表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/50

七話

 昨日から寝ずに過ごし、現在は窓から朝日が見えている。存外に眠くないものだね、家の書庫から持ってきた本は来る途中で読み切ってしまったので今読んでいるのは学院の教本なのだが。それも工学と科学、魔力学は読み終わってしまったから今は精霊学の教本を読んでいる。そんでもって今のステータスはこうなっている。

 ――――――――――――――――――――

 ステータス

 名前:イーミール・レオン・エルカミス

 種族:人間

 MJ(メインジョブ) 魔術士見習い レベル3

 SJ(サブジョブ) 学者 レベル3

 生命力:292/292(+52)

 魔力:40/1,540(+120)

 STR:16

 VIT:12(+2)

 INT:72(+6)

 DEX:68(+6)

 AGI:14

 MID:20

 スキル

 召喚術 レベル20 従魔契約術 レベル20

 錬金術 レベル35 死霊魔術 レベル20

 光魔術 レベル20 風魔術 レベル20

 学習 レベル30  解析 レベル11

 剣術 レベル45 工学 レベル1

 科学 レベル1 魔力学 レベル1

 初級精霊学 レベル15

 イスタール帝国史 レベル5 

 礼儀作法(イスタール式) レベル40

 話術 レベル25 速読 レベル45

 ダンス レベル15

 所持金9万2,000シル

 スキル進化

 初級工学 レベルMAX→工学 レベル1 初級科学 レベルMAX→科学 レベル1 初級魔力学 レベ

 ルMAX→魔力学 レベル1

 ――――――――――――――――――――

 スキルが進化すること自体は分かっていたので、ガレアの体を作るために、ガレアには過去の戦争で死霊魔術で使用されたガレアの遺体を取りに行ってもらっている。ティルフザールを核に精霊召喚をしているため僕の魔力はとても心もとないことになっているし、魔力が少ないせいで集中しずらいのではやく帰ってきてほしい。


『主、戻りました。いささかアンデットがいたので時間がかかってしまいました』


 精霊の体でも騎士鎧を纏っているガレアが窓から部屋に帰ってくる。兜からはその男性とも女性とも見れる中世的な顔が見える。

 まぁ、精霊は基本魔法、魔術を使うから、戦闘補助にしか使わないガレアには精霊としての戦闘は難しいだろう。ましてや執念で生きるアンデットでは尚のことだ。


『なるほどね、しかしテシルア平原ってそこまでアンデットが多いのかい?とゆうか過去形とゆうことはもしや殲滅してきたのかい?』


 テシルア平原とは帝都の東、ヒルジアの更に北で小さな国の連合(以下小国連合)との国境に存在する。


『ええ、自分の遺体の上をアンデットが闊歩しているのは気持ちが悪かったですので近くだけですが、イスタール帝国領なはずでしょう?』


『いや帝国的には奪われても、奪われなくともどうでもいい土地なんだがね』


『思えば川が小国側から流れていましたね、相手から攻め込まれ易すぎますか』


『そうそう、だけど皇帝の威信的に守らないといけないから、いらない貴族を向かわせる辺境になってるね』


『広すぎる国土も考え物ですね』


 行くとすれば、皇族の初陣に使う程度だよねぇ。程よく軍部の声を抑えることができるからお金の無駄遣いだけどいるとゆう変な感じだから触りたくない問題だよねぇ。


『遺体はどうなったかな?』


『こちらに。呪われかけたので結晶封印を施しました』


『遺体になっても騎士鎧かぁ』


『騎士ですので』


 アンデットに触られるとアンデットから呪いを受けることがあるのでガレアにはもし触られてしまったら封印して持ってくるように言っておいたのだ。それにしても体の身に着けている鎧は精霊の状態のものと同じものだろうか?精霊は印象に残ったものを身にまとうらしいから死霊から精霊に変質したガレアに印象に残ったのは騎士鎧なのは妥当かな。でもガレアにしては欠損があるな。左脚がないね。


『一応呪い払ったら、脱がすけど問題ないよね?』


『えっと、それはちょっと//』


『なぜ慌てるのかな?男同士だろう?』


『わ、私女ですよ!』


 は?とりあえずさーらにみられないようにしよう。声も割とボーイッシュだったから気づかなかった。


『…………………心を無にして作業しようかな』


『やるにしても、そうしてくれると助かります//』


 やらないのは戦力的に大きく低下してしまうからやらない訳には行かないのです。そう、結果的に女の子の肌を触ってしまうとしても。南無三!

 ――――――――――――――――――――

 ダンジョンに入る予定は八時からなので。読書をやめ、サーラの髪を撫でる。魔力回復促進ポーションを飲んでいるので恐らくはあと三分ほどで魔力は半分回復する。今はスキルレベル上げよりも最適解だと思うのは何故だろうか?既に封印結晶を解析しているのだが結果がこれである。

 [女剣聖の結晶封印遺体]

 イスタール帝国最強の騎士と謳われるザミルス・ガレア・ジークスは女性騎士で

 あった。それは父との約束、皇族に仕える事を果たすためである。生涯その事実

 を告げた者は一人もおらず、貴方はその発見者となった。貴方が死霊術師ならば

 有効活用できるだろう。貴方は恋知らずの騎士を、剣聖を、一人の少女にできる

 のか。輪廻と静寂の女神 シスムは見ている。

 解析ぃ、貴様も裏切るのかぁ。絶対死霊魔術使えるからだけど。闇属性を司る静寂と輪廻の女神シスム様は死者に静寂を与える役割を持つ、つまり冥界を司る。なので死霊魔術に切るに切れない、深い関わりを持つ。やはり召喚した事がバレていたようだ。態々魔術式から聖句を引き抜いて書き換えたと言うのに、仕方ないなぁ。ちょっと礼拝しに行こう。


「イーミール様、おはようございます」


「あぁ、おはようサーラ」


「えーっと、イーミール様はいつまで私の髪を撫でているのですか?」


 眠気が覚めたのか状況を把握したサーラが僕に言った。


「サーラが嫌がるまでかな」


「身支度が出来ないので嫌です」


「わかったよ、今日はダンジョンに入るからよろしくね」


「準備は既に出来ているので問題ありません」


「僕も出来ているから、朝食後に寮入り口で集合だ。僕はちょっと大神殿に行ってくるよ、護衛は大丈夫たからね」


「分かりました、では失礼します」


 なんか思いっきり疲れが取れたねサーラは。朝食前にさっさと大神殿に行ってしまおう。厄介事は直ぐに終わらせるに限る。

 ――――――――――――――――――――

 今更だか、この世界の神を紹介しよう。最高神アルバル様から右に、光属性を司る、審判と法の神ラジア様。闇属性を司る、静寂と輪廻の女神シスム様。火属性を司る、闘争と武術の神タリス様。風属性を司る、知識と魔術の女神エルネアス様。水属性を司る、自然と生命の神レシア様。土属性を司る、生産と大地の女神アノア様。創造と破壊を司る、空間と時間の最高神アルバル様。その他にこの方たちに付き従う眷属神の方々が存在する。僕が信仰するのはエルネアス様だが恐らくシスム様に呼ばれているので、七つの神像が向き合ってある場所のシスム様の神像を向き、祈りを捧げる。現在の回復している全魔力を使用してこの空間をあやふやにしながら。

 ――――――――――――――――――――

 薄暗い夜を月と星々の光が照らす空間庭園。僕の周りには月の下にのみ咲く、月光花が咲いている。


「龍と人が混じりし子よ、私の管理を外れし術を使いし子よ。私の前までくるといい」


 空間庭園の中心、丁度月の真下に当たる位置にあるガゼボからその声は聞こえるようなので、僕はそちらに移動する。

――――――――移動中―――――――――

 長く黒い髪に白い肌を持ち、ロココ調の金の刺繍が付いた紫色のドレスを着た妙年の女性が言う。女神シスム様である。


「子よ、何故私の管理を外れた術を行使したのです」


「一つ、死霊魔術の限界を知る為、二つ、単に私の限界挑戦です。シスム様」


「子よ、あまり神々の祝福(支援)をおそろかにする物ではありません」


「心得ました」


「難しい話はこれまでです。子よ、ザミルスを冥界から連れ出してくれてありがとう」


「いやはや、女性だと教えずに送るのはやめて頂きたい物ですがね」


 ガレアを召喚した時、出来るだけ神々の支援無しでやってみたかったので聖句を抜いたのだか、逆に神気を僕が扱えるギリギリまで送って来たのは驚いたよ。しかも聖職者じゃない僕に神託まで送って来たし。


「それに関しては教えない方が良いかな、と考えたので」


「対応するこちらの身も考えて頂けたらと。そして今回何故お呼びになったのですか?」


「あぁ、そうでした。子よ、今この時より貴方は私の聖者です。もちろんエルネアスとは話をつけてあるので何も気にする事はありません」


 えっと、エルカミス家的に困るのですけど!


「いいではありませんか、貴方はこれから死霊魔術が扱い易くなり、適正属性に闇が増える。私は貴方とザミルスの関わりを見る事が出来るようになる。」


 さらっと心を読まないで頂きたい。だけと死霊魔術が扱い易くなるのはかなりのメリットだなぁ。


「では、交渉成立です。

 汝は今、この時より我が聖者。死者を想い、導くもの。我が代行者なり。

 教義と言っても、ほとんどは生活を支える死に感謝をする事なので、信者に教えるなど事はありませんので気張らなくてかまいません」


 僕の辺りに、月の光が当たり一つの魔術式を組み上げる。読む限り転移術式かな?とゆうか頭に刻まれた感じがするのですが


 ――――――――――――――――――――

 《シスムの寵愛を得ました》

 《シスムの聖者に指名されました》

 《権能『ハマリエル』を与えられました》

 《適性属性に闇が増えました》

 《シスムの神域『星辰の空間庭園』への転移術式を覚えました》


 気付けば大神殿に戻っており、髪を確認すれば白い髪の中に黒い髪がメッシュの様に入っていた。聖者とはジョブでもあるが、称号でもある。僕の場合はサブジョブが埋まっているので、上がりやすいメインジョブが上限に達したら就こう。

 ――――――――――――――――――――

 ステータス

 名前:イーミール・レオン・エルカミス

 種族:人間

 MJ(メインジョブ) 魔術士見習い レベル3

 SJ(サブジョブ) 学者 レベル3

 生命力:292/292

 魔力:100/1,540

 STR:16

 VIT:12

 INT:72

 DEX:68

 AGI:14

 MID:20

 スキル

 召喚術 レベル20 従魔契約術 レベル20

 錬金術 レベル35 死霊魔術 レベル20

 光魔術 レベル20 風魔術 レベル20

 学習 レベル30  解析 レベル11

 剣術 レベル45 工学 レベル1

 科学 レベル1 魔力学 レベル1

 初級精霊学 レベル15

 イスタール帝国史 レベル5 

 礼儀作法(イスタール式) レベル40

 話術 レベル25 速読 レベル45

 ダンス レベル15

 権能『ハマリエル』

 称号

 【聖者:シスム】 【寵愛:シスム】

 術式

 【転移:シスムの神域『星辰の空間庭園』】

 所持金 9万2,000シル

 ――――――――――――――――――――

 大判振舞いだなぁ、有り難く受け取るけど。

 さぁ、どうやってこっちに来る神殿長殿を言いくるめようか。

 ――――――――――――――――――――

 よし、乗り切った!が、シスム様の名誉司祭になったので厄介事が未来に送られただけな気がするけど。神殿にずっといるよりかはまだ良いので問題ない。シスム様の聖地はイスタール帝国内には無いから、正式な任命は恐らくは国ごとにいる大主教様がシスム様の聖地から帰ってからになるだろう。だが、簡易的な任命は聖地で儀式を行う前の大主教様方に無属性魔術の【念話】で行ったので、権威自体はある。ついでに聖者認定もやった。神殿長殿はこれから僕が聖者である事と、任命式の発表をするそうなので去っていった。一回寮に帰ろうかな。そろそろ帝国暗部が情報を掴むだろうからね。

 ――――――――――――――――――――

 市場に回復ポーションと回復促進ポーション、魔力回復促進ポーションの素材を買いに行ってから寮に帰ると、部屋が変更になったそうで。寮母曰く『聖者をあんな部屋に泊められると思ってるのかい?』だそうで。皇帝陛下に呼び出されるよりかましですかね。


「イーミール様いきなり大神殿に行ったと思えば、聖者になって帰って来るのはおかしいとおものですが?」


「世の中不思議な事もあるもんだよねー」


「完全に事実に諦めてる声なのですけど大丈夫ですか?今日ダンジョンに入るのでしょう?」


 シスム様はもうちょっと人間の事情も考えて欲しいなぁ。


「そのあたりは問題ないよ」


 あぁ、帝城に入るから皇帝陛下に呼び出される可能性がぁ。体は元気だから体は、大丈夫大丈夫。

 ――――――――――――――――――――

 帝城に入り、ダンジョンに入ろうと受付に立ち寄ろうとしたとき。予想どうり騎士に呼び止められた。


「イーミール様、皇帝陛下がお呼びです」


「相変わらず、初動が早いね、第一騎士団は」


「ありがとうございます」


――――――――移動中―――――――――

 帝城の中層、王座が存在する謁見の間、現在僕は跪いてそこにいる。周囲にいる近衛騎士団が怖いね。とゆうか今の僕そこそこのローブ着てるだけだから、服装的にやばいのでは?


「表を上げよ。イーミールよ、此度はいきなり呼び出して済まなかったな」


 言葉どうりに顔を上げ、適していると思われる言葉を選び声に出す。相手はイスタール帝国皇帝ロンダム・グロム・イスタール、不敬などあってはならない。


「いえ、その様なことは問題ございません皇帝陛下。此度はどのようなご用件でしょうか?」


「おぬしが女神シスム様の聖者になったと聞いてな、その祝いと国外の話よ」


「祝っていただける程の事をしていません。ただ国外の話となると一つ報告がございます」


 エルカミス家は代々魔術師の家系であり、イスタール帝国の外交業務を担う家である。その業務は僕にも、イルミスの分家にも引き継がれている。その中で僕とイルミスが担当しているのはフミル公国である。


「聖者になることが難しいと知りながら謙遜するか、まぁいい。一言にとどめておこう。おめでとう聖者殿?」


「お戯れを、本題はフミル公国の話だと愚考いたしますが?」


「ふん、可愛げのない。だが本題はそちらであることは確かだ、報告を聞かせてもらおう」


 この人の冗談は周りが本気になるかもしれないからやめて欲しい物だ


「やはり、フミル公国には”生きて”いる遺跡が多いです。あの技術力も遺跡からサルベージしたものかと思われます」


「続けよ」


「問題は首都アークスにあります。彼の場所には古代の巨大兵器が機能を停止した状態で存在しています」


「その兵器の戦力は」


「この帝城に穴を空く位ならばたやすいかと」


 多分結界付きでも穴が空くかな。


「ふむ。倒せるか?」


「同等の兵器であれば可能かと思われます」


「ほかの兵器はどこだ?」


「アークスに存在する物以上に完全な状態な物はありません。ですがイスタール帝国内に存在はしています」


 アークスでイルミスが見たという物に比べれば、大きく劣化してはいるけど。そしておそらく完全に停止してはいないだろう。


「直す必要があるか、だが設備があるのか?」


「現在、イルミスに頼んで公国に発見されていない遺跡を全て回収しています。こちらに味方する”生きて”いる遺物も存在しますのであちらの起動にはギリギリ間に合わせる事ができます」


 問題はあの遺物がこちらの提案を受けるかどうかだ。あちらには機動に必要な物が揃っていない分、起動している此方が有利、どれだけ早く動けるかが重要だ。


「大々的に動けば公国側にバレかねないか、済まないが国レベルの支援は不可能だ」


「全ての行動は隠蔽しておりますので、意識が起動に向いている以上、下手に刺激しては起動を一度止めて軍事行動に入ることもあり得ます。元々暗部の支援を受け取るだけで充分です」


「もはや、戦争は止められる域ではないか」


「帝国の絶大な軍事力という抑止力が覆せる可能性がある以上、野心故に独立したフミル公家が止まる理由はありませんから」


「まぁいい、火種は潰す物だ」


 おやぁ、皇帝陛下の意識が完全に戦争モードな気がしますね。歳は五十を超えているはずなのだね、龍の血で見た目は二十台ぐらいなのだけど。


「私はダンジョンに入りに行きますが、他に何かございますか?」


「そうだな、アルテミスをお前に嫁にやりたいぐらいだな」


「それこそ、お戯れを。他の貴族家が黙ってはいませんよ」


 ――――――――――――――――――――

 時間は飛んでダンジョン内、僕とサーラは襲い掛かってきた魔物を掃討していた。


「雑魚が多いね」


 イーミールはティルフザールを使い、先程覚えたばかりの闇魔術を使って魔物達を蜂の巣にしてこう呟く。


「雑魚が情報よりも多いですね、これは上位種が生まれていると見ていいでしょうか」


 面倒…やらないといけないことが増えたなぁ。ドロップの屑鉄鉱石を拾いアイテムボックスにいれ、魔術を発動させる。


風魔術(ウィンドマジック):〈ウィンドソナー〉」


 本当は魔術名も要らないのだが、サーラに探知魔術を使ったことを伝えるために、発言する。

 この三階層の奥に二つの大きな反応があり、一つの近くには弱いけれど大量の反応、もう一つの近くには少ないけれど強い反応。この反応から考えられる上位種は


「メタルマザークラブとシルバーキングファングかな?」


「どちらも支配系統上位種ですね、魔物暴走(スタンピード)の可能性がありますね」


 サーラが焦ったような声を上げる。どちらも周囲の同種の魔物の生殖能力を高め、その上で自らの子供の場合、成長能力を高める。キング種は成長能力の強化に偏っており、マザー種は自らも生殖能力の強化に偏っている。そのマザー種キング種の特性はダンジョンでも変わっておらず、魔物暴走(スタンピード)の原因になりやすい種である。最もどちらも周囲の同種の魔物が一定上増えなければ発生しない種であり、基本的に魔物同士の縄張り争いで数が減るため同時に発生しない。だがここはダンジョンであり、ダンジョンの意識誘導によりダンジョン内に発生した魔物は同士討ちしないため、本来は発生しないハズの事が起こっていた。


「現在時点で片方を討伐した方がいいですね、この分では国は認識していなさそうだ」


「上に報告しに行くのはどうですか?」


「それがいいだろうが、恐らくメタルマザークラブは発生してすぐだろうから狩りに行くよ、シルバーキングファングは発生してからかなり経っているから周り(配下)を突破するのは厳しい」


「分かりました、ですが無理はしない様にお願いしますね」


 まぁシリスティアとティルフザール併用すれば余裕だよね。

 ――――――――――――――――――――

【召喚:シリスティア】目の前にシリスティアが光に包まれて出てくるのが分かる。魔法陣の中から引き抜き、背中に仕舞う。そしてシリスティアとティルフザールに存在する接続魔術回路を起動させ魔力を共有させる。ついでに剣達召喚。


短期錬成召喚ショートホォーマリゼイションサモン:生贄(サクリファイス)〈魔力〉指定(ダズアグネイション)〈スティールインテリジェンスロングソード〉」


 その数八本。今回は基本的に使うのはこちらになるだろう。ティルフザールの保有魔力は余り足りていないので相手から奪うことにしている。


『いきなり呼ばれたと思えばこうゆうことですか』


『そんな感じだね』


 剣達とティルフザール魔力を共有化させ、奪った魔力と生命力がティルフザールに行くようにし、そこら中にいるメタルリトルクラブを切り刻む。んー反応的にもう四百はいるかな?成長してるのはいないからワンサイドゲームだけど。さぁてマザーはいつ来るかな?

 ――――――――――――――――――――

 斬って斬って二時間程、先ほど反応があった場所に近づいてきた。魔力が溜まるごとに剣を召喚していたので現在剣の本数は五十本ほどとなっている。サーラが定期的に弓の戦技(アーツ)【アローレイン】を放っているので、徐々に殲滅され紫色の光に変わっていくメタルリトルクラブ。そしてその光を吸い込みティルフザールに送り込む剣達。ティルフザールの推定魔力量は十五万ぐらいかな。マザー種のレベルは推定五十レベルとされる。通常のマザー種に属性などが着くと跳ね上がるのだけど。そんなことを考えていると、反応した場所に着いたようだ。生まれかけの卵が壁に張り付いているので剣達で破壊しておく。マザー種は何故かいないようだけど。直後、地面が激しく揺れた。


「ん~、下かな?」


「お気着けを、イーミール様」


 予測通り、下から出てきたメタルマザークラブに今まで使わなかッたシリスティアを突き付ける。やることは簡単、シリスティアを媒体に魔術式を発動する。描くのは魔力の放出術式だ。メタルクラブがそこそこの敵と判断される理由として初めに挙げられるのはその甲殻の硬さが挙げられる。ならば今回の魔力の放出術式の目的は明らかだろう。甲殻を内側から引きはがす為だ、甲殻が取れた蟹など柔らかい肉でしかないのだから。術式を発動するのに一秒もかからない、故にメタルマザークラブが膨大な魔力から逃げようと移動を開始しようとも、逃げることは敵わない。放出された魔力はメタルマザークラブに吸収され内側から爆発する。その後表れたメタルマザークラブは大部分の甲殻は実体化した魔力により、あらゆる角度から切り刻まれ、もはや動ける状況ではなかった。そこを要らないと思うが五十本の剣達で突き刺す。血しぶきが上がる間もなく、メタルマザークラブは光を放ち魔石と幾つかのドロップに変わっていた。


「うん、終わったね。雑魚が残ってるけど、それは冒険者達に責任を取ってもらおう」


 ちゃんと雑魚狩りはして欲しい物だね。


「はぁ、疲れました。さっさと帰りたいです」


「まだシルバーキングファングの報告してないからそっちしてから帰るよ」


 早期にメタルマザークラブを討伐したことにより、魔物暴走(スタンピード)自体は遅らせることができた。だがシルバーキングファングは発生してから恐らくは二週間経っており、シルバーキングファングが要因となる魔物暴走(スタンピード)は止まってはいない。


「えぇ、面倒です」


「お疲れ様、サーラ」


 この戦闘だとレベルが上がってそうだね。解析


 ――――――――――――――――――――

 ステータス

 名前:イーミール・レオン・エルカミス

 種族:人間

 MJ(メインジョブ) 魔術士見習い レベル10 MAX→聖者:シスム レベル1

 SJ(サブジョブ) 学者 レベル3

 生命力:750/750(+458)

 魔力:1,540/7,705(+6,165)

 STR:25(+11)

 VIT:26(+14)

 INT:117(+45)

 DEX:68

 AGI:31(+17)

 MID:65(+45)

 スキル

 召喚術 レベル22 従魔契約術 レベル22

 錬金術 レベル35 死霊魔術 レベル22

 光魔術 レベル25 風魔術 レベル25

 闇魔術 レベル15

 学習 レベル30  解析 レベル11

 中級剣術 レベル1 工学 レベル1

 科学 レベル1 魔力学 レベル1

 初級精霊学 レベル15

 イスタール帝国史 レベル5 

 礼儀作法(イスタール式) レベル40

 話術 レベル30 速読 レベル45

 ダンス レベル15

 権能『ハマリエル』

 称号

 【聖者:シスム】 【寵愛:シスム】

 術式

 【転移:シスムの神域『星辰の空間庭園』】

 所持金 9万1,000シル

 スキル進化

 剣術 レベル50→中級剣術 レベル1

 ――――――――――――――――――――

 受付に支配系統上位種のシルバーキングファングの発生の可能性があることを訴えれば、まるで取り合って貰えなかったため、無理を通して第一騎士団の団長に言っておいた。無論、メタルマザークラブの討伐は隠しておいた。同時発生など最もあり得ない話だからね。その後は魔力の回復を待ち、広くなった部屋で、ドロップの屑鉄鉱石を上鉄鉱石に変えてから。ガレアの体の整備を始めた。光魔術で呪いを払い、封印を解く。水晶が崩れていく。鎧は劣化こそしているが品自体はかなりの物なので、再錬成し形を変える。念話はでガレアが抗議をしているがこれはシスム様の指示であり、一人間たる僕が逆らえる物ではないのだ。なんでメイド服なんだろうね。まぁクラッシクメイド服なだけ良い思うよ?シスム様から義母上と同じ匂いを感じるんだよね。すべての金属を金属繊維にしてから、編みなおす。色は帰りに買ってきた染色岩を混ぜることで変え、ティルフザールの魔力を使い完成。使った魔力は5,000ほどでまだ魔力には余裕がある。なぜならメタルマザークラブが5万の魔力をくれたからだ。この後全部使うのだけどね。化学、工学、魔力学全て中級スキルになっており、召喚術スキルは20レベルを超えていて、更に家の書庫にあった機人族(エクスマキナ)に関する書物八冊により、知識も十分。よって召喚術で機人族(エクスマキナ)を召喚又は契約出来る。そして機人族(エクスマキナ)とは、古代の人々が機械を持って不死に至ろうとした者たちの事である。※扱い的にはアイテムにもなるし、モンスターにもなるので作者的に困るけどイーミール君の今後の主戦力になります。あと人類種なのでジョブの恩恵を受けます by作者

 ――――――――作業中―――――――――

 終わった、主に心臓と左脚の作成が辛かった。これからやる事は遺体の錬成とガレアを体に定着して作業だ。先ずは遺体の錬成だ、

錬金術(アルケミー)錬成術式(フォーマリゼイション)素材:〈機械じかけの真銀心臓 機械じかけの真銀脚 女剣聖の遺体〉リソース:〈魔力 45,000〉」


 真銀(ミスリル)とは魔銀(ミスリル)と違いその銀の中に神気が含まれるている、つまりシスム様のおかげである。ガレアのためって言ったら一発で釣れた。性質は魔銀(ミスリル)の超強化版で、魔力伝導率、増幅率共に高い。二つの部品は既に遺体の中に入っているので魔力を注ぐたけだ。心臓部品は心臓の役割を果たすに金属繊維で心臓を真似して作っている。そしてその繊維に心臓の動きが出来るように、魔術式で動きの指令が刻んである。脚部品も同じ様にしてあり、その他に表面にブロンズのメッキをつけてある。元々のガレアの心臓は心臓部品と錬成して融合している。本当は脚も錬成したかったのだが、ガレアが言うには見つからなかったそうだ。初めの鎧を脱がし、再錬成の時点でガレアはシリスティアの中に入って行ってしまったのだか。ようやく魔力が注ぎ終わったようなので次の術式、床に魔術式を書き、ティルフザールを触媒に、シリスティアとメイド服の遺体を魔術式の上に置く、こればかりは僕でも詠唱がいる。


「輪廻と静寂の女神シスムが聖者 イーミール・アレク・エルカミスが行使する 全ての魂に夜は訪れる されど全てに朝は訪れず 哀れなる魂に救済あれ 悲しき魂に救恤あれ 死者の契りに縛られ 本質を見誤る事なかれ 死は終わりにして始まり 破壊の先の創造 世界は廻る 邪気無き哀れな魂を救わん 〈権能行使:輪廻転生乃理:創造の再誕 (セカイハマ)破壊の終焉 (ワリヒトハ)人は廻る(ウマレル)〉」


 シリスティアから光が出てきて、遺体に移る。見た目は簡単だが、本来使うのは神さまなので、一人だけでも僕の魔力で五千程使う。効果は単純、死霊や精霊など精神生命体の人類種への転生だ。ガレアの魂に付いている使役術式はガレアの体が変わっている事を伝えくる。成功のようだ。

 起き上がったガレアは、自分の体を見て恥ずかしそうな、満足そうな表情をしたのち僕に話しかけてくる。


「あ、主。このような体になっても私は騎士として貴方に従いますからね!」


「好きな様にすると良いさ、騎士でも、メイドでも」


「誰がメイドですか!」


「ガレアかな」

 ――――――――――――――――――――今日の成果

 イーミール君はステータス以外。

 プラス

 屑鉄鉱石 300個 魔石 小 350個 

 マイナス

 上銀鉱石 20個(総70個) ガレア遺体改造の素材費 1,000シル シリスティアが魔剣に戻る

 ガレア

 名前:ザムリス・ガレア・ジークス

 種族:機人族(エクスマキナ)

 MJ(メインジョブ):剣士見習い レベル1

 SJ(サブジョブ):メイド見習い レベル1

 生命力:46,325/46,325

 魔力:2,250/2,250

 STR:215

 VIT:215

 INT:50

 DEX:183

 AGI:210

 MID:43

 スキル

 上級剣術 レベル75 上級回避 レベル75

 上級盾術 レベル75 

 光魔術 レベル35 風魔術 レベル35

 魔力回復速度強化 レベル20

 体力回復速度強化 レベル50

 礼儀作法(イスタール式) レベル50

 状態異常耐性 レベルMAX 

 精神攻撃耐性 レベルMAX

 馬術 レベル50 槍術 レベル25

 思考加速 レベル25 並列思考 レベル25

 学習 レベル50 計算 レベル25

 イスワール帝国史 レベル20

 騎士道【忠義】 レベルMAX

 身体能力増加 レベル50

 精神能力増加 レベル50

 メイド技能 レベル1 

 ――――――――――――――――――――

ガレア男子だったハズなのにねぇ、気づいたらこうなってたねぇ。もうね、シンリアもね男子予定なのにね、本来はサーラでサブヒロインも終わりの予定だったんだぁ!うん、キーワードにハレーム追加しときまーす。イーミールの性格的に寄ってきた来た獲物は逃がさないしなぁ。まぁキャラの性別の変わったごときで壊れるプロットではないのでご安心を。只々後々作者があまり書きたくない状況になるだけなので。

私事ですがダン〇ちのアニメを一気見しまして、LIO内の日本的な場所と狐獣人の登場が早まりましたが私は元気です。そもそも日本的な場所は書く予定だったので問題ありません。狐獣人もね。

ダンま〇での推しは当然春姫です。異論は認める、だが私は聞かぬ。

ガレアが剣聖にしては弱すぎる事になってましたが、霊体で物質に干渉するにはステータスが減少しますので肉体系ステータスはあの値の三倍です。ガレアの作業………見たかったですか?要望が有れば本編外で書かせていただきますね、一応。ガレアのステータスは一応設定通りです。なんだろうねこの戦闘メイド?メイド技能はメイドで使うスキルの詰め合わせ。その中に房中術は入ってますが何か?言い訳は1d2でやったら、入ってる方の2が出たんだ。因みにサーラも持ってるメイド技能。思ったけど家事したら睦事が上手になるメイドってなんだ………?

権能は処女宮の天使、ハマリエルから取ってますが、これと言って大罪の嫉妬と関係ありません。単に丁度いいと思って付けてるだけなので。権能『ハマリエル』の効果は、ハマリエルの名前など、亡者の階級から考えられる能力プラス、シスムの一部権能の行使、闇属性補正です。権能は察しの通り輪廻転生行使です。あっ何故にシスムがこの権能付けられるかとゆうと,今黄道十二宮の天使、悪魔共に全滅してますので、死んだ生き物は全てシスムの管轄なので付けられます。まぁそろそろ復活するかなぁ、今付いている権能は先代の物です。今代は生まれかけですね。

見た目

アルマ・サーラ・イルミス app16

体格 お胸そこそこお尻大きめ(殴

髪 金 目 黄 シニヨン

ザルミス・ガレア・ジークス app17

体格 ノーラ以上(殴アルマ以下(殴

髪 白ベースに黒メッシュ 目 翡翠 

ポニテ

ガレアはぶっちゃけると魔力の性質、濃さ、因子の状態、全てがイーミール君と同じです。

皇帝陛下と第二皇女殿下は次回デス。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ