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八話

昨日の夜からティルフザールに魔力を込めつつ、読書をしていたら朝のようである。今日は入学式なので、ほとんどの時間を自由には使えないだろう。


「おはようございます。主」


パジャマ姿のガレアが隣で起き上がったようで、眠たげな声で話しかけてくる。因みにパジャマは転生させると決めた時点で買っておいたものだ。魔石や屑鉄鉱石は売らずに素材に使っているのでちょっと懐が寒くなってきたな。因みにメタルマザークラブのドロップは土魔石 大、特上鉄鉱石 20個、鋼母蟹の甲殻 5個、鋼母蟹の鋏である。討伐を隠したので売ることが出来ないので、何処かでダンジョンに入り僕が使わない素材を売る必要があるな。


「おはよう、ガレア。今日からはこの部屋の管理をよろしくね」


「はい、わかっていますとも。私を寮に置いておく理由付けにメイドの仕事をしなければいけないのは」


物凄く不満げな顔をしているので、懐事情の解決と不満解決を兼ねてこんな提案をしようかな。


「一つ提案をしよう。今の僕は少しばかり懐が寂しい、そして君は騎士の仕事がしたい。と言う訳で、部屋の管理の空き時間にダンジョンに行ってはどうかな?」


「なるほど、良いお考えかと。ですが私の剣がありませんね」


君は女の子なのだからもうちょっとこの提案を断ろうとして欲しいのだけど。やっぱ体以外の行動とかになると女の子っていう自覚無いよねこの子。


「それはメタルマザークラブのドロップを使って作るから、どんな剣にしたいか要望を聞かせてね」


「曲刀寄りのサーベルでお願いします。できれば前世の物がいいのですが何処にあるかわかりませんから」


「伝承通りの得物だね、明日までに作って置こう」


前世で使っていた物はテルシア平原にも無かったらしいから、小国連合に持っていかれたかな?剣聖の持ち物となると相応にすごい物が多いからね。小国連合にサーベルを使った剣術が上手い人物がいるとはあまり聞かないから、下賜されている事はないだろう。


――――――――――――――――――――

今日は食堂に早めに行くことにしている。なぜなら帝都周辺のほとんど貴族は今日の早朝到着したので朝食を食べておらず、朝食を食べに食堂にやって来るからだ。面倒にならないと良いけどね、かなりの数の上級、下級貴族が集まるとなればそういった事も起こりうるからね。ついでだがサーラにはガレアを紹介済みである。夕食前に行った事もあり、呼びに来たサーラと鉢合わせる事になったので紹介しておいた。寮に置く理由付けの為にメイドの仕事をさせると言うまで、不機嫌顔を直さなかったが。今では逆に教え込んで騎士よりメイドにしすると意気込んでいるけど。


「イーミール様もガレアさんも日替わりメニューでいいですか?」


「それで頼むよ」


「久々の食事ですから、食べられれば良いですよ」


調理人にメニューを伝え、トレイを持って並ぶ。貴族子弟の中にはメイドに取りに行かせる人もいるそうだけど、基本的に世間体を気にするからよほど頭が弱くなければすることはない。そこまで弱ければ、自分より下の爵位の貴族の従者を取ろうとすることもあるらしいね。


貴族子弟の権力について詳しく説明すると。基本的に自分の家の爵位の一つ下の爵位と同じ権力となる。慣習的に伯爵家の子息の命令と子爵家当主の命令の場合、子爵家当主の命令が優先されるのだけど。例外は皇族などから最下級から一つ上の龍宝双勲章以上を受け取った人物は自分の家と同じ爵位の権力が行使できる。


先ほど子爵家当主の命令が優先されると言ったけど、基準は当主か子弟かの違いなので勲章を受けった人物は当主クラスの扱いなので、例え公爵子息の命令でも、紋章を持っている人物が男爵家の人物だとしても、勲章を持っている人物の命令が優先される。


※分かりにくそうなので後書きでもうちょい説明します。今は勲章持ちの子弟は勲章持ちでないの子弟の権力を上回るぐらいの認識で大丈夫です。by作者


「おい、お前!そこの白髪のお前!」


「僕ですか?」


ンー、どこの馬…頭が弱い貴族だったかな?

赤髪で、目も赤くて、背は大きく、スポーツ刈り……?あぁリーファン侯爵家のドラ息子か。側室の子の。しかし従者はついているけど止めないとは。


侯爵殿は二人目が欲しいらしいが、第一婦人は流行病で亡くなって久しいし、第二婦人はドラ息子を可愛がる事に必死だしで、外に妾を作る事にしたらしい。にしても侯爵殿はなぜ父上に相談なさるのだろうか?家はそういう事を管理してないのだけど。


「そうだ、それ以外何がある!呼んで直ぐ来なかった無礼は、そこの女で許してやろう」


そう言ってドラ息子はガレアを指差した。


「お断りしますよ、彼女は僕の従者ですので」


「そんな事は聞ていない。これは命令だ!」


はい、それアウト。侯爵殿もそのドラ息子の処理依頼を僕にしないで欲しいなぁ。


「そうですか、それは僕が龍宝双勲章を授与されていると知っての事ですかね?」


「知ったことか!それよりその女をよこせ」


「貴方の命令は私には効かないと言う事ですよ、お馬k…ゴホン…愚かな人。それでも欲しいなら、決闘でも受けて立ちましょう」


えぇ、なんで知らないの。ここまでお馬鹿なら挑発すれば来るかな。侯爵殿曰く「あの子は手が掛かりすぎるので、最悪病死してもらうかもしれない」という事らしいので、できるだけ侯爵殿の名に泥がつけない様に処理しよう。


今後の予定を考えいれば、ドラ息子の投げた白手袋が僕に当たる。


「決闘だぁ?そんだけ言うならやってやる。どうせお前には負けしかねえがな」


「そうですね、入学式もありますから今から中庭で行いましょう」


魔物より釣りやすい人間とはなんなのだろうか?

――――――――――――――――――――

面倒だったのでシリスティアを召喚して一瞬で終わらせました。周りには拍手してるサーラとガレア、刀身が途中から切れて無くっている長剣を持って気絶したドラ息子、唖然としている野次馬生徒とドラ息子の従者。


よし、朝食が冷えないうちに食べに食堂に行こうか。

――――――――――――――――――――

無事、朝食は冷えないうちに食べることができたが、皇帝陛下の使者からお小言を頂いた。その使者が伝えてきた事は皇帝陛下曰く「アルテミスを頼む」らしいが、正確にはアルテミス・ティーナ・イスタール殿下の従者任命である。


これは僕とアルテミス殿下が幼馴染なのが理由だ。そもそも従者にする為に幼馴染にさせたような気もするが。従者の仕事も今日は挨拶に行くぐらいしか仕事が無いだろうが。やるべき事は早く終わらせるに限るので、入学式前に行っておこう。ちなみ行くのは学院内のアルテミス殿下の部屋である。

――――――――――――――――――――

「入りますよ、アルテミス殿下」


問題は無いと思うが、ノックを三回して五秒程待ってから部屋に入る。そこにいるのは僕より少し低い身長の黒髪で、二十センチ程の二本の朱殷(しゅあん)色の捻れ角とルビーの様な目を持つアルテミス殿下とお付きのメイドたち。


「別にお前ならば、ノックせずに入ってきても良いのだかな」


相変わらず男勝りの様だ、これで剣術も上手だから剣術関係の家の子息泣かせだよね。


「アルテミス殿下はまだ婚約者が決まっていない事自覚してますか?」


「それは常日頃から考えている事だ。それに第三候補がよく言うものだ」


喋っていたら急に眠気が、昨日寝なかった所為か?


「眠そうだな、大丈夫か?」


「大丈夫なはz……」


「大丈夫かと心配したが、私に抱きつきながら寝るとは大胆だな」


――――――――――――――――――――

《発達因子の接近を確認》

《因子の覚醒を開始します》

《種族が龍人族(ドラゴンニュート)に覚醒した事でステータスの変化、スキル、術式を取得しました》

――――――――――――――――――――

「起きろ、入学式の一時間前だそ」


「ふあぁぁ」


ん?目の前にアルテミス殿下の顔が?


「ファ!?」


「冷静なお前が驚くなんて珍しいな、何度も近くで見た顔だろうに。お前が寝てしまったから、ソファーで膝枕をしていたんだ」


急いで起き上がり、状況を確認する。確かアルテミス殿下に挨拶しに来た時に眠気に負けて寝てしまったのだったか?


「寝てしまった事以外は、変わった事は無さそうですね」


「変わった事?あるじゃないか、お前の顔に私ぐらいの角が二本生えているぞ?鏡を持ってこい」


そう言って指摘してくるアルテミス殿下、その角を見せようとメイドに鏡を持って来させている。


「そんな馬鹿な、私はただの龍の血を引く人間ですよ?殿下と同じ龍人族(ドラゴンニュート)な訳がありませ……ありましたね」


アルテミス殿下に見せられた鏡から、白緑(びゃくろく)色と青漆(せいしつ)色の二本の東洋龍の様な角が見える。そして発動させていた解析がステータスを伝えてくる。

――――――――――――――――――――

 ステータス

 名前:イーミール・レオン・エルカミス

 種族:龍人族(ドラゴンニュート)

 MJ(メインジョブ)聖者:シスム レベル1

 SJ(サブジョブ) 学者 レベル3

 生命力:1,060/1,760(+1,010)

 魔力:8,025/10,025(+2,320)

 STR:35(+10)

 VIT:36(+10)

 INT:127(+10)

 DEX:78(+10)

 AGI:41(+10)

 MID:75(+10)

 スキル

 召喚術 レベル22 従魔契約術 レベル22

 錬金術 レベル35 死霊魔術 レベル22

 光魔術 レベル25 風魔術 レベル25

 闇魔術 レベル15 並列発動 レベル1

 雷魔術 レベル1 影魔術 レベル1

 空間魔術 レベル1

 学習 レベル30  解析 レベル11

 中級剣術 レベル1 工学 レベル1

 科学 レベル1 魔力学 レベル1

 初級精霊学 レベル15

 体力回復速度強化 レベル1

 魔力回復速度強化 レベル1

 イスタール帝国史 レベル5 

 礼儀作法(イスタール式) レベル40

 話術 レベル30 速読 レベル45

 ダンス レベル15

 権能『ハマリエル』

 称号

 【聖者:シスム】 【寵愛:シスム】

 術式

 【転移:シスムの神域『星辰の空間庭園』】 【龍体変化】 【龍器召喚】

 所持金 9万シル

――――――――――――――――――――

えぇ?これあれかな?神の声(システムメッセージ)の因子がどうたらの。まぁ深く考えると、遙か古代から存在している生物の知識が必要になりそうだから後に回すけど。


「これでお前は、第一候補と同等になったな?」


「ランドラー公爵子息ですか?争うとなるとかなりの労力ですね」


彼も龍宝双勲章を持っているのだったかな。龍人族(ドラゴンニュート)ではないと記憶しているけど。


「お前は相手が公爵家でも逃げるとか、負けるとは言わないんだな?」


「まだ始まってすらいない戦いに何を恐れるのですか?今はアルテミス殿下の従者として精一杯頑張りますよ、では入学式が終わり次第迎えに行きますね」


さーて、皇帝陛下はどちらを選ぶのかね?どちらにせよ簡単に道化師(ピエロ)になる気はないけどね。

――――――――――――――――――――

イーミールが去ったアルテミスの部屋では気をアルテミスが呟いていた。


「アレクのそうゆう臆さないところが好きなのだかな」


周りにいるアルテミスが生まれ時から世話をしてきたメイド達は思う。


『アルテミス様とイーミール様さっさと婚約しないかなぁ。お似合いなんだから』


たが、『こんな風に皇帝陛下に強請らず、自分で手にしようとして、あんまり手を出せないヘタレな皇女殿下こそがアルテミス様である』とも思うのだった。


ランドラー公爵子息が選ばれたとなれば皇帝陛下に直訴も辞さないと改めて決意を固めて。

――――――――――――――――――――

入学式は校舎の近くにある、大きなホールで行う。とゆうか行なっている。やることは皇帝陛下による挨拶、学院長挨拶、入学生代表挨拶、在校生代表挨拶である。見事なぐらいに全て挨拶である。皇帝陛下には最近会ったので挨拶を聞く気はない。

「………健やかなる成長を願う」

次は学院長だったかな?学院長は平民上がりの方だが、実力は申し分なく、五年前に北のデルテリアで起きた魔物暴走(スタンピード)での功績が最も有名な話である。名前はトール・ガーレル。ハーフエルフだったと記憶している。

「この学院では多くの学問を学ぶことができる。それはこの帝国の偉大さ……」

定型文コースかな?違う事考えていようかな?

――――――――――――――――――――

大いに定型文でした。入学生代表挨拶はアルテミス殿下、在校生代表挨拶は第三皇子殿下がなさっていた。実に暇だったね、途中から結界術式を応用した拘束術式を組み始めたぐらいだよ。


入学式が終わっても組み終わらなかったけどね。自由変形、自由操作できる結界は組むのがめんどくさいね、けどその見返りが良すぎるから組むしかないよね。


さーて迎えに行きますかね。僕とアルテミス殿下のクラスは一緒のクラスだった、学院側からの操作を感じたね。てか意地でも国内で争いをさせないという皇帝陛下の意気込みを感じる。


なぜならエルカミス家は外交業務と国内の腐敗の排除を受け持っているだからだ。この排除は帝国暗部は一切関係ないので、皇帝が愚帝だった場合、皇帝の暗殺もする。


これはイスタール王国初代国王とエルカミス家との間に結ばれた契約であり、その当時から改z…研究気質と情報関係、暗殺などを得意としていたエルカミス家を初代国王は家臣として迎えたかった。


が、エルカミス家は比較的安定していた状態だったので無理に体制を変える必要が無かったし、国同士の争い、貴族間の争い巻き込まれるに危険があったのでその話には乗り気では無かった。


そこで国王が提案したのは国内の腐敗した貴族、王族の排除権と交換で他国の情報取集。帝国暗部が生まれた現在でも変わることなく、この契約は続いている。

閑話休題

そんなわけで出来れば皇帝陛下は僕たちエルカミス家に仕事をして欲しいわけだ。戦争準備の邪魔を本気されたくないようで、内憂外患な状態にしたくないようだ。


「お疲れさまです、アルテミス殿下」


「お前、割と初めの頃から聞いていなかっただろう?」


「まさか、僕が偉大なる先人の話を聞かないはずがありませんよ」


はっはっはー、そんな事ある訳ないじゃないですかー。


「妙に芝居みたいな時点で嘘と気付けるわ阿呆」


「あっ、やっぱバレますかこれ?」


「確実にバレるにきまっておろうが」


ですよね、バレますよねこの隠し方。


「クラスは同じだったのか?」


「えぇ、同じでしたよ。上手く起きる日が重なればいいのですかね」


「その辺りは問題なかろうよ」

――――――――――――――――――――

入学式が終わり、教室に入り一応重要人物を確認しておく。


西方のダリオン公爵家次男、レール・トリドス・ダリオン。ダリオン公爵家は軍派閥所属で、領地は

帝国の国境部にあり長きにかけて西方のリベリオン魔皇国との外交を担っている。


東方のグリア公爵家嫡子、ファルス・ニール・グリア。グリア公爵家は長らく子供が生まれ無かった事もあり、中立派に所属している。そして更に東にはフミル公国とカーチィス王国がある。


北方のデイアール辺境伯長女、ラフィア・タルア・デイアール。デイアール辺境伯は皇族派閥に属しているので、いざとゆうか時は力になってくれるだろう。辺境伯が置かれている理由は小国連合が存在しているからだ。


南方のハーレス侯爵家次女、ノーラル・ソーニャ・ハーレス。ハーレス侯爵領は海に面していて、貿易が盛んであるが、帝国が直接管理している港なので不満があるのだろう。貴族派閥だ。


同じく南方のランドリー公爵家嫡子、トルミス・アクサ・ランドリー。アルテミス殿下の婚約者第一候補、強いて言えば審判と法の神ラジア様の信仰が厚い領地だと記憶している。


…なんで揃いも揃って派閥が違うのだろう?面倒が更に面倒に進化するじゃないか!


「これはかなり言動を気を付けて生活した方が良さそうだな?」


「えぇ、アルテミス殿下はシーディス寮でしたよね?ならば寮では多少気を抜いてもいいかと、僕もいますし。ですがクラスでは各派閥を刺激しないように動くべきでしょう」


「そうゆうのは苦手なんだかな」


「必要技能です。諦めてください」

――――――――――――――――――――

担任教師の紹介も終わり現在は寮の僕の部屋、予定通りガレアのサーベルを作る。そしてガレアの姿を見て、解析をかけた。

――――――――――――――――――――

 名前:ザムリス・ガレア・ジークス

 種族:機龍人族(ドラゴマキナ)

 MJ(メインジョブ):剣士見習い レベル1

 SJ(サブジョブ):メイド見習い レベル1

 生命力:50,250/50,250(+3,925)

 魔力:3,370/3,370(+1,120)

 STR:225(+10)

 VIT:220(+5)

 INT:65(+15)

 DEX:198(+15)

 AGI:220(+10)

 MID:48(+5)

 スキル

 上級剣術 レベル75 上級回避 レベル75

 上級盾術 レベル75 

 大地魔術 レベル1 暗黒魔術 レベル1

 重力魔術 レベル1 魔剣術 レベル20

 魔力回復速度強化 レベル50

 体力回復速度強化 レベル50

 礼儀作法(イスタール式) レベル50

 状態異常耐性 レベルMAX 

 精神攻撃耐性 レベルMAX

 馬術 レベル50 槍術 レベル25

 思考加速 レベル25 並列思考 レベル25

 学習 レベル50 計算 レベル25

 統率 レベル1 初級工学 レベル2

 イスワール帝国史 レベル20

 騎士道【忠義】 レベルMAX

 身体能力増加 レベル50

 精神能力増加 レベル50

 メイド技能 レベル2

 称号

 【二十代目剣聖】【慈愛:シスム】

 術式

 【龍体変化】【龍器召喚】【狂重領域】【騎士の誓い】etc

 技

 イスタール騎士流剣技

――――――――――――――――――――

現在、ガレアの容姿は髪はブロンドと黒色が分かれていて、目の色はトパーズの様であり、二十センチ程のハニーイエローの角が生えていた。


「あー?ガレア?その姿はどうゆう事だ?」


「主の帰りを待っていたら、六時半頃に急に眠気が来て一休みしたらこうなっていました」


その頃はアルテミス殿下に挨拶に行った筈だから……?


「なるほど、僕が原因か」


「精霊の時の属性を失いましたが、前世と死霊の時の属性を持ちましたからプラスではないかと。あと待っている時に工学の書物をお借りしました」


完全に僕の光と風が消えたよね。工学の教本は恐らく機人族(エクスマキナ)の変化である機龍人族(ドラゴマキナ)にとっても重要だと思うので是非覚えて欲しい。まぁいいか錬成しよう。


「サーベルを作るから魔力貰うよ、ガレア」


「分かりました、扱いにくいでしょうが頑張って下さい」


錬金術(アルケミー)錬成術式(フォーマリゼイション):素材〈土魔石 大 闇魔石 大 特上魔鋼インゴット 5個 鋼母蟹の甲殻 5個 鋼獅子の鉄革 黒花の黒瑠璃(こくかのオキニス) 小 魔石 小〉リソース〈魔力(僕) 10,250 魔力(ガレア)3,370 鋼母蟹の鋏〉」


僕の魔力はガレアの魔力とは適性属性が違うので、僕の魔力を限りなく無色にしガレアに塗り替えさせる。鋼母蟹の鋏がリソースになっているのは今回必要なのは鋏に含まれている斬属性魔力だからだ

全ての素材から魔力を抜き取り塗り替えさせ、その上で僕がガレアの魔力と斬属性魔力を一対一になるように整える。


曲刀寄りのサーベル、曲刀、湾刀といえば有名なのは海賊が使ったとされるバルバロッサだろうか?イメージとしては西洋の刀の様な物と考えていい。ガレアは叩き切るより、斬るタイプだった様なので其方を意識して行う。


鋼母蟹の甲殻五つと特上魔鋼インゴット四つを鍛治をするために熱を持たせる。シリスティアの時はインゴットは一つだったし、剣の側も同じ素材だったので使わなかったのだか今回の様に同じカテゴリーの二つの素材を一つの部品に使うためには、金属なら鍛治、布と革なら裁縫、薬草なら調薬と適切な工程で混ぜ合わせるのだ。


これはガレアにも手伝って貰う、僕よりDEX高いし。そもそもこの錬金術は集団術式にしているので、手伝って貰わねば困るのだけど。

―――――――――鍛治中――――――――

よし、出来た。出来た四つのインゴットを刀身し、鋭利化と硬化、斬撃強化の術式を付与する。そして残した特上魔鋼インゴットを持ち手にし、護拳と呼ばれる手を守る部分を作り、鋼獅子の鉄革を巻き、黒花の黒瑠璃(こくかのオキニス)を魔宝石にし、闇魔術系と土魔術系の術式の効果増幅術式を刻み、鍔に取り付ける。斬属性魔力を刀身にガレアの魔力を全体に込めて完成。解析

重斬の黒薔薇(ローゼグラス)

 品質 S+ 攻撃力 +1728 闇魔術系増幅 土魔術系増幅 所持者固定『ザムリス・ガレア・ジークス』

 鋼母蟹の甲殻と非常に品質の良い魔鋼を使い作られた半曲刀のサーベル。その刀身は物理に強く、魔鋼を使った事で強靭かつ柔軟である。刀身には鋭利化、硬化斬撃強化の術式が付与され、斬る事に特化した魔剣である。魔剣としては中級である。素材の限界が出されている。

 呪文

  【召喚:ローゼグラス】

  【解放:想いは重く 黒薔薇となりて】

 使用可能スキル 剣術 闇魔術系スキル 土魔術系スキル 魔剣術

うにゅ、シリスティアより強い。使ってる素材からすれば当たり前だけど納得がいかない。結構な額のシル使った甲斐があったとも言えるけど。


「はい、コレ。出来るだけ壊さない様にね」


「それは善処します。そこそこの物ですね、早く前世の物が見つかるのいいのですか」


「剣聖の得物と比べないで欲しいな。あぁ、戦闘はそのメイド服でやるのが一番良いと思うよ」


ガレアのメイド服はクラシックメイド風の物であるが、鎧だった由縁があったので完全に服ではなく軽鎧と言うのが正しい。一番良い例えは魔法少女の衣装だ。


「あんまり騎士って感じがしないのですか、一番安全なのは確かですか」


「そのままメイドになっても良いんだけどね?」


「私は騎士です!」


強情な、シスム様はコレを攻略しろと言うがかなり難しいと思う。だって自分が女の子って自覚が無いってどうゆう事よ、あの男勝りのアルテミス殿下でさえ自覚があるぞ。


「明日からダンジョンに入れる様になるからいいじゃないか。それとも何かな?膝枕をされたいのかな?」


「膝枕は結構です。ダンジョンに入れるのはありがたいですか」


そう言ってこの部屋の隣にある使用人用の部屋に行ってしまった。

――――――――――――――――――――

今日の成果

 プラス

  ガレアが戦闘できる様になった(大事)

 マイナス

  ローゼグラスの諸々作成費 5,500シル

  ガレアのパジャマ代 500シル

  メタルマザークラブのドロップ{特上鉄鉱石を残して(特上魔鋼インゴットに加工済み)}

困ったので初手テンプレ話を入れましたが、今後伏線になる筈です。第二皇女殿下のシーンですが、メイドたちが止めない理由は彼女達イーミールとの婚約推進派なので。ヒロインたちは本当ならもうちょっと馴れ初めとかあるのでしょうけど、皇女殿下は幼馴染だし、サーラは確定した未来だし、シンリアは師匠だし、ガレアは女の子自覚ないしでよっぽどの事が起きないとそういった反応を示さねえ。そもそも自覚してるのサーラだけだからイベントが書きにくいなぁ。ルート消すつもり無いけど。イーミールとヒロインを絡ませるとだいたい一緒に寝ますが今回は予定通りです。

今回は出費が多かったですか、ガレアが戦闘できるようになるだけでリターンが大きいです。ちなみに市販の普通の鉄剣とかをガレアが使うと一瞬で壊れる。なんで初めの方で一緒のベットで寝てたかって?イーミール君が術者使役体間思念伝達術式を応用して闇魔術【スリープ】をかけました。幾ら状態異常耐性があっても内側からきたら意味があんまりありません。【スリープ】は一瞬で寝ますが、それを内側から来たのを踏まえて十分動けたガレアは化け物と言えるでしょう。ちなみに第一騎士団長、イーミールの報告嘘だと思ってるのでシルバーキングファングまだ居ますよ。

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