地球のおわり、ホルホル・ホラートンネル
なんてことだ。雪を掘っても掘っても地面が出てこない!
氷河期になって、地球は雪に覆われたものと思っていたが、じつはそうではなく、超巨大な雪だるまになってしまったのか? 愛犬ジロと並んでひたすらに雪を掘る。
「ジロ、頑張るね」
「わんっ!」
「よーし私も頑張るぞ」
「あんっ! あんっ!」
真っ暗なのに雪が白いのはなんとなくわかるのが不思議だね。
ジロの姿ももう見えない。かなり掘り進んだから、そろそろマントルに到達するはず。
ジロが前足で雪を掘る音と、荒い息づかいだけは聞こえてる。
「ジロ、大丈夫?」
「あんっ!」
「疲れてない?」
「わんっ! わんっ!」
南半球のバヌアツなんかでも雪に閉ざされてるのかな?
海はどうだろう。波の形に凍ってたりするのかな?
まぁ、どうせ世界に人間は私一人になってしまったし……どうでもいっか。
「ジロ、まだ掘れる?」
「わんわんっ!」
「どこまで掘っても雪だけど、やわらかいから掘りやすいねぇ」
「わんっ♪ わんっ♪」
突然、暗闇の中にぼうっと、首の折れ曲がった顔の白すぎる女の人が現れた。
人間だ、人間だ! 笑ってくれてる!
お話ししましょう! 私は大喜びで駆け寄った。次郎には見えてないみたい。サクサクサクサク雪を掘る音──
「こんにちは!」
「ひひひひひひ!」
笑い声を残して、女の人は消えてしまった。幻だったのか幽霊だったのかさえもう、わからない。寂しさと雪を掘る音だけが残った。
光が見えてきた。
掘り進む雪のむこうに、むこう側が見えてきた。
突き抜けた先はブラジルだろうか? ふたりの雪を掘るスピードが弾んであがる。
それとともに、寂しさがまたやってきた。このトンネル掘りが終わったら、この暇つぶしが終わってしまう。
でも
爽快感ーーー!
「ブラジルのみなさん、こんにちはーーっ!」
突き抜けた先はブラジルじゃなくて宇宙空間だった。
私はジロと、星々の輝くそこへと放り出されてしまった。
あはは──
さよなら、地球。
さよなら、人類。




