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河野姉妹の憂鬱

作者: 河武士

初めてでいたらない点ばかりだとは思いますが

読んでいただければ幸いです

妹は小さいのに胸が大きいくて可愛い


お姉ちゃんは背が高くてスラッとしてて美人だ




・・・・ずっと、あんな風になりたかった


『はぁ〜…』


また、だ

またしても失恋してしまった


告白もしてないのにふられるなんて…



「一年の河野まゆりって小百合先輩の妹サンって本当ですか!?」


最近気になっていた一つ下の部活の後輩は妹に好意を持っていて、

私に紹介を頼んできた


私の恋心は無惨にも砕け散ったのだ


いつもいつも好きになる人は妹の事を気に入る

小さくて、可愛くて、胸も大きくて、小動物みたいで可愛くて

いつも笑顔を絶やさなくて誰とでも仲良くなれる明るい


両親にだって愛されてる


そんな、全てが可愛い妹




かくゆう私は、背もひょろひょろ伸びて可愛いなんて、お世辞にもいえない

胸だって、あるのかないのか分からないくらいだ


性格もよく落ち着いてる、なんて言われるけど、ただ無愛想で感情が顔にでないだけだ



同じ血を分けた姉妹だというのにここまで違うのはどういう事なのだろうか




「…はぁ、」


私は今日何度目かのため息をはいた


この胸の中に黒いものが溜まっていくのが分かる


大好きなまゆり


だけど、

大嫌いなまゆり


両親に愛されてるまゆり


そうではない自分


不公平だと感じてしまうのは悪い事、



そんな事を思っていると

後ろから声がきこえた


「小百合ちゃん!!」


この、可愛らしい、声は、…まゆり


今はまだ、会いたくなかったな、


そんな事を思いながら振り向いた


肩までの柔らかい髪

可愛らしい顔立ち


私の大好きで大嫌いな、まゆりだ


「どうしたの?」


「小百合ちゃんと帰ろうと思って…かな?」


歩いてるの見えて、気付いてたら走ってた、と



私は、こんなに私を慕ってくれて

こんなに可愛らしく笑うこの子を嫌だと思う自分が


大嫌いだ



「ごめん、ね…」


つぶやくようにでた声はちょうど鳴ったチャイムでかき消されてしまった


「小百合ちゃん何かゆった?」


でもきこえなくてよかった


「なんでもないよ」


知られたくない


こんな、汚い思いなんて


私の事なんて、きっと、一ミリだって疑ってないこの子を、

時々、羨望にも似た嫉妬や憎悪を抱いてる、なんて





お願いだから


気付かないでいて



小百合ちゃん


私のお姉さん

綺麗でモデルみたいで

人前ではあんまり笑わないけど

私にはよく笑ってくれる

とっても優しい人



大好きな大好きな小百合ちゃん


ずっと憧れてた



きっと、私が持ってないものを全部もってる



「一緒に帰るの、久しぶりだね」


そう言って少し優しく微笑む彼女はとても綺麗だ



「ごめんね…」


小百合ちゃんは今1人で暮らしてるから帰る場所だって違うのに



「…私は嬉しかったよ?」


まゆりと帰れて、



泣きたくなった


この人は優しい…

優しすぎるくらい



私とは全然違う


今日だって


クラスの女の子が私の悪口を言ってるのをきいてしまった


たった


たったそれだけだったのに

私は心が潰れてしまうかと思った


『あの子いい子ぶっててウザイよね〜』


いつも

いつも

おかしくもないのにヘラヘラ笑って


人の顔色気にして


無理に明るく振る舞って


『アタシ好きじゃなぃ〜あの子』


私だって

私なんて大っ嫌いだよ


言われなくても分かってるよ


嫌い

大嫌い


クラスの女の子も

みんな

みんな


大嫌い



でも

小百合ちゃんは

小百合ちゃんだけは別


好き

大好き


そう思える

たった1人の人



一緒にいるとどうしようもなく安心するの



だから


また明日から

笑って


醜い私にふたをするから



今だけは

隣で優しく微笑むあなたのそばにいさせてください


ありがとうございました


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