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日本人が全員異世界へ転移させられました  作者: 光晴さん


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第17話 先生の質問




ムルナの町から出てすぐの場所に、魔物のいない草原が存在する。

そこは、魔術師などが魔法の練習などで使うことが多く、

いつからか、魔物も動物もよりつかなくなっていた。


魔術師ギルドで依頼を受けた、オリビア先生と俺は今、

その草原に来ていた。


「さて、これから魔法や魔術の練習をするのだけれど、

いくつかあなたに質問しますから、嘘偽りなく答えるように」


周りに何もいない草原で、オリビア先生の声が響く。

今日は、風が吹いていないみたいで、オリビア先生の声がよく響くな。


「はい、オリビア先生」


「では、まずはあなたの適性属性は?」


「全属性です」


「魔術の基礎である『魔力操作』は覚えてる?」


「はい、つい先日ですが覚えました」


「生活魔法はどうです?」


「それも、習得済みです」


オリビア先生は、何度か頷きながら考えている。

「……なら、初級魔術に移っても問題ないですね………

では、最後にあなたはどんな魔術師になりたいですか?」


「えっと、どんな魔術師になりたいか?」


「そうよ、例えば、あなたは年齢的になることはできませんが、

『宮廷魔導士』や『宮廷魔術師』などの王国に既存する者。

魔術師ギルドや冒険者ギルドで活躍する『魔術師』や『魔法使い』


魔法や魔術を使い医療の道に進んだ『治癒術師』

魔法や魔術を使い薬の分野に進んだ『薬師』や『錬金術師』

そして、魔法や魔術の知識を使い様々な道具を作りだす『魔道具職人』


その他にも、魔術や魔法を習得した人たちはいろいろな職に就いてますが、

何になりたいか、どんな使い手になりたいかで教え方が変わってきます。


改めて聞きますが、あなたは、どんな、魔術師に、なりたいですか?」


……俺は腕を組んで考え込んでしまった。

今の今まで、軽い気持ちで魔法が使えたらとか、

魔術が使えたら便利だろうとか、就職に便利かなとかしか思いつかなかった。


でも40超えたおっさんが、将来とか考えていいのかな?



とりあえず、今後どんな職に就きたいかを考えれば、


「『薬師』や『錬金術師』を目指したいです」


「………何故それを選んだのか、聞かせてもらえる?」


オリビア先生が、少し真面目に聞いてくる。

さっきまでオリビア先生の雰囲気が柔らかかったのに、

今は、少し緊張する。


「まず考えたのが、俺の年齢です。

40超えたおっさんが、今から頑張って魔術や魔法を習得しても、

たかが知れています。


それに、生きる手段を探すならポーションなどを作る『薬師』や、

『錬金術師』で魔術や魔法を活かしていきたいと思いました」


「どうやらちゃんと考えていたのね……」


オリビア先生は、意外ねと少し驚いた顔をしている。

どうやら、俺の印象はいい方向へ持って行けたようだ。


「うん、そうね、錬金術は意外な使い方もあるし、

私もあなたの考えは良いと思います、合格点をあげましょう」


よし、先生の雰囲気もいいし、俺から質問をしてみよう。


「あの、俺からも質問いいですか?」


「あら、何かしら?」


「魔術師ギルドで先生の装備を見て疑問に思ったのですが、

オリビア先生は、杖を持たないんですか?」


「ん~」


あれ? オリビア先生が考え始めた。

そして、俺を見てため息を吐いた………


「はぁ、まだいたのですね、魔術師といえば装備は杖だと思っている人が」


「あの……」


「えっと、コータさん?

あなたは魔術師の認識を改めた方がいいみたいですね。


よろしいですか?

まず、魔術師や魔法使いが杖を持つのはなぜか理解しています?」


少し怒ったように、オリビア先生が質問してくる。

どうやら、俺の魔法使いや魔術師の想像が間違っているようだ。

う~ん、ということは、


小説やアニメ何かで出てくる魔法使いや魔術師のイメージって、

魔法や魔術が現実のものとなる世界では、おかしいものなのかな?


「えっと、確か杖を触媒にして魔術や魔法を発動するため……、

だったと思います」


「概ねその認識でいいと思います。

ですが、実際は杖を触媒に使う魔術師や魔法使いは、

ご高齢の方しかいません。


大半はわたくしのように、指輪だったり腕輪だったり、

中には、剣や槍などの武器を触媒にされる方もいます。


ようは、自分にとって戦いやすい、使いやすい形にしているのです。


最近では魔道具技術も発達して、このような魔導銃も出回っています。

それに、杖を愛用するご年配の方も戦いやすいというより、

補助のためというのが主な理由でしょう」


な、なるほど。

そういえば、魔法使いってイメージだと年寄りだったな……

いろんな物語に出てくる魔法使いや魔術師の話も、年寄りばかりだし……


やはり、魔法が誰でも使える世界では、

魔法を特殊なものじゃなくて、スマホ程度に認識する必要があるな。


「さて、他に質問はありませんか?」


「あ、それならもう1つだけ」

俺は手を素早く上げて、質問してみる。


「『宮廷魔導士』や『宮廷魔術師』には年齢制限があるような説明でしたが、

なぜ年齢制限が? また、年齢制限がある職業を教えていただければ…」


オリビア先生は、腕を組み少し考えると答えてくれる。

……それにしても、結構大きいんですねオリビア先生。

腕を組むとどうしても主張してしまいますからね~


おっと、俺の視線に気づいて睨まれました……


「……まあいいでしょう。

『宮廷魔導士』や『宮廷魔術師』の就職年齢は20までと決まっています。

これは、王城で王族や来客の警護などを目的としているからで、

マナーや礼儀作法などを学ぶためといわれています。


ですが、貴族が『宮廷魔導士』や『宮廷魔術師』として就職する場合は、

年齢制限が30まで引き上げられます。

マナーや礼儀作法に費やす時間が短縮できるからです。


言うなれば、それだけ王宮はマナーや礼儀作法にうるさい、

もしくは気を付けなければいけない場所ということですね」


「なるほど、それで年齢制限が……」


「それに、王城や王宮などに詰めている兵士には最高年齢制限がありますが、

『宮廷魔導士』や『宮廷魔術師』にはありません。

騎士や兵士、近衛もそうですが高齢になると体力の問題が出ますが、


魔術師や魔法使いは、体力問題はありませんからね。

歳をとればとるほどに使える魔法や魔術は洗練されていきますから」


永久職というわけか……

体力面の問題も、魔法や魔術で解決というわけですか。


魔法ってなんかズルい気がする……








読んでくれてありがとう、次回もよろしくお願いします。


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