あとがき
こんばんは。あるいはこんにちは、おはようございます? 雨方蛍です。
一応、「魔王の兄と勇者の妹」という作品の作者やってます。
まずは『魔王の兄と勇者の妹【特別編】』の完結報告をさせていただきます。
そして何より、このあまりにも長い双子の物語に最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました―――!
ここまで続けられたのも、読んでいただいた皆さんのおかげです。本当に感謝しかありません。
とまぁ、こうやって作者が自我を出してくる作品はよくないと聞くのですが、しかし約4年半、600万文字以上続けてきた作品のラストです。少しくらい、色々語らせてもらってもバチは当たらないかなぁ~ということで、初めてガッツリあとがきを書いてみます。ちなみについ昨晩(2024.11.29)に完結まで一気に書き上げた翌朝、これを書いているので結構勢いのままに書いていきます。れっつごー!
* *
「魔王の兄と勇者の妹」が始まったのは4年前の9月でした。きっかけは、「魔王と勇者が双子の兄妹として転生する話って面白いんじゃないか」と不意に思い立ったことです。その日に思いついて、早速その日に一話書いてみて、夜の23時にポンッと投稿しました。
その時はまぁすぐに辞めるんだろうなと正直思っていましたし、長く続くつもりも続けるつもりもありませんでした。
ですが翌朝、起きて確認してみるとビックリ! なんと、10Pt入っていたのです!
☆5評価で10Pt、あんな時間にたった1話だけ投稿された作品を読んでくれて評価してくださった方がいる。それは、雨方の中で物凄い励みになりました。だって、あの日の10Ptが今の大長編に繋がったわけですから。
間違いなく言えるのは、あの時☆5評価してくださった誰か様が居なければ今の「魔王の兄と勇者の妹」はありません。きっと学園に入るより前に筆を捨てていたことでしょう。
まだ読んでくださっていますか? あなたの10Ptがこんなことになりましたよ。
誰かが自分の作品を読んでくれている。そのことがひとりの人間を、ひとつの作品を大きく運命づけてしまうのですから。やっぱり、評価を伝えるって大事なんだなと。自らを持って知ることが出来た、この作品の始まりです。
それから4年と少し、小説が日常の一部にありました。今日のノルマが出来ていない、明日明後日はバイトがあるから今日の内に数話分ストックを書いておかなくちゃ……とか。疲れやスランプから描けなくなる時期もありましたし、パソコンが壊れたことで真の意味で書けなくなったこともありました。それでも何とか、凡人なりに精一杯アザミとシトラの物語を書ききることが出来たかなとは思っています。
本編では皆に迎えられた双子が、特別編では送る側に回る終わり方。特別編のラストの展開に関しては何度も考え、何度も修正して、そしてあの終わり方に落ち着きました。‟灯篭を打ち上げる祭り”という終わり方だけは漠然とあって、あとはそれをどう演出するか。最後の戦いを終えた後の、皆の物語をどう伝えられるだろうか。悩んで、それでも自分の中では納得の出来るラストシーンになったとは思っています。実は最終話と245話は一日で、244話はその前日を使って一気に書き上げたんですよね。今まで毎日コツコツ積み上げてきたのですが、終わる時は一瞬でした。世界が波に呑まれる展開に入ってから完結までは、終わりに向けて物語を紡ぐのが楽しかったです。それこそ、他の何より小説を優先して取り組んだ時間でしたから。
そんな双子の物語は、最後にアザミが語ったようにこれで終わります。650万字には少し届かなかったですね。
そしてここからはお前たちの物語……ということで、では、これからの話をさせていただきましょう。
1話を投稿してから1年足らずで200万字ほどを書いて本編が完結しました。そして作品1周年となる2021年9月3日より今の特別編が始まりました。
文字数にして2倍、完結までに要した時間は3倍と。どっちが本編か分からないでおなじみの本作ですが、あの終わり方から察するように、ここから『完結編』という第三部に続く道が存在しています。この構想は、実のところ特別編の最初期からあったんですよね。本編・特別編・完結編の三部作でグランドフィナーレを迎えるという構想が。
例えば245話で新たにサファスマファやプリシュ・ティーナヴェルといった絶対の神様の名が登場しました。レシューメルもそうですね。特別編の第五部の舞台になった邑淑だって、実は完結編用に貼った伏線でした。なんせ邑淑は天上の島々のひとつでしたから。(確か、おかしいなと困惑するアザミを書いた覚えがある)。星天の庭だって不穏さだけ出しておいて、特に解決することなく終わりましたが、あの組織も完結編で活躍する予定の伏線でした。
元から絶対を冠する神様という存在は完結編で立ちはだかる大ボス的役目でした。本編での七罪の使徒、特別編での神代兵器みたいなものです。天に帰った世界が、その先もずっと平和であるために―――天上の世界、絶対の神様たちとの間に物語を紡ぐ。それが特別編となる……‟予定”、でした。
ということで、ペラペラ語ったことで分かっていると思いますが、その構想はもうありません。双子の物語はここでおしまい。アザミとシトラの物語は、まぁもしかしたら周年記念などで短編を書くかもしれませんが、少なくともこの先あの双子が大活躍するストーリーはありません。本編、特別編で終わりです。
理由はいくつかあります。今のペースで書くと、仮に特別編を書いたとしてその完結が恐らく社会人になってからになること。完結させられるか、続けられるかの不安です。あとは、この作品がここから大バズを決める未来が無いこともそうですね。やはり、PVやPtはモチベーションに関わってきますから。
なんだ、じゃあ未完成で終わるんじゃないか。いえ、それはまだ分かりません。
構想はあります。世界観もまだ生かしたいところはあるし、何より完結編のキャラにも魅力的な子はたくさんいますから。彼女らを生かさず終わるのは、やっぱり忍びないです。
完結したこの作品が続くことはありませんが、もしかしたらまたいつか、別の作品で物語の続きが語られるかもしれません。アザミとシトラの言う新しい世界……次の時代、次の世代が活躍する新しい物語があるかもしれません。
なんて。長々と言い訳っぽいことを並べていましたが、わりと本当に次の予定は決まっていません。本来なら「雨方蛍先生の次回作にご期待ください!」なんて過分な煽り文句で締めるところなのでしょうが、次回作すらあるのか……。
とりあえずしばらくはゼミ課題の小説に注力する予定です。去年書いたやつはそろそろ公開しようかな。まぁとにもかくにも、次回作があるのか無いのか。あったとしてそれはこの世界の続きを描く完結編なのか。その場合の主人公はアザミたち世代の子供たち……いわゆる次の世代というやつですが。(そして主人公も舞台も変わるし【完結編】と銘打つわけでもない)。そんな、今までと同じ道の作品を描くのか、それとも短編や現実世界を舞台にした小説を書くのか。もしくは、ガチガチの追放ざまぁ系に行ってしまうのか……。
次に会える作品がどこになるかは分かりませんが、また出会えたらその時もどうかよろしくお願いします。
これといった次回作を示せなくてごめんなさい。でも多分、雨方は小説の世界にはひっそりずっとしがみついているのだと思います。だからきっと、いつかは新しい小説を書きます。あるのか無いのかとか言っていますが、どーせ雨方は小説から逃げられない人種です。
それがどのような話かは分かりませんが、いずれ雨方がずっと目指している目標―――アニメ化出来る作品を作るという夢を叶えられる作品を書きます。その時には、雨方の原点であり走りである「魔王の兄と勇者の妹」を読んでいたんだぜとそう誇れるように。この作品が原点にして頂点―――とならないよう。……いや、文字数は多分超えられないケド。
これからも小説を書き続けると思います。書き専とかいう世にも珍しい人種として。
それでは、書きたいことをぐちゃぐちゃと書き連ねたのであとがきはこれで終わります。満足。
最後に、こんなところまで一緒に走ってくれてありがとう。あなたのおかげで、とても楽しく満ち足りた4年間でした。
ぜひ感想や質問、疑問でもなんでも投げてください。長文で返します。
あと650万字あるのにレビュー1は悲しいので、誰かおすすめしてよ。
どこからどうみてもクレクレですが、最後くらい許してくださいっ……!
じゃあ今度こそ。ありがとう。そしてさようならまたいつか、会える日まで。
『彼らの物語は終わる。しかし、この世界はまだ終わらない』
雨方蛍でした。撤収!
※完結までのいいね総数→3644(ありがとうございました!!)
【おまけ】
こんな作者の自己満でしかないあとがきを最後まで読んでくれたあなたにだけ。特別ですよ。
あえて、最終話のラストで雨方は徹底的にアザミとシトラの子供の名前を語りませんでした。理由は一応あって、それ自体がひとつの伏線(考察)であること。そして何より、アザミとシトラの物語の最後に、新しい物語の主役の一人になる少女の名を出してしまうのは彼らに対して失礼だと思ったからです。そのため‟子供”とか‟女の子”として詳しくは語りませんでした。まぁ、最後にアザミが「メロ」と呼んだので全くの秘密というわけでは無かったですが。
ただここはあとがきですし、別に決まっていない訳でもこんなところまで徹底的に隠す話でもありませんので、最後の最後に公開します。つまりおまけです。
アザミとシトラの子供の名前は、‟メローナ・ミラヴァード”といいます。女の子。ちなみに母親似です。
いつかどこかでこの名前を見るかもしれませんね。あるいはいつか、この家族の日常譚も描いてみたいものです。
はい、今度こそ終わり! 完結まで読んでくださったあなたに、心の底から感謝します!