桜
こんな話作りなれてません。どこか不明な点がありましたらメッセージください。
先日。
私は遠い公園に花見をしにいこうと、家族を車に乗せ、走っていた。
初めは順調に進んでいたのだが、途中、事故があったのか、かなり混んでいて、なかなか進み出せないでいた。
「まだ?」
と聞いてくる娘や息子に私はもうすぐ、もうすぐと返すばかりだった。
いい加減に我慢出来なくなった私は、少し進んだあとに見えた駐車場に車を止め、ほかに道がないか探すことにした。
時々混み具合を確認し、まだ混んでいたらまだ探し、その繰り返しだった。
途中、中学生の娘と息子も探すのを手伝ってくれた。
妻は大まかな地図を見て、距離を確かめている。
「早く花見したいね」
そう呟く娘に、私は謝ってばかりいた。
娘はこの日のために早起きして、皆で食べる弁当を母と準備していたのだ。
もっと早く出発していれば。
道を調べていれば。
後悔するばかりだった。
しばらくして、娘は近くのコンビニへ飲み物を買いに行くと、車を出た。
私もついていこうとしたが、父さんのために買いに行くんだから、ここでまってて、と断られ、私は車に残った。
私を心配してくれる家族がいる。
今まで一度も寂しかったことはない。
家族が居てくれたから、今私はこうして幸せを分かち合えるのだ。
30分程経過したが、娘の姿は見えない。
そんな遠くにいっているはずもない。
だんだんと不安になった私は、車を降りて、走ってコンビニまで向かった。
娘の姿はなかった。
どこにもいない。
携帯も繋がらない。
………
私の中の不安は山のように大きくなるばかりだった。
娘が見当たらない。
何かあったに違いない。
私はまだ先にあるコンビニへ走った。
……
心臓の鼓動は速く、息が荒い。苦しい。
しかし私は苦にならなかった。
娘を、娘を探せばこんな不安はすぐに無くなる。早く、娘を見つけたい。
私は走った。
しばらくすると、妙な人だかりが目に入った。
まさか…
私の不安は抑え切れない程の山になりつつあった。
救急車…救急車の音だ。
サイレンが鳴る。
普段はどうも思わない音が、今では、命綱を断つ魔物の声のように頭に響きわたる。
私は人だかりを掻き分け、先へ進んだ。
……
「…」
そこには傷だらけになった娘が横になり、息苦しそうにこっちを見ていた。
「何故、なんでこんな遠くまで!!」
娘をやさしく抱き抱え尋ねた。
すると娘は近くにあったボロボロのビニール袋の中から転がったボトルを取り、私に渡してくれた。
「…これが無かったから…」
そう言って渡してくれたものは、私がいつも飲んでいる水だった。
私は殆ど水しか飲まないため、冷蔵庫はたくさんの同じミネラルウォーターでいっぱいだった。
娘は、これを買うために遠くまできたのか。
辺りを見回すと、一台のへこんだワゴン車が止まっていた。
周りに話を聞くと、ハンドルのきかなくなった車が、娘に突っ込んで来たらしい。
娘は救急車に乗せられ、私と共に病院まで向かった。
………
……
…
結局、その春…否、それからの春は、家族全員で花見をする機会は訪れなかった。
私は必死で働き、桜の木を一つ買い、庭に植え、成長する様子を毎日記録していった。
そして私が去ってからも、春が訪れる度に、大きくなったことを知らせるかのように、美しい花を咲かせ、家庭を見守ってくれていたそうだ。
今こうしている中でも、私は寂しくない。
毎日、娘と一緒に家族を見守り、春になれば、一緒に桜を見ることが出来るから。
こんな話でスマソorz
下手な小説を読んでいただいて光栄でおます(大袈裟?
よかったら感想下さい。