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珈琲を飲ませてよ!?
今日もお義父さんは家にいない。インターポールでのお仕事で彼はとある犯罪者を追っている。お義母さんは彼の理解者ではあるが忙しくて家に帰ってこない彼を心配している。
口では、信頼しているから、と言うが、震えた拳では説得力はない。勿論、私も心配はしていたのだが、彼との電話で確信した。彼は信頼における人だと。普段の彼は飄々として掴みどころの無い人物に見えるが事件となると一変する。
彼の声色からして普段とは違うのが分かるのである。スイッチが入ると人が変わるタイプでちょっとタイプな声に近い。だが、普段の姿をみれば冷めてしまうが。
甘えた声から仕事人間の声に変わるから情熱がある人なのだろう。情熱がなければ仕事は安い、と彼は鼻をほじりながら語ったときは、手を洗えよ、としか感想はなかったが、後から考えれば彼の仕事におけるプロ意識は馬鹿に出来るものではない。