SIDE OF THE STAR 星
ついに出会ってしまった。
お姉ちゃん、ごめんなさい。
セイラは言いつけを守ることができない悪い子です。
でも、これは偶然。
それとも奇跡かな?
どうしよう?
こんなに近くにいる。
心臓の音を聞かれてしまいそう。
瞳にセイラが映っている、と思う。
何か話しておきたい。
でも口が固まって、息もできないの。
「レンちゃん、時間あるかな?」
あっ。
話すタイミングを逃してしまいました。
「うん」
セイラがいると、きっと話せないんだと思う。
ジャマをしたくありません。
「じゃあ、わたし、帰ります」
本当は帰りたくない。
「あっ、うん。また明日ね」
「うん。また明日」
そこで別れました。
でも振り返ってしまう。
兄妹のような二人の後ろ姿。
レンちゃんが羨ましい。
どうしてわたしはレンちゃんじゃないんだろう?
でも簡単に人を羨ましがってはいけないのです。
お姉ちゃんがそう言っていました。
レンちゃん、ごめんなさい。
大切なお友だちって言ってくれたのに。
セイラも同じように思っています。
それなのに秘密があります。
本当のことを言えなくて、ごめんなさい。
でも、それはお姉ちゃんとの大事な約束。
だから絶対に言えません。




