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日本人が全員異世界へ転移させられました  作者: 光晴さん


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第21話 魔術の練習




結局、俺とオリビア先生が倒したブルウルフが、

通常の魔物と違い異常種であることが判明。


すぐに冒険者ギルドのギルドマスターに呼ばれ、

ブルウルフと遭遇した場所やほかに何かあったかなど、

いろいろと聴取された後、ギルド主導のもと森を調べることが決定した。


また、異常種と判明したブルウルフは、冒険者ギルドで買い取ってもらい、

買取金、金貨10枚を俺とオリビア先生とで山分けして、

冒険者ギルドを後にして、魔術師ギルドへ向かった。



魔術師ギルドでは、オリビア先生が受けた依頼の薬草を納め、

冒険者ギルドで話したブルウルフのことを報告、

すると、ここでもギルドマスターに呼ばれ、


森でのことを詳しく説明するはめになった。

俺はうんざりしていたが、オリビア先生はしょうがないのよと、

ある意味諦めていたようだ。



ギルドマスターの部屋を後にして、ギルドのロビーに戻ってくると、

オリビア先生が俺に自首訓練を指示してくる。


「あなたがやることは、初級の魔術書などで魔術を覚えていくこと。

明後日、午前中にこの魔術師ギルドのロビーで会いましょう。

分かりましたか?」


「えっと、先生はもう魔術を教えてくれないのですか?」


「ん~、あなたは魔術を教えてもらう先生というのを、

どこか勘違いしているようですわね?」


「勘違いですか?」


俺はオリビア先生の指摘に、少しムッとしてしまう。

先生というのなら、もっと魔術を教えてくれてもいいのではと。


「魔術や魔法の先生とは、呪文を教えることではありません。

生徒の進むべき道の方向を教えてあげるのが先生なのです。


あなたは『薬師』や『錬金術師』になりたいといいましたね?」


「はい」


「それならわたくしが教えることは、

どうすれば『薬師』や『錬金術師』になれるのか、

また、どんな系統の呪文が『薬師』や『錬金術師』には必要なのか、


そういうことを教えてあげることだけです。

事細かに、教えることは先生の仕事ではありません」


そうなのか……

学校の先生とは違うんだな。


「『薬師』や『錬金術師』に必要な魔術や魔法を覚えることもいいですが、

せっかくの全属性、それを利用してすべての魔術や魔法を、

覚えてしまうのも、一つの道でしょう」


全魔術や全魔法か……


「何かの役に立ちますか?」


オリビア先生は、笑顔で俺を見ると、


「ええ、必ずあなたの役に立ちます。

でもまずは、全初級魔術を覚えてみて判断してください」


そう言って、オリビア先生は魔術師ギルドを出ていった。

俺は先生を見送った後、ギルド内の店に行き全初級魔術の本と、

読んでみたかった何冊かの魔法書を購入。


その後、自分の家に戻っていった。




家に着いた俺は、昼食をとった後、

早速購入した初級魔術書を全部読んでいく。


時間を忘れ『火』『水』『風』『土』『光』『闇』の初級魔術を

読み終わるころには、日付が変わる深夜になっていた。


「……あれ、夕食食べれなかったな」


こんなに夢中で本を読むなんて、何年ぶりだろうと思いながら、

ベッドに潜り込み就寝する。



次の日、朝食を早々と済ませると、俺は町の外へ出かけた。

あの草原で、魔術の練習をするためだ。


町の門で身分証明のギルドカードを提示すると、

門の兵士から、森の中に行かないようにと注意を受ける。


どうやら、昨日、俺とオリビア先生が倒した、

ブルウルフの異常種のことが原因なのだろう。


冒険者ギルドで、調査するとか言っていたから、

その調査が終わるまで、

森にはなるべく入らないようにということなのだろう。


俺は、森の手前にある草原で魔術の練習を行うとこを告げて、

町を出ていった。



草原に着くと、昨日とは違い何人かの魔術師らしき人が、

魔術や魔法の練習をしていた。

昨日の俺と同じように、魔術の先生と一緒の子供もいる。


……あれが本来の先生と生徒の姿なのだろう。


少し感傷に浸ってしまったが、本来の目的である魔術の練習を、

少し離れた場所で行うことにする。



「練習といっても、初級魔術は数が少ないんだよな……」


昨日、全初級魔術書を読んでわかったことだが、

まず、初級魔術書はページが少ない。

しかも、属性ごとに呪文の数が違うのだから覚えることも多くない。


でも、覚えやすいのは確かだな。


あと、初級魔術書を読んでから魔法書を読んで気づいたことがある。

それは、初級魔術は魔法書から抜粋して、

その抜粋した魔法を使いやすくしたものが初級魔術だった。


例えば、昨日オリビア先生に教えてもらった『ウインドウカッター』だが、

魔法書では『ウィンドカッター』で記されていて、

威力や風の刃の数などほとんど同じものだった。


違いがあるとすれば、魔法書は術者のイメージで威力や刃の数が変わり、

魔術は術者のイメージが良くても、

威力が違うだけで出現する風の刃の数は固定されているようだ。


風の刃の数の違いこそが、消費魔力の違いになっていた。


「だからこそ、魔術は消費魔力が抑えられているんだな……」


俺はそんなことを考えながら、初級魔術すべてを使いこなすため、

練習をしている。

自分の使いやすい魔術、魔法を考えて練習していると、


後ろから声をかけられた。


「おじさん!」


魔術の練習をやめて、その声に振り替えると一人の少女がいた。








読んでくれてありがとう、次回もよろしくお願いします。


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