた。


「ち、違うのですか?!

この村の、緊急依頼を受けて、

駆けつけてくれたのでは、ないのですか?!」


村長の焦り具合から、今、この村で緊急事態が起きているようだ。

村長を案内してきた村人の男性も、

俺たちが冒険者ではないことを、肩を落として絶望している。


「私たちで良ければ力になりましょうか?

これでも私たちは、魔術師ギルドの上位クラスですので、

何かの役に立つと思いますが……」


「ま、魔術師ギルド!

な、なら、お願いします! 村を、ブルラ村を助けてください!!」


村長の必死のお願いに、オリビア先生とアビゲイルさんは、

何かを感じ取ったのか、すぐに了承する。


村長は少しだけ安心するものの、すぐに俺たちに詳細を話してくれた。



事の始まりは、何時かは分からなかったが、

村の畑が荒らされる日が、続くようになったそうだ。

村の男衆で畑の見回りをするものの、荒らされ続け、


とうとう収穫に影響が出て、税を払うことができなかった。


レナ達村の子供を担保にお金を作り、税は払ったものの、

その後も畑を荒らすものがいたらしい。


こうなったらと、村長は村に外壁を築くことにして

畑を荒らすものに対処しようとした。


まずはと村の畑に一番近い東側に外壁をと、

何日か前からこの村に住み始めた人たちと協力し、

外壁を作っていった。


何でも、その住み始めた人たちが土魔法などの使い手で、

外壁作りに協力してくれとお願いしたら、快く受けてくれたそうだ。


そして昨日、東側の外壁が完成したところで、

畑を荒らしていたものが姿を現して、村に襲い掛かってきた。


今まさに、その畑を荒らしていた『コボルト』と『ゴブリン』の集団と、

村人総出で戦っている……








読んでくれてありがとう、次回もよろしくお願いします。


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