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六話

 二週間とちょっとたち。今日は入学式二日前である。その間起きた八日間は魔術や工学などスキルレベル上げに予定どおり使った。その結果はこのステータスである。

 ――――――――――――――――――――


 ステータス

 名前:イーミール・レオン・エルカミス

 種族:人間

 MJ(メインジョブ) 魔術士見習い レベル3

 SJ(サブジョブ) 学者見習い レベル10MAX

 生命力:240/240

 魔力:1,180/1,180

 STR:14(+6)

 VIT:10

 INT:54(+24)

 DEX:50(+30)

 AGI:14(+4)

 MID:20

 スキル

 召喚術 レベル20 従魔契約術 レベ20

 錬金術 レベル10 死霊魔術 レベル20

 光魔術 レベル20 風魔術 レベル20

 学習 レベル25  解析 レベル8 

 剣術 レベル40 初級工学 レベル20

 初級科学 レベル20 初級魔力学 レベル20

 イスタール帝国史 レベル5 

 礼儀作法(イスタール式) レベル40

 話術 レベル23 速読 レベル33

 ダンス レベル15

 所持金10万シル


 ――――――――――――――――――――

 見事なぐらいの純魔型だなぁ。魔術師見習いは戦闘職だから戦闘でしジョブレベルがあげられないのが難点だね。錬金術も素材が無いからレベル上げがしずらかったし、お金自体はあるけど外出する時間が無かった。今サブジョブの変更をしてしまおうか。

 〈ジョブ選択〉

 学者 剣士見習い 魔剣士見習い 錬金術師見習い 召喚師見習い 死霊魔術師見習い 

 光魔術師見習い 風魔術師見習い 工学者見習い 科学者見習い 魔力学者見習い

 紳士見習い イスタール帝国史学者見習い 話術師見習い 

 見習いが多いね、うん。スキルで増えるから仕方ないね。当然、学者を選ぶ。

 《サブジョブに学者が選択されました》

 ――――――――――――――――――――

 ステータス

 名前:イーミール・レオン・エルカミス

 種族:人間

 MJ(メインジョブ) 魔術士見習い レベル3

 SJ(サブジョブ) 学者 レベル1

 生命力:240/240

 魔力:1,300/1,300(+20)

 STR:14

 VIT:10

 INT:60(+6)

 DEX:56(+6)

 AGI:14

 MID:20

 スキル

 召喚術 レベル20 従魔契約術 レベ20

 錬金術 レベル10 死霊魔術 レベル20

 光魔術 レベル20 風魔術 レベル20

 学習 レベル27  解析 レベル10 

 剣術 レベル45 初級工学 レベル25

 初級科学 レベル25 初級魔力学 レベル25

 イスタール帝国史 レベル5 

 礼儀作法(イスタール式) レベル40

 話術 レベル25 速読 レベル35

 ダンス レベル15

 所持金10万シル


――――――――――――――――――――

 メインジョブ、いつ上げられるようになるかな?帝都内にもダンジョンはあるけれど、あっちの世界で大きな休みはもうちょっと先だから大人しく講義を受けようか。ここで学院、正確に言えば帝立イスタール学院は、この時代の文明にしては多くの学問を学ぶことができる。例えば薬学、工学、科学、統治学、魔術学、魔法学、魔力学、精霊学まだまだあるが今はここまで。その多さが帝国の人の多さを物語っているね。リベリオン魔皇国には魔術と魔法では流石に追いつけないけれど、彼の国とは留学生を送り合うぐらい仲がいいから問題ないけどね。あとはフミル公国かなぁ、あの国は科学において発展しすぎだよ。元々はカーチィス王国の公爵家だったのに。フミル公国はカーチィス王国に可能な限り従うって独立時の宣言には書いてあるけど、今だと明らかに形だけだしフミル公家もカーチィス王家も隠そうとすらしないし、下剋上されないといいけど。

 閑話休題

 僕が選ぶのは魔術学、統治学、戦闘学剣術科、科学、工学、魔力学、精霊学だ。基本的に僕が使う術に必要な知識だね。統治学は貴族として受けるべき講義ってだけだから選んでるだけだけどね。戦闘学剣術科は僕にはガレアがいるから問題ないね。ガレアって騎士だから楽させてくれないけど。六時まで魔力学の本でも読んでいようか。

 ――――――――――――――――――――

「イーミール様、朝ですので制服に着替えてください。放っておくと読書ばかりしているのですから」


 はっ!どうやら集中しすぎて思考が本の中に入っていたらしい。サーラが部屋に入った事にすら気づかないとは。その代償とは言わないけど、幅七センチの教本を半分ほど読み終わることができた。授業の事前知識としては十分すぎるね。


「すまないね、戦闘中ならこんな風にならないんだけど」


「はぁ、長所なのか短所なのか。さっさと準備してください」


 叱りのような、呆れのような言葉を贈られつつ、制服に着替える。本当は制服も改造しようと思ったんだけど、材料がないからやらなかった。あるのは僕の魔力を詰め込んだ魔石ぐらいしかないし、やってもも能力強化ぐらいしか出来いないね。結構魔力は魔石にため込んだけど、ガレアを召喚したときみたいに使えばすぐなくなりそうだね。水晶が手に入ったら、魔宝石化してもっと貯められるようにしよう。更に魔石に込めるには僕の技術が足りないからね。そんな計画を建てているまに着換え終わる。

 ふとサーラを見れば、まだ紋章を着けていない様だ。


「まだ着けていないのかい?紋章は身分を保証するものだから着けてもらわないと困ったことになりかねないよ」


「いえ。館にいた時は他のメイドと変わらない仕事でしたから、あまり自覚がなかったのですが。いざ着けるとなると、その、きゅ、急に、将来そうゆう事をする役目なのをおもいだして//」


 おやおや自分の仕事を忘れるとは、悪い子だね。いやまぁ殆どベッドに寝た切り状態だった僕も悪いけども。罰としてこの場で僕が紋章を着けてあげようかな。


「じゃ、僕が今着けてあげよう」


 ついでに紋章に、この前使ったオブシディアンの残りを使って能力付与しようかな。


錬金術(アルケミー)合成術式(シンティレク)素材:オブシディアン 紋章『エルカミス』魔力 100 リソース:〈魔力900〉」


「い、一体錬金術で何を?」


「紋章を御守りにする作業かな」


 といってもやることは単純。オブシディアンを魔力で魔宝石にして、その魔宝石の効果を魔力で増幅して紋章に移すだけだ。一応魔術式を魔宝石に刻む、移すときに効果は減衰してしまうが効果に指向性が生まれるのでやらないよりかましである。刻むのは光属性守護結界。一個しか刻まないのでリソースを限界までつぎ込む。本来ならこのクラスの魔宝石にこの量の魔力を入れると崩壊を始めるのだが、合成までかかるのは三秒ほどなので問題ない。完成、そして解析。

 [魔紋章『エルカミス』]品質A- ダメージ軽減 +4,000

 本来はイスタール帝国エルカミス伯爵家の関係者、又はエルカミス家の者であることを証明するための物。魔宝石を用いた能力付与がされている。魔力によって紋章に使われた銀は魔銀(ミスリル)に変化している。その他に装着者が拒む対象の接近を阻む結界を展開する。

 完全に装飾品関係の効果量だな。シリスティアは武器だから効果が落ちているが鞘だけ再錬成して効果を上げたから納刀すれば二十倍になって3,200になるけど越されているね。取り合えずサーラに着けておこう。残りの300の魔力でもう一つ魔術を掛けながら。


――――――――装着中―――――――――


「よし、出来た」


 掛けた魔術は僕とサーラを結ぶ主従契約の魔術に効果を追加する物で、従者の位置をある程度主人に伝える事ができるようになる。詳しく言えば従者と主人の間にある魔術的な繋がりを強化する物だ。本当は他の事も出来るようになるがサーラに伝えるのはこれだけでいいだろう。


「も、もう終わりましたかイーミール様?」


「終わったよ、ついでにサーラの位置がぼくが望めば判る様になる魔術も掛けたけど。それとそこまで意識しているならアレクでいいのに」


「そっ、それは恥ずかしいので嫌です。その前に私はメイドですから!」


 そんな言葉を言って出て行ってしまった。別に位置確認できるから何処にいるか丸わかりだけど。というか何時になったらアレクって呼んでくれるのかな?専属メイドは殆ど側室と同じなんだけどな。

 ――――――――――――――――――――

 場所は変わって城下町。逃げたサーラを追って予定を話して護衛に付いて貰っている。やる事は冒険者組合に冒険者として登録すること、代々エルカミス家の関係者や子飼いの冒険者達が所属しているギルド『アシスライズ』に所属する事だ。一応本部のギルドハウスはイルバルトにあるらしいけど、帝城を拠点とする冒険者いる事や帝城に用事がある時にエルカミス家の人物が泊まれるように帝都にも支部が置かれている。父上に冒険者になってお小遣いを稼ぐ事を伝えたら所属を勧められた。曰く貴族の子弟が冒険者になる事はあるが、勧誘に来るギルドが多いそうだ。その理由は貴族の庇護が目的である。ギルドが貴族の庇護を求めるのは単に組合を通さない貴族からの依頼が舞い込む事が多くなる事と実力が認められたら騎士になれる事があるからだ。エルカミス家はいつだったかの末子が婚約者が嫌すぎて逃げて冒険者になり、その末子が作ったのがギルド『アシスライズ』である。何故認められたかと言えばギルドをエルカミス家の庇護に置き領地内の魔物の討伐と婚約破棄を交換条件にしたからである。管理しているのは、その末子の血筋なのでエルカミス家の血筋である。分家という立場になるのでギルドマスターとサブマスターには会った事がある。


「イーミール様、組合に着きましたよ」


 未だ慣れていないのか若干顔が赤いね、微笑ましいけど二日後には入学式があるので慣れて欲しい。組合に入りつつサーラに尋ねる。


「サーラは『アシスライズ』に所属してるんだっけ?」


「殆ど形だけですが、弓術が出来るならと旦那様に言われまして」


 父上は何処まで予測してやっているのだろうか?護身術とかもサーラに教えているし、多分僕の戦闘補佐と護衛のためだよなぁ。結構過保護だよね父上、兄上の専属メイドのアルルにも教えてたし。義母上が干渉している気がするのは気のせいだろうか?気づけばカウンターの前に来たようで受付嬢が話かけてきた。


「いらっしゃいませ、本日はのどのようなご用件でしょうか?」


「登録をお願いするよ」


「では、この紙に名前などをお書き下さい。ペンはこちらをお使い下さい」


「いや、大丈夫。持っているからね」


「そうでしたら、インクはこちらにございます」


「助かるよ」


 貴族がペンを持っていないのはかなりヤ危険だと思いますよ!というかいま制服着てるから学生だと分かると思うのだけど。とりあえず書こうかな。ほむ?名前とジョブを書けと?別に偽ってもいいのね?じゃあ名前は本名でジョブは召喚術師って書いておこうかな。


「これでいいかな?」


「はい、問題ございません。カードはこちらになります。ランクの説明は必要でしょうか?」


「要らないよ」


「では、良い冒険者ライフをお過ごし下さい」


 受け取ったカードは冒険者カード、これは冒険者のランクやジョブなどが書かれている。ちなみにランクは依頼の成功数と一定の強さの魔物の討伐依頼の達成であげられる。F〜SSまであり、最初はFランクだ。SSランクともなれば上級魔竜おも単独で屠るのだとか。ちなみに魔竜とは龍が瘴気に侵された末の姿であり、龍の血を引くイスタール帝国では出来る限り早期の討伐が推奨される。龍の堕ちた姿など、晒す物ではないからだ。この瘴気は卵の状態でも蝕むため、龍は少しでも瘴気を感じれば卵を持ち違う巣穴を探すという。また、瘴気に侵された動物を魔獣と呼ぶ。

 閑話休題

 とまぁ高ランクになれば凄まじいことができるわけだ。『アシスライズ』には一人Sランクがいるが基本的に強い人は変人が多いのか、例に漏れず変人でありエルカミス家の改z…研究者気質を極端にした人物だ。常識人な叔母上でも抑えられないというね、基本的に女性がしっかりしてる家なのにあの人女子だし、恐ろしく気が合うのがやはり従姉なのだと伝えてくるのが辛い。是非ギルドマスターには頑張ってもらいたいと言いたいが、ギルドマスターもエルカミス家の血を引く以上馬が合ってしまうので、やはり叔母上に頑張ってもらいたい。そんなことを考えていれば着いたようで、今あの人は何処にいるのだったかなぁ?帝都にいたような気がするし、古代の遺跡を見つけたとかでフミル公国に行った気が…?


「やぁ!アレク!君が来訪者になったって当主殿から聞いたよ!観察させてくれ!」


「シンリア。いつ帰って来たんですか?この前フミル公国で遺跡を見つけたとか言ってたはずでは?」


 彼女はディレア・シンリア・エルカミス。この国にいる数少ないSランクであり、変人で、僕の従姉である。


「それは遺跡ごと領地に転移させて隠して来たよ!あれは”生きて”いたからね!」


「それはそれは喜ばしい事ですね、ですがチョット外で話す事ではないのでせめてギルドハウスで話しましょうか」


 ”生きて”いましたか。フミル公国には生きている遺跡が多いですね、古代の国の首都があったからかなぁ。皇帝陛下のお耳に入れるべきことが増えましたかね?ここまで多いとなると流石に確信すると言うものです。


「そーだね!名残惜しいけど民衆に聞かせるべきことではないね!」


「ええ、事前に遮音結界を張っておいてよかったです」


「アレクは術が使えるようになったから、私が敵うのは豊富さだけになってしまったね」


 こんな事言ってるけど、規模が全然違うから、発動速度で勝てても意味ないよ!ちなみに僕が魔力欠乏症に罹った時に対策を考えたり、悩みこんだ人はこの人である。僕に才能を見込んだからこそって本人は言ってたけどね。


「それと、完治おめでとう。君の活躍を願っているよ、その栄光の杯がいくら血に塗れようとも私は君の師匠としてその在り方を肯定しよう」


「フフ、シンリアはそんなキャラじゃないでしょう?でも、ありがとうございます。貴方が何もなかった僕に魔術とゆう希望をくれたのだから」


「「アハハハハ」」


 やっぱりキャラじゃないと笑いながら、ギルドハウスに入ると恐らく待っていたであろうサブマスターのサルネスと会った。


「遮音結界を張っていたんでしょうけど、機密情報を通りで話さないでください!密偵でもいたらどうするんですか!」


「シンリアが居るとゆうことは、帝都内の密偵は狩り尽くされたと思って問題ありませんし。いたとしても死体か致命傷を受けた状態でしょうし」


「だねー、ザっと五十人ぐらいかな?帝都の守備は第一騎士団の仕事だったかな?ちゃんとやってほしいものだよ」


「そうですがねぇ、言わないといけない立場なんですよ!あーもー」


「あっそうだ、僕の所属の手続きもお願いしますね」


「それは連絡を受けていたので名前を書くだけで終わりますよ。受付の人に預けてありますから、書いておいてください。私は次の仕事をしに行きますのでこれで」


「私は遺跡の調査の続きをするから帰るね!また逢う日を楽しみにしているよ!」


 サルネスはギルドハウスの奥に、シンリアは転移魔術で領地に帰っていった。


「嵐のような人達だったな」


「混ざっていたイーミール様に言える事じゃないと思うのですが?」


「………時間が余りそうだから明日ダンジョンに入る手続きもしておこうか」


「話を逸らしましたね?とゆうか明日も起きるのですか」


「そうだね、一晩中膝枕ができるねサーラ」


「まだ言うんですかぁ//」


 頑張れば休憩ありで六日間は起きられるから、レベル上げでもします。と言っても入学式後は講義があるので明日と明後日しかできないので、どこまで上げられるかなぁ。


――――――――――――――――――――

 帝都内にダンジョンがある話はしたと思う、正確には帝城の最下層に存在するのだか。理由は物資補給と魔物暴走(スタンピード)の防止である。魔物暴走(スタンピード)は何らかの原因で魔物が極端に増えた場合、魔物が人類種の生存圏に押し寄せる事をいう。ダンジョンでは討伐されなかった魔物が多い時、同じような現象が発生する。

 閑話休題

 帝城最下層のダンジョンは『鋼獣の荒野』といい、名の通り金属を纏う魔物が多く居るダンジョンだ。つまり金属とお肉、革が取れるダンジョンだ。手続き自体はすぐ終わるのだが荷物を揃えていないのである。揃えると言っても、部屋の設置型のアイテムボックスに父上が入れていた荷物を取り出すだけなので簡単だ。手続きを終え、一度寮の食堂で昼ご飯を食べても時間が余ったので現在は素材市場に来ている。錬金術に使う素材を買う予定だ。金属素材と宝石が多めだね、『鋼獣の荒野』があるから当然だけど。あそこの露店がいいかな。


「いらっしゃい、あんちゃん。何が欲しいんだい?」


「水晶が欲しいですね、後は銀か鉄ですかね」


「じゃこれだね、属性は無い奴と有る奴があるがどっちがいい?」


 店主らしき人物が水晶が並んだトレーを出し僕に見せてくる。とりあえず解析を片っ端からかける。

 いいものが多いね。


「光属性と風属性と無い物の小さいのでお願いします」


「いくつ買うんだい?」


「それぞれ十個ずつで」


「じゃぁ1,500シルだ」


 当然な値段かなぁ。値切れるけどそんなことする必要ないし。


「銀貨が一枚に銅貨が五枚、問題ねぇな」


「鉄と銀はクズ同然の物で構いません」


「クズ同然てっこたぁ、あんちゃん錬金術師か。冒剣者がみーんな持ち込むもんだからアイテムボックス圧迫するし、売れもしないから困ってたんだ。鉄銀両方かなりの量あるが合わせて500シルで売ろう」


 風貌から旅商人だろうか?しかし盗難と量重視の商人向けのアイテムボックスを圧迫するとはどんな量なのやら。


「こいつだぁ、ホントにクズだから鍛冶屋も買いやしねぇ」


「おぉ、多い多い。何個インゴットができるかな?」


 あー『鋼獣の荒野』のメタルクラブのドロップの屑鉄鉱石とシルバーファングのドロップの屑銀鉱石かぁ。両方モブで湧く魔物だから仕方ないね、そこまで行ける人ならそこそこの敵でしかないしなぁ。ん~、でいつまでアイテムボックスから出すんだろうか?

――――――――五分後―――――――――

「これで全部だぁ、よーやくここから動ける様になる」


「この量では、次の商品も買えなさそうですね。【空間接続】。はい代金の銅貨五枚」


「そーゆーこった。おりぁ次はこっから東のヒルジアに行くからまた会ったときにぁ贔屓になぁ、あんちゃん」


露店の屋根程の高さとなった鉱石を空間魔術の【空間接続】で繋ぎ、アイテムボックスの中に落とした僕から代金を受け取った店主は店じまいを始めた。


「僕は学院に通っていますから、帝都から当分動けないのですがね。またこの市場で見かける事が有れば買いに来ますよ」


「じゃ次の来店を待ってらぁ」


――――――――――――――――――――

その後、魔力回復促進ポーションの材料や安値な魔石を買い寮に戻った。まずは水晶の魔宝石化である。

錬金術(アルケミー):素材〈水晶 小 魔石 小〉」

魔宝石化はあくまで技術なので、ステータスさえ足りていればどの職業でも可能である。

ただ生産スキルが有れば、作成時に補正がかかるので生産スキル無しで作っている人はそうそういないが。

―――――――――生産中――――――――

三十個全て魔水晶に変えたのでこれを錬成する。一時間次の作業ができなくなるが魔力は全て使用する。

錬金術(アルケミー)錬成術式(フォーマリゼイション):素材〈光魔水晶 中 風魔水晶 中 魔水晶 中 風光魔石 中 魔銀(ミスリル)の輪 3個〉リソース〈魔力 1,300〉」

術式起動に使う魔力は手に持っている小サイズの魔石で代用する。宝石などは十個集めて錬成すると一つ上のサイズになるので魔水晶は中サイズで揃えてある。魔石は保有魔力で大きさが異なるのでサイズを狙って変えるの難しい。


今回は最初から普通の魔石で特大サイズを使う予定なのでいいのだが。属性魔石となると小サイズで魔石の大サイズになる。先程の屑銀鉱石を錬成し魔銀(ミスリル)に変化させ輪の形にした物を一つ作り、その輪に一回り大きい輪を一つ、二つ目の輪に一回り大きい輪を一つ作った。三つの輪の内小さな二つの内側に今使用している使役術式の内、使役体構成改変術式と死霊擬似精霊化憑依召喚術式の外側を一つの輪に一つになるように刻み、魔水晶達に二つの術式の内側を五芒星以外刻む。


風光魔石には効果増福の術式の五芒星抜きと魔術式に共通する円の中心の図形である五芒星を立体化して小星型十二面体を刻むことで全ての魔術文字を魔術式として成立させる。


一番大きな輪と小さな二つの輪の外側に限定重力操作術式、限定斥力引力操作術式、質量軽減術式を五芒星を除き上から大きな輪から小さい輪に刻む。魔石を中心として、三つの魔水晶で覆うようにして一つの状態にして、その外側にミスリルの輪を小さい輪から順に置き、魔力を注ぎ完成。解析


翡輝の宝珠(ティルフザール)

 品質 S+ 魔力貯蔵〈0/1,000,000〉 触媒適正 使役術S+ 風魔術系A+ 光魔術系A+ 魔術系A− 属性 風 光 空中移動 装備者固定 『イーミール・アレク・エルカミス』

 魔石を核にした宝珠で、魔力を貯めやすい水晶を使った事で大量の魔力を貯められるようになった。他にも重力と斥力、引力を操る事で空中を移動出来る。又、魔術の触媒として申し分のない性能であり最も召喚術など使役術に適している。属性は風と光である。

 使用可能スキル 魔術系スキル


名持ち(ネームド)になったかぁ。基準が分からないね、効果は殆ど狙って付けたの問題なし。装備者固定は殆ど僕の魔力で作ったからかな?確か装備者が死んだ場合は次に触れた条件を満たした生物になるんだったかな。

魔力が回復したら屑鉱石達を錬金する作業に戻ろう。ついでに魔力回復促進ポーションも作らなくては。

――――――――――――――――――――

屑鉱石の錬金が終わり、夕食を食べ、寮の大浴場に入って来て丁度寝巻に着替えたところでパジャマ姿サーラが部屋に入ってきた。


「なんのようかな?サーラ」


「あの、昼間言っていたではありませんか。一晩中膝枕ができると、だからされに来たんです。寮母殿にも外泊許可取りましたし。」


自分で言っている事が恥ずかしいようで枕を片手で抱えて、もう一つの手で許可書を僕に突きつけながら顔を逸らしている。ただ眠たいようで、顔は逸らしきれておらず。うつらうつらとしている。なので意識がはっきりしない内に、許可書を受け取りお姫様抱っこでサーラを抱えてソファーに座る。枕を頭の下に乗せれば、既に夢の世界に漕ぎかけていたのか数秒で眠りについた。


「冗談だったのにねぇ〜かわいい事だ。僕に対してちょっと無防備過ぎるけどね」


さて、科学の教本を読もうかな。


結局僕は一睡もせずに日の出を見ることにした。

――――――――――――――――――――今日の成果

ステータス

 名前:イーミール・レオン・エルカミス

 種族:人間

 MJ(メインジョブ) 魔術士見習い レベル3

 SJ(サブジョブ) 学者 レベル2

 生命力:260/260(+20)

 魔力:1,420/1,420(+120)

 STR:16(+2)

 VIT:10

 INT:66(+6)

 DEX:62(+6)

 AGI:14

 MID:20

 スキル

 召喚術 レベル20 従魔契約術 レベ20

 錬金術 レベル35 死霊魔術 レベル20

 光魔術 レベル20 風魔術 レベル20

 学習 レベル30  解析 レベル11

 剣術 レベル45 初級工学 レベル25

 初級科学 レベル35 初級魔力学 レベル35

 イスタール帝国史 レベル5 

 礼儀作法(イスタール式) レベル40

 話術 レベル25 速読 レベル35

 ダンス レベル15

 所持金9万2,000シル(−8,000)


持ち物

 プラス

  制服 上鉄鉱石 100個 上銀鉱石 90個 魔力回復促進ポーション +10個(総数30個) 魔石 小 50個 イーミール魔力製魔石 中 10個 そこそこの後衛用装備

シリスティアのダメージ軽減値アップ

 マイナス

  イーミール魔力製魔石 小サイズ 20個


完全に土日を考慮していなかったので、五話終了前にイーミール君は二日間程起きている計算になりましたが。時司君の夕飯(自炊)休憩中に寝室から逃げたことにします。時司君のCONは16です。(CoC6版)なので二日ぐらい休まず働いても問題ありません。むしろ時司君のINT的に学校行く方が休みになるかな。てかこれこの日、時司君四月十五日の夜のログインからぶっ続けでは?

サーラが紋章を着けなたがら無かった理由が分からなかった人は二話の後書きを読んでいただけると分かると思います。

書き忘れましたが、魔術式は円があったその中に魔術文字による構成文章、そして円を頂点とした五芒星があります。無詠唱や魔術名無しでも魔術式は空中に現れます。なので魔術文字を辞書無しで読める奴には無詠唱は意味がないですが、そんな事ができるのは実力にして冒険者ランクA以上魔術師ぐらい。詠唱は魔術式内の構成文章をそれっぽく言うだけです。例えば剣達召喚なら

「いま呼びかけよう 冥界の剣士達よ 剣の体なれど 我が元に集い力となれ

短期錬成憑依召喚 指定インテリジェンスロングソード」

的な感じ。一回収奪属性付与しましたがどっかに「収奪の力」が入って文章が整えれば完成なのです。単に術者のイメージ補足の為ですのでね。魔術スキルの取得条件に実力での一回行使とPC知識がありますが、これも詠唱を言えばどの魔術がどうなるぐらい知っときゃ取得できる。

魔石は単に魔力が物質化した物なので別に人間でも生成可能です。

三話の誤字を修正しました。武器などの使用スキルを使用可能スキルに変更した上で、抜けていた部分に加えました。

累計PV261ありがとうございます。

連日投稿ってあんなに伸びる物なのですね。ビックリしました。ですが作者は設定を練りたがる性質なので出来て三日に一回ですかね。前回の週二回投稿時点で結構難しかったので、作者に余裕がないと多分しないかなぁ?

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