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プロローグ

週末に僕は彼女とドライブに出かけた。


遠く街を逃れて、浜辺に寝転んで彼女の作ったサンドイッチを食べ、ビールを飲み、


水平線や夜空を眺めて、僕らはいろんな話をした。


彼女は、彼女の勤めてる会社の嫌な上役のことや


先週読んだサリンジャーの短編小説のことを話し、


僕は、今度買おうと思ってる新車のことや二人の将来のことを話した。


そして、誰もいない静かな海を二人で泳いだ。



あくる日、僕は吐き気がして目が覚めた。


彼女もひどく気分が悪いと言い始めた。


それで僕らは朝食を取らず、浜辺を歩くことにした。


そして、そこでとても奇妙な情景に出会った。


数え切れないほどの魚が、波打ち際に打ち上げられてたのだ。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



木曜日の朝、強い頭痛で目覚めた。


頭全体が締め付けられているように痛む。


独り暮らしのワンルームアパート。


部屋の中、家具が散乱している。まるで嵐が通り抜けたみたいに。


痛みを感じて右手の甲を見ると擦過傷があり、中指の付け根に血が滲んでいる。


何かを拳で殴った時に出来た傷みたいである。


昨夜の記憶を辿ってみたが、どうしても思い出すことが出来なかった。


───また昨夜の記憶が飛んでる。これで何度目だろうか。


しばらく安静にしていると頭痛は嘘のように消えた。


最近、数週間に一度の割合でこのような朝を迎える事がある。


そして、その間隔は段々と短くなってきていた。

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