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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

高校生最後の夏のお話

作者: チョコ3


夏が起こした高校最後のとある話。


登場人物 :このみ(主人公)

:ひまり(友達)


蒸し暑い体育館


こんなに発展してるのになぜ体育館は暑いんだろう


エアコンついてるけど、さすが田舎の体育館


デカすぎてエアコン負けてる


校長先生「明日から夏休みです気を抜かずに始業式にみんなの顔が見れることを楽しみにしています。」




海の見える道路沿い



「あっつ〜」


「それなぁ〜マジで暑すぎ」


積乱雲が綺麗に映える青空の下

私は、海の隣をひまりと歩いていた。


「アイス溶けるの早いなぁ」


「早く食べないと、落ちるよ」


ドロドロに溶けるアイス、それもまた夏



「ね、落ちたら大変だ、えっ」


「ほらぁ〜言ったそばから落としてるじゃん」


「私の100円が…」


「愛しのチョコアイスくん、、」


海の音がさらに落とした悲しみを際立たせる。


「最悪だわ」


「ドジちゃんですね」


「ウザぁー」


落としたアイスを海に投げ捨てる。


「環境汚染だぞ!」


「うわっ」

空を見て思わず声を上げてしまった


「なに?」


「私達さ生まれてずっとここにいるけどさ」


「うん?」


「ここって結構綺麗よね」


「、、、そうね」

ひまりは少し止まった



「他の人から見たらさ、アニメみたいな生活送ってるなって思われてたりするのかな?」


「ん〜どうなんだろ、色々来てる人いるけど、もって1週間とかだからな」


「もっと少ないんじゃない?コンビニだってないし」


「ファミレスなんてないしね」


「あるのは」


『おばちゃんのお店だけだしね』


「おい〜被せるなって」


「そっちが被せてきたんでしょ」


私達は顔を見合せて笑いあった


この景色を見ていつも思うことがある。


「こんな景色だとアニメの主人公になったみたい」


ひまりの返事がなく振り返ると


ひまりが居なくなっていた。


「ひまり?」


どこを探してもいなかった。


私は積乱雲の中の雷を見て足早に帰った


「ただいまぁー」


母「おかえり〜早くお弁当出してね」


「はぁーい」


家は一戸建てだが、決して広くはない。だけど


母と2人なので狭くても問題は無い。




「疲れたな」


ベットに飛び込んで寝てしまった


母「ご飯できたよ、食べるなら降りてきなさい」


母の声が聞こえ目覚めた。


いつの間にかパジャマに着替えていた。



どんだけ疲れてたんだろ


母「え、、今日は一緒に食べるの?」


「いつも一緒に食べてたじゃん」



母「そうよね、いただきます」






「ご馳走様でした」


母「もう部屋に戻るの?」


「ん?なんか用事ある?」




母「このスイカひまりちゃんママに届けてくれるかしら」


「えーお風呂入ろうと思ったのに」


母「戻ってきてもいいけど、届けてきてね」


「えーめんどくさ〜」


母「行ってらっしゃい」


「はいはい、ついでにひまりに会ってくるか」


母「ひまりちゃには会え、なんでもないわ行ってらっしゃい。」


「なんて言ったの〜」

玄関にいる私にはリビングからの母の声は聞こえなかった


「いってきまーす」


ひまりの家はそう遠くない。歩いて3分ぐらい


だけど今日は長く感じた


「夕方でも暑いな」


そういえば、ひまりってスイカバー好きだったよな


ずっと食ってた気がする。


そんなことを思いながら歩いてると着いた。


「ひまりママ〜?いる〜?」


ひ母「はーい」


足音が聞こえる


ひ母「あら〜このみちゃんじゃない」


「スイカ持ってきました」


ひ母「ありがとうね、暑いでしょ上がって」


「いいですか?お邪魔しま〜す」


ひ母「久しぶりね、このみちゃんが来るの」


「そうですか?」


仏壇がある。


ひまりの写真が置いてある。


ひ母「ひまりが亡くなってからぱったり来なくなったから。心配してたのよ」


「ひまりが死んだ?」


ひ母「あら、ごめんなさい。傷をえぐっちゃったわよね」


「え?」

涙が溢れてきた。


ひまりは死んでない。さっきまでアイス食べながら喋ってたし。


「なんで死んだんですか?」


ひ母「実は、自殺なのよ。私の、、せいなの」


「そんなはずない!ひまりが死ぬなんて」


私は怒鳴ってしまった。


その瞬間、意識が遠のいた


「ねぇ〜起きてよ」


「ん〜」


「人のベットで寝ないでよ。」


「ん?あ〜ごめん」


「え?ひまり?なんでいるの!?」


「私の家なんだから当たり前でしょ。変なこと言わないでよ」


「え、だってひまりは死ん、、だはずないよね!」


「ごめん、変な夢見てたかも」


「夢に決まってるでしょ、てっきりこのみがおかしくなったのかとあ、元々か」


「寝すぎて頭痛いわ。今日って何日?」


「夏休みだからって感覚狂いすぎ」


「たしかね、17日だよ」


「え?」


17日って?8月の17日?



聞き覚えのある、忘れていたこと。



色んな思い出が蘇る。


ひまりのお別れ会


お葬式


そして、ひまりの命日




ひまりの命日が24日、ってことは1週間前?




「まじで言ってる?」


「えーうそ〜、私の携帯壊れた?」


「いや、たぶん、合ってる合ってる」



「も〜どっちが合ってるか分からないよ」



ループしてる?



「今日さ海行かん?」


「え?いいじゃん」


「早く準備してね」


「う、うん、わかった」


いつも通りの1週間がすぎた



8月24日

「今日も海行かない?」


「え〜今日って何日?」


「24だけど」


「え?今日は嫌だ!山行こうよ!あそこの神社!」


今日ひまりの命日じゃん。


「海行きたかったんだけど」


「たまには山も良くない?ね?」


「わかった行こうか」


私達は2人で山を登った


ひまりはいい表情をしていない


着いた、頂上に着いた


「うわぁ〜疲れた〜」


「ねぇ?話したいことあるんだけどいい?」

汗で湿った前髪を治しながら言った


「私がさ、死にたいって言ったらどうする?」


「え?なんで?」


「そんなこと言わないでよ、」

何故か涙が出てきた。


「なんで泣いてるの?」


「一緒に、一緒にこの島出てくって言ったじゃん」


「なんでよ」


「どうせ私は死ぬ運命なんだよ」


「ごめん、ごめんね、」


ひまりが崖に背を向けている


「ねぇ、やめてよ、死なないで」


「ごめんね、ありがとう」


ひまりが落ちていった。


一瞬目の前が光ったような気がしたがそのまま気を失った


8月17日

「ねぇ〜起きてよ」


「え?ひまり?」


「え?怖い夢でも見たの?お子ちゃまだな〜」


「え?」

私は涙を流していた。


今回は正直に話そうかな、話したらひまりは生きるかも


「ねぇ、聞いて」


「ん?」


「ひまりが自殺するの」


「私が?え?なんで?」


「ひまりが死ぬの」


「本当に頭がおかしくなった」


「違うの!ちゃんと聞いて」


私はひまりの肩を持った


「え?何?ちょー怖いんですけど」


「お願いだから死なないで」


「なんかあったら話して。聞くから」


「わかったよ、わかったから手離して」


私は力が抜けたようにひまりの肩をするりと離した


「早く行くよ、置いてくからね」


「はい、了解です」


「いきましょこのみ隊長」


その後、私達は島中を歩き回った。




8月23日


ひまりを助ける方法を考えながら


アイスを食べながら歩いた。


「アイスと言えばチョコよ」


「あ、最悪落とした」


「なにしてんの」


「私のスイカバーが、、」


「どんまいどんまいげんまい」


「うっざぁ〜」


ひまりがアイスを拾おうとした




プーーッッ

ドガンッッ


「何今の音」




「ひ、ひまり?」


そこには頭がないひまりの体があった


「ひまり!ひまり!」



その時切れた部分を見てしまった。



骨があって筋肉があって脂肪がある、


全部全部丸見え

「おっ、お゛ぇぇぇ」


気持ち悪い、血が垂れ流しの首を見た

「お゛ぇぇぇ、はっはっ」


私は過呼吸を起こしながら吐いてしまった


「どうしようッ、救急車?それ、、とも警察?」


「電話っっ、かけなくちゃ、お゛ぇ」



息が苦しい、苦しいよ


「ひまり、、はっひまりッ」


そのまま意識を失ってしまった。


目覚めたのは



命日の2週間前だった。

8月10日


「あれ1週間前じゃない」


どういうことなんだ



自殺した時は1週間前だった



他殺とか自殺じゃなかったら2週間になるのか?


「ループするなら殺してみようかな」


なんでこう思ったのか私にも分からない。


だけどどうせループするなら


1回ぐらい、、



命日の前日


「今日さ、わたしの家来てよ」


「おっけぇ15時とかでもいい?」


「22時前に来てくれればいつでもいいよ」


「いいけど、体調悪い?」


「え?」

ひまりの目を見れない


「声が一定っていうか感情なさそうなんだけど」


「あー、昨日の夜夜更かししたせいかも」


「、、、?それならいいけどさ」



- - - - - - - - - - - - - - - - -


「家のカギ開けっぱだけど」


「あ、いらっしゃい」


「お菓子とか買ってきたけど今日は早めに寝ようね」


「うん、台所からお菓子持ってくる」


「り〜」




1歩1歩が重い足を運び包丁を持った。


包丁を持った手は震えている。




深呼吸をしてドアを開ける。




「ちょっとベットの上行って」


「あいよ、あ靴下継いだ方がいい?」


「大丈夫」


「どっこらしょ」


その瞬間私はひまりを押し倒した



「えっ、ちよ、なに」



「ごめん」



親に頼んで砂壁から白い壁にしてもらったのに


ベットも買ってもらったのに


赤く染った



その時に手の震えは止まっていた。



「どうして、」


「話さなかったっけループしてるって、」


話してるわけが無いあれは前のひまりなんだから


「分からない、でも殺してくれたんだ」


もしかしたらループが終わるかも


その期待を込めてさらにナイフを深く刺した


何回も刺した


「これでループが終わったらどうなるのかな?私は捕まるのかな?」


「でも、どうでもいい、ループが終わるなら、終わるなら、殺したっていい」




意識が途切れた





「抜け出せなかった」


私が殺すのは他殺か、そりゃそうか


2週間前、8月10日だ


自殺すると1週間、他殺だと2週間戻る。



ひまりが死ぬ時にひまりの家に泊まってるってのないよな


今回はひまりの家に泊まってみよ


首吊りとかodとかだったらは家だし海に行くとかなら私も着いてける


「来週のさ24日泊まり行ってもいい?」


「え〜いいよ」


あっさり返事が帰ってきた、自殺するなら何かあるのかと思ったんだけど


「多分このみなら許してくれるよ」


「おっけ〜い、もうその日は予約したから」


「予約って笑」




8月24日


私はひまりの部屋でのんびりしてると


「ちょっと下行ってくる」

と言い出した。これがどうやって自殺に繋がるのか、あるいは私がいるから自殺しないのか


ちょっとしたら怒鳴り声が聞こえてきた


「喧嘩?ひまりママあんな怒鳴るんだ」


その時扉がガシャンと閉まる音がした。



「どっちか出てった?嘘、そんな大喧嘩したの?」


私は部屋から下を見ると



ひまりが歩いていた



「ひまり!何してんの!」


「分からなくていい、もう無理」


「えっ、ちょっとまってよ」


ひまりはそそくさと歩いていってしまった


気まずい空気が流れてるひまりママの前を通り


「ひまりのとこ行ってくる」


ひ母「あら、そう行ってらっしゃい」


怒ってるからまぁ、素っ気なかった


「ひまりーまってよ」


海の前で止まった


「なんで、追いかけてきたの」


「さすがに、ひまりママと2人きりは気まずい」


「ねぇ、なんでここに来たか分かる?」


「気分転換?」


「違う、全然違う」


ひまりは服を脱ぎ出した



「えっ、ちょっと何してんの?」


「見てよこれ」


私は恐る恐る体を見た


そこには大量の痣や切り傷があった


「傷だらけじゃん」


「これ全部母親にやられたの」


え?そんなことするような人なの?



「言いたいことは分かる、あのお母さんがこんなことするはずがないって」


流れる涙をそのままにしてぐちゃぐちゃな顔をしながら叫んでる


「でも、違うの、私の事なんか娘なんて思ったことは1度もない、そう言われ続けた。」


「なんでお前なんだ、お前さえ居なければ」


「小さい頃から言われてたからこれが普通の親子だと思ってた。」


「えっ」


「私なんか死んだ方がいいんだよ、もう疲れた」


「ちょっと待ってよ、今日お泊まりパーティーでしょ?」


「そんな、今日じゃなくても」


「もう無理なの」


そのまま海に体を投げ出した。


「ひまりっ」


そんなことがあったなんて


ひまりママがひまりを虐待?ちょっと抜けてるとこがあるお母さんだとは思ってたけど、



だけどなんで虐待なんか


「私が気づいてれば死ななかったの?」


また意識が遠のいていく、


自殺理由を知れたなら止められるかも



17日に戻った



だが1週間だと自殺の理由を解決するには短いかもしれない、



どうすれば、



「殺せばいいんだ」


え?いやいや、それはさすがに


でもそれしか自殺までの日にちを延ばす方法は無い、、、



とりあえず1週間考えよう



遊びに連れ出してみる?


思いっきり島でちゃうとか?


あっという間に1週間経った


やっぱ2週間にする方法は1つなのか?



携帯を取りひまりに電話をかける



「あ、もしもし」


「あいよ」


「今から家来てくれない?」


「あいよ〜」


「あいよしか言ってないじゃん」


「あいよ」


その時家のチャイムがなった


「ごめん、ちょっとまってて」


「あいよ」


扉を開けるとひまりが立っていた


「びっっっくりした」


「あいよっっ」


と敬礼をした


「だからあいよしか言わなかったんかい」


「用事って何〜?」


「部屋上がってって、見せたいのがあるんだ」


これから殺すのになんで笑顔で対応できるんだろ



「なになに〜」



「目をつぶって座ってください」


「サプライズか?」




「ごめん」


「え」



もうそこからの記憶は無い


何回刺したのか


覚えてない


覚えてなくてもいい





朝が来た


目を覚ましてすぐ携帯を見る


「10日だ」


これから2週間の間で自殺を止めなきゃ


とりあえずひまりをお母さんから離そう。




その日からひまりのことをよく連れ出した。


なるべくひまりとひまりママの喧嘩が始まらないように



命日の日が刻一刻と迫ってきている



前よりひまりの笑顔が多くなった気がする


8月24日

「今日は、ドゥルルルルバンッ神社に行きまーす」


「行ったことあ」

「行ったことあるなんて言わせません。そこぐらいしか行くとこありません」


「あの辺虫多くない?」


「行くからね」


「了解です、、」


山道をのぼり神社の階段を上る。


けれど


ひまりが足を滑らして落ちてしまった


「え、うそ」


それは一瞬の出来事だった


そしてまたループが始まる


気を失うのを待っていた。


が気がある。


「あれ、なんで戻らないんだ」


光の道が出てきた


「なにこれ、早く戻りたいのに」


天国のようなふわふわした感じ、


そこに橋がある。光の橋が


なんでもありだなとか思いつつ光へ向かった



橋の先には島がある


「島?てかこの島浮いてる?」



ついに私の頭おかしくなったかと思いながら歩いていく


そこで白い布に包まれた人のようなものを見た


その顔を除くと何かが見えてきた


病院の天井?


回りはぼやけてしまっているが、見える


「病院?」


先生「元気な女の子ですよ〜」


ひ母「女の子ですか?」


先生「はい」


ひ母「先生は男の子だって」


先生「エコーだとチソチソに見えていた部分が指だったんでしょうかね」


ひ母「こんなことあるんですか?」


先生「エコーは見ずらいので」



ひ母「女の子じゃダメなんです」


ひ母「なんで女の子なの」


先生「ちょっと待ってください」


その言葉に周りの人達も慌てだした



先生「この子呼吸が弱くなっています。」


ひ母「女の子だとあの人に」


先生「今はそんなこと言ってる場合では無いです」


ひ母「お金は?お金はかかるの?」


先生「そうですね、この調子だと」



そこで目覚めてしまった


「起きてー死んでる?」


「生きてるよ」


「びっくりした、急に起きないでよ」


「起こしたのひまりでしょ」


「ひまりのさお父さんってどうしたの?」


「なんで?こんな急に、、頭おかしくなった?」

私のほっぺをピシピシ叩いてくる。


「夢で出てきたの、ひまりママが女じゃダメだ女だったらあの人がって」

私は手を払い除けてひまりの目を見た


「ん〜言った方がいい?」


「真実を知りたい」


「なんて言えばいいんだろ」


「ゆっくりでいいから」


深呼吸をした


「DV?みたいなの受けて離婚したんだよね」


「いつごろ?」


「はっきりとは覚えてないけど5歳ぐらい?」


「お母さんからは?DV受けてたの?」


「そうなんだよね〜」

ひまりは笑顔だ


「なんで笑ってるの、」


「肺に病気ってあるの?」


「えっ、そこまで夢で見たの、怖いんだけど」


「話して」


「肺が他の人より強くはないんだって、あんまり詳しい話は聞いてない」


ひまりは視線を落とした


「病院にも行ってないし」


「え?産まれてすぐあんな状態だったのに?」


「それなりのお金が掛かるからね」


「だから言われるのかな、男の子だったらって」


「どういう意味?」


「男だったらお金出してくれたんじゃない?DVもされなかっただろうし」


「5歳まで我慢したの?」


「うん、本当は施設に入る予定だったんだけどその前に離婚してお母さんに親権渡って、」


「うん」


「お母さんじゃなんかできないらしくてね」


「 それはなんで?」


「わかんない、女同士の繋がりとか感じてたのかな?笑」


「なんで笑えてるの」


「人はどうせ死ぬし?いいかなって」


なんでこんな大人っぽいんだろう


だがここで、私の中で何かが動いた。


『絶対に死なせない』


だけどどうやって、自殺でも他殺でも8月24日かその前にひまりは死ぬ、


「ひまり、私の家に来て」


「え、今から?」


「今すぐに」


「だる〜笑」


「置いてくよ」



そして1週間後、


「今日は家から1歩も出ません」


「ずっとそんなんじゃん」


「しーしてください」

「お口チャックします」

ひまりの唇に手を当ててチャックを閉める素振りをした


さて、今日は命日だ。どうしよ


家にいれば自殺の心配はないし、、日付が変わるのを待つしかないか。




23:59


特に何もないな。






0:00


ひまりの方を見るがすやすや寝ている。



これでループは終わったんだ。。


とりあえず寝よう。朝になってからこれからの事は考えよう。


そう思い眠りについた


起きて携帯を見る

9:34


「やべ、眠りすぎた」

ひまりもすやすや寝ている。


口に手を当てて呼吸を確認する。

息はしてる。


「ひまり、起きて」


「ん〜あい」


「おはょ、ねぼすけさん」


「このみに言われたくないんだけど」


「朝からお口は元気ですね笑」


「やば、うざぁ〜」


12:48

母「ご飯よ〜降りてきなさい」


「もうお昼か」


「今日はなんだろな、このみママの料理好きなんだよね」


「そうかな、普通じゃない?」



18:36

ひまりが咳をし始めた


「大丈夫?お水持ってこようか?」


「ごホッ、ありがとッ助かる」


動悸がし始めた。やっぱりひまりは24日以降生きられないのかな


水を持ってきた頃にはひまりは喋れないほどに咳をしていた


「ひまり、お水持ってきたよ、飲める?」

首を横に振る


「飲んだ方が楽になる?」

首を縦に振る。


「わかった」

私はひまりを座らせ、顎を持ち少しの水をひまりの口に含ませた


だが


咳で全て出てってしまう。


ひまりの咳が落ち着いた頃にはぐったりしていた


息も絶え絶えで


まるで

死を待つかのように大人しかった


「ごめんね、生きさせて、苦しいよねごめんね」


「このみのせいじゃないよ」


ボソッと喋ったのを最後にひまりは息を引き取った


そこで私の意識も途絶えた


そしてまた

「このみさーん起きてー」

朝がやってきた

「今日何日?」


「確か17日」


「おけ、あざす」


どうやったらこのループから抜け出せるんだろ


ひまりが死んだら気を失ってループが始まる。


殺してもループが始まる。


どうやったらいいんだ


ひまりを苦しませたくないし、


「おーい」

だからといって殺しても意味が無い


なんでループが始まったんだ


「このみ〜?」


「あ、ごめん」


「今日何する〜?」


最初にループ始まった時何してた


自分が最後にした事


2人で歩いてた


アイスたべながら


「アイス、、?」


「またアイス食べに行くの?お腹壊すよ〜」

と言いながら準備を始めた



「え?アイス食べるの?」


「アイスって言ったのはそっちでしょ?」



「あーうん食べに行こ」


考えててもわかんないしアイスで頭冷やすか



「つめた」


「アイスは冷たいでしょ、温かいアイスなんて美味しくないよ」


だが何も起きない


17だから何も起きないのか、、



23と24にまた来よう



23日


「またアイス?」


「どうせずっと食べてるじゃん」


「たしかに、このみっていっつもチョコだよね」


「うん、アイス落とさないでね」


「あ、落とした」


「あ!!拾わなくていいから」


「おっきい声出さないでよ、、、」


トラックが通り過ぎた



「あっぶな」


「このみちゃん未来が見えてる!?」


「そうかも、アイスは拾わなくていいから」


「えーさすがにそんなことできないよ」


ひまりがアイスを拾おうとした瞬間


私は大声で叫んだ


「あ!猫!」


「え、どこ」


ドスッ


「え?」



ひまりの方を見ると地面に寝転がっていた



「ひまり?コケたの?」



だが何も反応しない



「え、ひまり?」


よく見ると少し痙攣している


「頭打ったの?」


体を揺らすのはダメかと思い


手を握った



そこでひまりの手の力が抜けた



「ひまり!ひまり」





「起きて〜」


また17日に戻ってきてしまった


「ごめん、まだ眠い」


「朝ごはんこのみの分も食べちゃうよ」


「食べていいよ、眠過ぎて死にそう」



「それ眠りながら言う?」

「私が食べとくから、後で文句言わないでよね」


「うん」



このループは何がなんでもひまりを死なせたいの?



自殺でもダメ


私が殺してもダメ


他の人でもダメ


生きてても死んじゃうし


なんなの


他に何が出来る



でも唯一命日をすぎたのは私の家に来た時



「少しでも咳した時病院連れてけば、、、」


生き延びれるかもしれない!


その作戦を実行させるためにひまりを家にこさせた



命日まで1歩も外に行かせない




そして命日



「ゴホッ、、」


ひまりが咳をし始めた

「お水持ってこようか?」


このタイミングで救急車に連絡


小さい頃から肺が弱いことを伝えたら離島なのもありドクターヘリで来てくれるらしい


「水持ってきたよ」


コップで飲ませた時咳で飲めなかったよな


スポイトでやって見るか


「コップだとあれだからスポイト使うね」


「ありっがとゴホッ、」


前よりかは咳をしていない



ヘリの音が聞こえた


「もうちょっとだからね」


「なにっ、がっ」


「ドクターヘリ呼んだの」



「はっ?なんっゴホッで」


「とりあえず乗ろう」



私も付き添いとして乗った


私の母はひまりママに連絡してくれるらしい


ヘリ内では色々聞かれて大変だった


あっという間に病院に着いた


体内の酸素が少ないこと、呼吸音が変ということで


少し大きな部屋に通された


看護師「付き添いの方と離れたあと急に容態が悪化して〜〜〜」


何言ってるかわかんないけど


「わかりました、部屋には入れるんですか?」


看護師「急な対面は、、、」


こんな状態ならとボソッと言い私を部屋に通してくれた。


「ひまり〜」


そこには管が沢山繋がってるひまりの姿があった


ピッピッという心音までやらされている



「ひまり?」


そこでひまりママがガラッと扉を開けた


ひ母「なんてことしてくれたの」


その声は私に浴びせられた


「え?」


ひ母「お金いくらかかるかわかってるの?勝手なことするなよ」


私の胸ぐらを掴み怒鳴っている


声が大きすぎて聞こえないほどに


「ひまりを助けたかったんです」


そこに私の母も来てくれた


母「このみが1番に気づいてくれたの」


ひ母「だからといって勝手なことさせんじゃないわよ」


母「子供を助けたいの思う気持ちはないの?」


ひ母「子供だって?女なのに私の子供なわけが」


母「このみは出て、親だけの話し合いが必要だから」


「はい、、」


廊下の椅子に腰をかけた


中から声が聞こえる


いつまで続くんだろ






母「入っていいわよ」


「うん」



そこには泣き崩れているひまりママがいた


ひ母「ごめんね、ひまり、ママの、ママのせいで」



私はその光景を見て涙を流していた


母「ひまりちゃんきっと良くなるわよ」

と頭を撫でてくれた


母「家、帰ろっか」


「うん」



27日

「ひまり、お邪魔するね」


酸素マスクをつけ寝ているひまりがいた


だが呼吸荒くゼェゼェ音を立てていた


心音も少し遅くなった気がする


「もう少しで学校始まるよ」


ひまりが居なきゃ、、楽しくないよ


「もし、、死ぬならさ一緒に死のうよ」


「ちっちゃい頃から大体一緒だったじゃん」


「だから死ぬ時も一緒がいいな」



「、、、、、、、」



「ひまりは一緒に死にたい?」


ひまりは答えなかった


私はひまりの手を握った


「ねぇ、一緒に死ぬって言ってよ」


「そうじゃなきゃ、そうじゃなきゃ」




ピーーーーーー


「え?ひまり!ひまり!ひまり!」


ナースコールを押し


母経由でひまりママに連絡をした


先生「お母さんはこれから来られますか?」


「はい、すぐ向かうって言ってました」


先生は息を吐いた

先生「ひまりちゃんもうちょっとだけ頑張ってね」


「ひまりは?死んだんですか?」


先生「、、、まだ死んでいません」


「良かった、、じゃあなんで音が鳴ったんですか」


先生「、、、こういうことよくあるんです」

とだけいい部屋を出ていってしまった



ひ母「ひまり!」


ひまりママが部屋に飛び込んできた


「まだ、死んでないです、先生もう1回呼びますね」




先生が来てひまりの体を見ている



先生「目見ますね」







先生「死亡が確認されました」



ひまり、、


ひまりママは泣いている



またやり直そう


目を閉じた


だが目の前にある光景は変わらなかった


「え、なんで」


「なんで、なんでなんで」



そこからどうやって家に帰ったのか覚えていない


あっという間にお葬式が始まり




そして骨になった




9月1日

学校には行かなかった


ひまりと歩いた道を歩いている


ひまりが好きだったスイカバーを食べながら




この島全部がひまりとの思い出でいっぱいだった


どこを歩いてもひまりといる時のことを思い出してしまう


そして、夕日の当たる神社


そこで私は命を絶った


母には申し訳ないと思っている。


だけどひまりかま居ない日々なんて私には考えられない


遺書には母への感謝のとひまりとの思い出を沢山書いた、


落ちる瞬間もひまりとの思い出でいっぱいだった


「ありがとう」



始業式中の学校


モブ「3年生のひまりって子死んだんでしょ?」

モブ「このみとずっと一緒にいた子だよね」

モブ「そういやこのみ来てないね」

モブ「友達が死んだんだもん病んだんじゃね?」

モブ「あーそういうこと」



校長先生「始業式にみんなの顔が見られて嬉しいです。」


これを最後まできちんと読んでくれる人がいないので書いてしまいますが、最初のこのみ母の反応おかしかったですよね?それはひまりが死んだという事実を覚えることが出来ず、終業式の帰りとひまりが死んだ後のパジャマに着替えてたところはこのみにとっては一日の出来事なんです。ですが実際起きたのははひまりが死んだ後なのでひまりが消えたということになってしまいました。ひまりは結局死ぬのでもしかしたらこの話はこのみがどうしてもひまりを死なせたくなくて見せた夢なのかもしれませんし走馬灯なのかもしれません。

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