SIDE OF THE STRENGTH 力
ピアノのオバサンから呼び出しを受けた。
自分のことを十代だと思ってるオバサン。
場所は十字架の部屋。
意味のない祈りをする人と救われない人が行く部屋。
この世でサイアクの場所。
ワタシは騙されない。
他人の不幸を自分のイメージアップに利用するつもりだ。
そうはさせない。
「リカちゃん、来てくれてありがとう」
行かなきゃ問題児扱いするクセに。
「レンちゃんから聞いたんだけど、集団登校してないんだって?」
また偽善者の伊吹がチクったんだ。
「登下校だけはみんなと一緒にしてくれるかな?」
イヤだ。
「何かあると心配なんだ」
ウソだ。
ワタシを利用して好感度を上げたいだけだろう?
自分が気持ちよくなりたいだけ。
「嫌な世の中で、女の子は狙われやすいんだよ」
だったらオマエが送り迎えしろよ。
できないんだろう?
だったらワタシにかまうな。
アドバイスしたいだけだろう?
ほらみろ、って言いたいだけ。
偉そうなことを言うから、自分が偉い人間だとサッカクするんだ。
いつも口だけ。
「でもちゃんと学校に行くだけでも偉いね」
フツーのことをしてホメられるのがワタシたち。
バカにしてんだろう?
黙ってるから知能がないと思ってる。
いや、ないけど。
というより、そんなつまらない指標はいらない。
「結局、最後まで一言も口を利いてくれなかった」
オバサンが勝手に落ち込んでる。
それはワタシの責任じゃない。
でもまるでワタシが悪いみたい。
世の中、こういうヤツが多すぎる。
勝手に問題化して、勝手に他人のせいにする。
オマエがいなければ何も問題がない。
ワタシを問題児にしているのはオマエたちだ。
ワタシにかまう人がいなければ、ワタシだって優等生になれた。
いや、ならないけど。
ワタシに干渉するヤツは、みんな死ねばいい。




