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ホラー短編シリーズ

顔を隠して人と会う

作者: 反逆の猫



 あの人を探して数年。


 とうとう見つけました。


 また会えたので、やっと会えたので、前からやりたいと思っていた事をやろうと思います。


 ここまで助けてくださってありがとうございます。


 協力してくれたおかげで探し人が見つかりました。


 どうせだから、この再会を最後まで見守っていてくれませんか?


 ふふ、顔を隠して人と会うなんて怪しいですよね。


 仕方ありません。


 事情が事情ですから。


 私は視線の先にいる人へと近づいていく。







 自動販売機の前で立ち止まった貴方。


 そんな貴方に、やりたいと思っていた事。


 それは、


 貴方の背中のすぐ後ろを歩く事です。


 それは、


 貴方の名前をそっと呼ぶ事です。


 それは、


 貴方の驚く顔を見る事です。


 それは、


 貴方の顔をじっと見つめる事です。


 それは、


 貴方の反応を待つ事です。


 それは、


 貴方の心の中を確かめるためです。


 それは


 貴方の真実をはかるためです。


 それは、


 貴方が手にしている財布の、本来の持ち主を訪ねるためです。





 そこでようやく貴方は、口を開きました。


「嘘だろ! またお前に会うなんて! わざわざ遠くまで行ってカモを探したってのに!」


 執念が大きかったのでしょう。おかげで貴方を見つられけました。


 貴方は、知り合いもいない地元から離れた遠くの土地でやった事なら、逃げられると思っていたのでしょう。自らの罪から。


 私は、人目をしのぶようにかぶったフードをとります。


 この顔には、大きな傷跡が。


 貴方につけられたものが。


 そこで見守っていてくれた人が、我慢できないといった様子で飛び出します。


「反省は全くしていないようだな。俺の彼女を傷つけた罪、償ってもらうぞ!」


 あまりボコボコにしてしまうと、警察へつきだす時が大変ですよ。


 でも大丈夫でしょう。


 よっぽどひどくやらなければ死ぬ事はないと思います。


 私の顔を傷つけた時の貴方みたいに、刃物を持ってはいないんですから。



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