お願い、叶えてくれますか?
物語、始まります
三百瀬このはは春の暖かな春の日差しの中カーディガンの裾を図書室の前で掴んでいた。
このははこれから『図書室の椿さん』にある"願い事"を叶えてもらうために図書室に訪れたのだが、もし迷信だった場合、このはは『図書室に向かって椿さんと言ったへんな人』になってしまうため、心臓ガ、ドクドクと波立っていた。
「よし!•••椿さん、椿さん私のお願いかなえてくれますか!」
このはの耳にはうるさいぐらいに暴れている心臓の音以外が遮断されたかのように聞こえなくなっていた。
このはは、固く瞑っていた目を希望を込めてうすく開いた。
そこには、椿さんなど幽霊や、人など居なかった。風で窓が開いたのか、このはの足元には桜の花びらが舞い落ちていた。
「なんだ••••••風かぁ••••••だったらあれは迷信だったのかな••••••」
このはは軽くため息を付き、帰路に向かうために振り向いたその気には、椿さんがいた。
春の光に反射して輝く雪のような髪に、髪に負けないほどに白い肌、妖しげに光る茜色の瞳。学ランの下に黒のプリースカートを履いた椿さんはそこにいた。
「誰••••••?あなた••••••?」
このはは椿さんの姿を見てポツリと呟いた。
「私が、椿。あなたの願い事を教えて?」
椿さんはこのはから目を離さずに、春なのに微塵も暖かくない廊下に声を響かせた。
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