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プロローグ

ああ、あたしは死ぬんだ。


それが、『やっと』なのか、『もう』なのか。

どっちでも良かった。


俯せた大地は凍えて酷く固い。

でも顔を上げる必要も感じなくて、剥き出しの土に頬を汚したままで、あたしは細く息を吐いた。

悲しいとは感じなかったけど、滲んだ涙が冷たい土に染み込んでいく。


ああ、かみさま。

この世界におわすと聞いた、大地の女神さま。

あたしの亡骸は、貴女の大地に捧げます。

だから、どうか。

どうか、あたしの魂を。

せめて、この魂だけでも。


あたしの生まれた、元の世界に、返してください。


後から後から涙が流れ出しても、もう睫毛をしばたく力さえなくて。

あたしは、目を閉じたまま意識を失ったようだった。



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