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タロットゲーム  作者: 灰庭論
第2巻 女教皇編
26/60

SIDE OF THE STRENGTH   力

 ピアノのオバサンから呼び出しを受けた。

 自分のことを十代だと思ってるオバサン。

 場所は十字架の部屋。

 意味のない祈りをする人と救われない人が行く部屋。

 この世でサイアクの場所。

 ワタシは騙されない。

 他人の不幸を自分のイメージアップに利用するつもりだ。

 そうはさせない。

「リカちゃん、来てくれてありがとう」

 行かなきゃ問題児扱いするクセに。

「レンちゃんから聞いたんだけど、集団登校してないんだって?」

 また偽善者の伊吹がチクったんだ。

「登下校だけはみんなと一緒にしてくれるかな?」

 イヤだ。

「何かあると心配なんだ」

 ウソだ。

 ワタシを利用して好感度を上げたいだけだろう?

 自分が気持ちよくなりたいだけ。

「嫌な世の中で、女の子は狙われやすいんだよ」

 だったらオマエが送り迎えしろよ。

 できないんだろう?

 だったらワタシにかまうな。

 アドバイスしたいだけだろう?

 ほらみろ、って言いたいだけ。

 偉そうなことを言うから、自分が偉い人間だとサッカクするんだ。

 いつも口だけ。

「でもちゃんと学校に行くだけでも偉いね」

 フツーのことをしてホメられるのがワタシたち。

 バカにしてんだろう?

 黙ってるから知能がないと思ってる。

 いや、ないけど。

 というより、そんなつまらない指標はいらない。

「結局、最後まで一言も口を利いてくれなかった」

 オバサンが勝手に落ち込んでる。

 それはワタシの責任じゃない。

 でもまるでワタシが悪いみたい。

 世の中、こういうヤツが多すぎる。

 勝手に問題化して、勝手に他人のせいにする。

 オマエがいなければ何も問題がない。

 ワタシを問題児にしているのはオマエたちだ。

 ワタシにかまう人がいなければ、ワタシだって優等生になれた。

 いや、ならないけど。

 ワタシに干渉するヤツは、みんな死ねばいい。


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