EPISODE009 決心
さぁ、正体は何でしょうね〜(笑)
午後21時50分。
満月が王都を照らす中、攻撃機や輸送機を見た勇者一行は小便を漏らしながら広場から逃げて来た門から王都外へ出ようと走っていた。
「――な、なんだよ。アレは!」
「わかりません、それに・・・」
「ああ、俺も金属の竜は初めて見たよ」
「羽ばたきもしないで、悠々と――!」
その時、勇者一行は気が付いていなかったが上空を何かが光った。
正体は、無人偵察機――プレデターやレプターと呼ばれる偵察機の一種だ。武装面には、中型墳進弾と小型墳進弾を選べる。
勇者一行がモニターに映っているのを俺は見つめていた。
実際、勇者と言っても俺が全力で戦闘しても勝てる見込みがない。
それに、放っていたら至近距離になった時に弱点がわからずにこちらが敗北してしまう。
だから、監視している。
午後23時59分、その時。
監視していた勇者一行に動きがあった、何処かに向かうようだ。
「――ボス、勇者一行に動き有り!」
「監視を続けろ、それと。 王都に戻って来るような態度を見せたら、迷っている暇は無い・・・攻撃を許可する」
「了解」
掛け時計が午前00時00分を知らせる中、続々と仮眠に行っていた午前チームが午後チームと交代した。
「ボス、お先に失礼します」
「ん?ああ、もう時間か。 お疲れ様」
俺が目先の書類物に手を伸ばした時、エイリーの寝ぼけ声が横から聞こえてきた。
「おはよう御座います、ボス。 ふぁ〜・・・」
「ん、おはよう」
その後、顔を洗って来たエイリーに「仮眠してくるから、重大なことが有れば起こしてくれ」と言伝し自室に戻り寝台にダイブしてそのまま意識を手放した。
########
午前04時30分。
仮眠していると突然、緊急呼び出し用の起床アラームが部屋中に鳴り響いた。
『――勇者一行が姿を消しました!』
「・・・むぅ? ふぁあ~、分かった。すぐに行く」
寝台から起き上がり、着替えてその足で部屋の上にある総合指揮所に垂直梯子を駆けのぼり席に着いた。
「――待ったか? 今の状況は?」
「あ、ボス。おはようございます。 先程、誰かと会話しているような仕草を見せた後、剣を放棄して消えました」
「消えた・・・だと? 映像は、有るか?」
「はい。 5分前の映像です」
確かに報告の通り、剣を放棄し森の中に姿を消した勇者一行の姿が映っていた。
「・・・本当だな。 ん? おい、左上を拡大してくれ」
俺が、気が付いた場所は、左上に迷彩柄が一瞬だけ映った事だ。
「――あ、これは!」
俺が指摘した画像を見たその場にいた全員が目を見開いて、口を開けて固まった。
「ああ。 人の腕だ、間違いない」
ニヤリと笑い腕を組んだ俺の目線先に映っている拡大された画像には、はっきりと肌の色と袖が映っていた。
「裏の支援か・・・、こいつら勇者一行は何処までもクズだな」
俺はその日――その時決心した、勇者一行を絶対に許さない・・・と。




