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明日死ぬ僕たちは  作者: 髙木悠ハ
5/7

五、テレビの中

私は、星野夢見。女優になって、テレビに映るのが夢『だった』。

なんで過去形か。

それは私が明日死ぬからだ。

てことで私は、死ぬ前に好きな芸能人にあって、テレビに映ろうと思う。テレビに映れさえすればなんでもいい。なんのテレビでもいい。

今日は、運良く街中で推しのテレビの生放送があるらしいから、そこに行こうと思う。

生放送の内容としては『今すぐ叶えたいことがある人を見つける旅』らしい。

私は街中に出て推しを探すことにした。

メイクもして、超絶可愛いスタイルで、私は推しを見つけることができた。

偶然を装って、テレビのスタッフのような人にぶつかって、派手に転んでみた。

すると「大丈夫ですか?」と推しが手を差し伸べてきてくれた。

「あ…」生で見ると、こんなにかっこいいんだ…。と見惚れていると「大丈夫…ですか…?」と不思議そうな顔をされた。

「あ、大丈夫です!」

私は推しの手を握って、立ち上がった。

するとスタッフが、「この子に聞こう」と話し合いを始めた。

カメラがまわり、マイクを渡され、推しに「今テレビの生放送やってて、インタビューしてもいいですか?」と聞かれた。

チャンスだ。私は大きく頷いた。

「もしもし、こちら中継の山田です。今、ぶつかった女性がインタビューをOKしてくれたので聞いてみたいと思います。」という言葉に続き「今すぐに叶えたい夢はありますか」と聞かれた。

「明日死ぬので、俳優の山田くんに会うのと、テレビに出ることです。」と私は即答した。

「え、死ぬ?」

「はい、ちょっと説明が長くなるし、あまり言いたくないので言いませんが…。」

「そうなんですね…。それにしても僕に会いたいなんて、僕もう夢叶えた感じですか?」

「はい。叶えてもらえました。」

「よかったです。ね、本当可愛らしくて、素敵な方で。それではスタジオにお返しします。」そういうと、スタッフは、話し合いを始め、推しは「ちょっといいかな」と言ってきた。

「なんでしょう。」

「あの…他人の僕が干渉するのもあれなんですけど、明日死ぬって…病気かなにかですか…?」

「…えっと、違います。…信じてもらえないと思うのですが、未来が見えたんです。明日、学校の理科室の爆破に巻き込まれて死ぬ未来が。」

「え…!?未来が…?」

「はい。信じてもらえないですよね。」

「いえ、信じます。えっと、僕のこと好きなんですよね。じゃあ僕にしてほしいことなんかありますか!?」

「お金でもなんでも払うので、握手してほしいです。」

「わかりました、握手ですね。代金はいりません!」

推しはさっきとは違う形で手を私に差し伸べてきた。

私は推しの手を握り、握手した。

「あなたが生きていることを願います。」

「ありがとう…ございます!」

願いが、叶った。


私は一日とても浮かれた気分で、三時に校舎裏に着くまでずっとのほほんとしていた。



この物語はフィクションです

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