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十四話

 現在時刻は十時、明日の授業後まで暇なため魔術教材を読み込みながら、魔力を貯めて過ごすとしよう。そうそう、並列思考と思考加速を取得したから術式構築も並行してやろうか。今回は既存術式の改z…改良じゃなくて、一から作ることにしようか。


〈トルトニスミサイル〉と〈ローグスガトリングバレル〉は実は改変術式だ。〈トルトニスミサイル〉は〈トルトニスボム〉の追尾性能向上、効果範囲縮小による威力向上、麻痺状態異常付与性能向上を組み込んだもの〈ローグスガトリングバレル〉は〈ローグスバレット〉の発生地点を固定し、銃身を発生させることで銃への縁をつけ消費魔力を下げ、更に銃身を増やす事で〈ローグスバレット〉の発生数を増加させたものだ。


 今回は基本術式からくみ上げる。目的は龍器を用いて発動する事を前提とした術式だ。因みに龍器の性能はこんな感じ。

 [創軍璽杯の龍角杖:クラウン・オブ・リベル]

 魔術 魔法 魔導(マジック)攻撃力 +10,000 召喚体増力 S 召喚数増加 S  死霊増力 S  精霊増力 S 召喚術魔力消費軽減 +5,000 召喚術魔力消費率 −20% 死霊召喚時特異成功率+20% 術式増幅率 +20% 魔力回復率 +20% 体力回復率+20% 指揮伝達 龍威解放 領域支配 配下増力 触媒適性 雷属性 S 影属性 S 空間属性 S 風属性 S 光属性 S 闇属性 S 魔術 S 魔法 S 魔導 S

 龍人族(ドラゴンニュート)『イーミール・アレク・エルカミス』の龍器。龍器とは己の魔力()の結晶であると同時に、龍体を持たぬ龍人族(ドラゴンニュート)誇り()である。故に龍器には龍人族(ドラゴンニュート)の人生を表す、故に成長し、変化する。故に源流()に沿って成長し、昇華する。それこそが龍成りの(すべ)であるが故に。故に流れ()より外れる()が新たなる源流()と成るのは道理である。

 呪文

 【■■なる■■の■皇龍冠(■すめりゅうかん)

 【■■の■■の■皇龍冠(■■すめりゅうかん)

 【機竜軍召喚】

 角は龍種の誇りであり、最も強い魔力臓器。なればこそ龍器は角を用いた装備であると言う。僕の龍器は申し分のない性能の為、術式を使用する事にした。


 だか、その前に龍器の効果が大きいのか、魔力が溜まったので二つ目の生体術式を作る。構築は終わっている。側面を悪魔側にして、属性を闇に変えただけではあるが。


錬金術(アルケミー)合成獣作成(キメラクリエイト):素材〈子精霊 OMTTD〉リソース〈魔力() 15,000 魔力(ティルフザール) 740,00 暗黒魔石 中〉」


 出てくるのは黒い皮膜の翼を持つ悪魔、サイズからして小悪魔と言うのが正しいだろうけど。おそらく性別は男の子。マリルと同じ背丈で、服装は黒地に逆向きの乙女座と散った椿の金の刺繍が入ったスーツ。そして恐らくは元アエリアエ・ポテスタテスだろう。


「初めまして、マスター。お察しの通り、僕は元アエリアエ・ポテスタテス」


「よろしくね。しかし元が悪魔では気が抜けなさそうだね」


 こうした今も、僅かに展開している龍器の領域支配によって弾かれているが言霊を使って操ろうしているのが分かる。だがしかし、今の彼は術式、そして僕は術者だ。どちらが上か分からせてあげよう。


「ぐぁぁ、ぐぅ。な、何を」


「僕は君の言霊をはじき返しただけだよ?結果的に君は僕の完全支配下になったけど」


 首の辺りを腕で抑えて苦しんでいる元アエリアエ・ポテスタテス君に状況を説明してあげる。弾き返した術式、特に言霊、呪いは強くなって帰って来る常識なのだけどね。


「ま、まあいいでしょう。元より言霊はマスターへの試練ですから」


「物は言いようだよね。あと君の名前はポテスだよ」


「な、何をいきなり!」


「あと、その首のチョーカー、似合ってるよ」


 言霊が変じた、支配術式の具現化である白いチョーカーがポテス君の首に装着されていたので、素直に感想を述べておく。


「く、いつか絶対に外して見せますからね!」


 因みにポテス君の役割は戦闘補助である

 ――――――――――――――――――――

 名前:ポテス

 種族:(マギ)(カテ)(クニ)(ック)( タ)(イプ)(:デ)(-モ)(ン ) レベル1 累計レベル1

 生命力:250/250

 魔力:600/600

 STR:5

 VIT:10

 INT:20

 DEX:15

 AGI:10

 MID:20

 スキル

 並列演算 レベル1 高速演算 レベル1

 思考加速 レベル1 並列思考 レベル1

 封印術 レベル1 暗黒魔術 レベル1

 暗黒魔法 レベル1 暗黒魔導 レベル1

 剣術 レベル1 魔剣術 レベル1

 大盾術 レベル1 飛行 レベル1

 棍術 レベル1 魔棍術 レベル1

 上級悪魔学 レベルMAX 上級闇属性魔導学 レベルMAX

 探査 レベル1 気配感知 レベル1

 接続

 使役術式 権能『ハマリエル』 イーミールのスキル

 ――――――――――――――――――――

 ポテス君がティルフザールに戻ったところで、【マリル】と【ポテス】を起動し、演算術式を使う。十ほどに分裂し、加速した思考を一つは読書、一つは魔力をティルフザールに貯めるのに、残りは術式構築に使う。術式のカテゴリーは領域支配術式、龍器の効果にある物だが、アレは文字通りの効果しかない。


今回の術式は、支配した上でルールを敷く、又はこちらに有利にする、相手を不利にする、といった一種の結界だ。


(基本術式、結界術式を起用。改造し、空間支配術式、支配浸食術式、限定空間遮断術式、魔力支配術式、魔力遮断術式、魔術妨害術式、魔法妨害術式、魔導妨害術式、亜空間操作術式、空間操作術式、使役体支援術式、使役体回復術を追加、術式膨大につき、立体融合術式化……………)


(条件一『創軍璽杯の龍角杖:クラウン・オブ・リベル』を起点に発動 条件二発動に術者『イーミール・アレク・エルカミス』の血を必要とする 条件三発動時術者『イーミール・アレク・エルカミス』は使役体の半径一メートル圏しか移動できない 条件四発動指定空間に使役体『CCSB』が千体以上存在する 条件五発動指定空間に使役体『TUSB』が千体以上存在)


(使役体『CCSBC』構築、群体生物化 支配補助術式刻印 損傷集約術式 自己進化術式根本設定改変 限定自己術式改変可能化 生体魔導術式…)


(使役体『TUSBC』構築、群体生物化 術式行使補助術式刻印 損傷集約術式 自己進化術式 根本設定改変 限定自己術式改変可能化 生体魔導術式…)


 こんなものだろうか?三つぐらい思考が余ると思っていたが、結局一つしか余らなかった。手元を見れば、読書の進みが遅い。なので、そちらの加勢に行こう。

 ――――――――――――――――――――

 現在時刻は五時、時間にして七時間ほど術式構築に使った事になる。そして、その条件に追加した使役体を本召喚する。このタイプは短期召喚で召喚すること自体が不利になる為だ。


本召喚(サモン):指定〈C(コントロール)C(コンストラクション)S(サポート)B(ボディ)C(コア)本召喚(サモン):指定〈T(テクニック)U(ユーズ)S(サポート)B(ボディ)C(コア)〉」

 

 CCSBCとTUSBCは群生体魔導術式であり、限定的だが自己改変が可能だ。なので今は攻撃魔法などは覚えていないが、知識はある筈なので、いつか覚えるだろう。まだ分体としてマイクロレベルの小ささのCCSBとTUSBを生産、放出可能だ。見た目は光の球であるが、今分体を放出している。放って置けば、どんどん分体を増やして勝手にガレアのダンジョン攻略について行って成長するだろう。


 最悪、ダンジョンがコア二つの支配下になるが気にしてはいけない。まぁ増やした半数は僕の周囲に居させるよう、命令しているから勝手に攻略するのは遅くなるだろう。多分。

 毎秒三十体で増えているので、十五体はこっちに来る事になる、高性能なのは良い事だ。

 ――――――――――――――――――――

 全ての授業が終わり、今向かっているのはアルテミス殿下の部屋。あちらの世界(現実世界)での約束を果たす為だ。僕に追尾しているコア二体は僕の解析スキルに接続させたので、順調に知識を蓄え始めた。分体が一時間で術式の発動最低限数を優に超えたのは言うまでもない。


 皇族のために特別に用意された寮室に着いたので、護衛の女性近衛騎士に軽く会釈をしてドアをノックする。


「ん?お前か、入って良いぞ」


 との声が、数秒後かけられたので中に入る。中ではアルテミス殿下が一つの書類と睨めっこをしていた。


「何の書類ですか?アルテミス殿下」


「例の精霊の巫女の報告書だ。今日、ルース兄上の婚約者と言い争いになったそうでな」


「確か、リース・リフティと言う名前だった気がしますね。出身は帝都北部の農村で、特にこれといった噂は第二皇子殿下との話題以外にありません」


 この情報は割とすぐ手に入った物だ。出身の村でも、精霊が起こした事象は無かったらしい。


「それは分かっている、災いの種にならないと良いが。さぁ、マジックの授業を始めてくれ」


 報告書を机に置き、僕に授業の開始を促したアルテミス殿下はメイドに黒板を持ってくるように指示を出そうとしたので止める。


「黒板は大丈夫です。ある程度マジックを体感できるように、〈魔力筆〉で空中に書きますから」


「そうか、お前は実力を取り戻しつつあるのだな」


「九年前とはいえ、神童と呼ばれていましたから。この程度は問題ありません」


 そう、シンリアに魔術修行をつけられた当時の僕は、四歳と言う若さでマジックを行使し、社交界で大いに話の種となった。と言っても昔の話、今では多少腕がいいとしか思われていないだろう。


「思い出話をするなら、夜になってからにしましょう。ここからは真面目な授業の時間です」


 心の中で【龍器召喚】を唱え、長杖を手に呼び出し、〈魔力筆〉を使い、指で説明を空中に書いていく。


「夜だな?分かった」


「まだ候補者から選ぶ最中のアルテミス殿下が夜に男と一緒にいるのは、問題になりますよ」


「ならば、お前が私の婚約者となれば良い。以前、私の前で堂々と目指すと宣言したではないか」


「それとこれは話が違うのですよ、貞操の問題です」


 流石に婚約者なろうとしても、皇帝陛下に無い既成事実を認めさせるのは厳しいでしょ。


 説明は書き終えたので、長杖で説明部分を刺しながら授業を始める。


「さて、アルテミス殿下。分かっている話かと思いますが、まずは基本の確認から行きましょう」


 空中には、火、水、土、風、光、闇をデフォルメした絵が描かれているので、火から順に説明する。因みに僕は絵が上手い、というかマジックを使う人の殆どは模写が上手いのだか。


「基本属性、又は適正属性と言わせる六属性は、火、水、土、風、光、闇の六つです。そして適正属性は魔力の色に大きな影響を与え、更に魔力によって変化しやすい性質を持つ髪や、魔力を溜め込む目は魔力の色が現れます。火は赤系、水は青系、土は黄色系、風は緑系、光は白、又は薄い黄色系、闇は黒となります」


 人類種の適正属性を増やす事ができるのは神々のみである。使役体などならば、話は違うが。勿論、後天的に髪色と虹彩の色は変わる。


「相性は火は土に強く、土は風に強く、風は水に強く、水は火に強く、闇は陽に強く、光は陰に強くなります」


 陽陰とは、例えば正義の心と欲望の心が程々に持っている状態から、正義によっているなら陽に、欲望によっているなら陰という感じである。この他にも、区別の方法は沢山あるが。


「次に魔力操作技術、最も基本的な技術です。この技能は魔力の消費効率、魔力質、濃度の操作限界に深く関わっています。そのため魔導士、魔術師、魔法使いの実力を測る最も分かりやすい基準となります」


 僕の魔力操作技術は僕の魔力を基準として、質は二十五倍、濃度は十五倍まで可能だ。まぁ、並大抵の努力では到達不可能な領域だと言っていい。


「最後に術式行使技術。術式行使技術は術式の操作、集団術式の術式構築術などあらゆる術式に関する技術です。ここまでの内容で質問はありますか?」


 これは術式外での術式融合、術式効果行使などがある。例えばシリスティアの製作時の魔力抽出などである。


 はっきり言って高度な応用が可能な術式を作って使った方が楽だ、なぜなら術式行使技術には精神力、集中を要するからだ。


「ない、正に基本中の基本だからな。今まで対抗しか考えなかった私でもわかる」


「近接職でもマジックの仕組みを知っていると、対抗法が幾つも実行可能になりますからね。さて、ここからは本格的なマジック講座です。術式の構築例から細部の解説まで、難しい部分は多いですが慣れれば簡単な部類です。頑張りましょう」


 行使例となると多岐にわたるからね。まぁ、術式構築の初歩から行こうか。


「まずは術式文字の分類から、魔術に使われるのは魔術術式で基本は二十六文字を組み合わせ単語を作り、文章を作って術式を構築します。魔法文字は一字で一単語を意味します。そのため術式の大きさは魔術よりも小さいです。魔導術式は魔術文字と魔法文字を併用し、文章を作り、術式を構築します。疑問点はございますか?」


「術式にある星の図形は何なんだ?幼い頃からの疑問なんだ」


 あぁ、結構応用的な内容だが教えてもいいだろう。勉強に必要なのは好奇心と知識欲だからね。


「マジックでは古いものが基本的に大きな力を持ちます。そして、それを模したもので力を借り受けることができます。そして、この世界で最も古い物、生物は星と創世の神獣、世界樹です。あとは神々の聖印もありますね」


「それで星を模しているのか、始祖龍様を模して書いても効果を発揮するのか?」


 始祖龍様、僕からすると始祖龍は始源龍皇エズトアール様なんだけど、恐らくは火源飛龍皇エンリートの事だろう。初代国王に王位を授けたのはエンリートだからね。


「火源飛龍皇エンリートは飛龍源龍皇バハムートの第三子ですから、十分に発動条件を満たせるかと」


「お前…ご老人たちに聞かれるなよ。今はいいが、聞かれたら始祖龍とは何たるかを小一時間かけて語られるぞ」


「マジック関係な以上、その上位の龍を知っているのですがね。まぁ、気を付けるとしましょう。さて、次は術式の構築と行きましょう」


 創世の神獣が終であるエズトアール様を無視しないで欲しいものだ。まぁ、慣例だからしかたない。


「先ずは簡単な、アルテミス殿下に合わせて火属性の魔法にしましょうか。戦闘では普通なら発動に時間がかかる魔術よりいいでしょうし」


「シンリア殿に修行をつけられたお前の助言なら、ありがたくうけとろう」


 シンリアの信頼度が高いね、流石はSランク冒険者。彼女は皇帝陛下に顔パスで話に行けるはずだからね。今回の目標はエンリートの紋章を使った魔法術式を作る事にしようか。


「先ずは最も簡単な火属性魔法術式、〈リトルファイア〉を詳しく見てみましょう。はい、魔法文字辞典です。分かっていない文字がニ百ほどありますが」


「なになに……………


 ん?結構時間かかりそうだな?

 ――――――――――――――――――――

「大いなる原初の火よ、光より分かたれし火の神の御業、我が手元に宿れ。か、合っているか?」


「えぇ正解です、中々大層な台詞でしょう?理由はこの中に聖句、神々を称える言葉を入れる事により、神々の徒である事を表していて、神々の援護を受けることができます」


 三十分に一つ…初心者にしてはいい方かな。遅いと思ってしまうのは僕が辞書なしで読めるのと、思考加速と並列思考を使いながら授業をしてるからか。


「私の場合は始祖龍様の徒の方が外聞がいいのだがな」


「星が神々の創造物が故に神々を称える言葉になっているのです。星を始祖龍様の紋章に変えれば、始祖龍様の聖句になりますので、アルテミス殿下が貴族の目の前で使っても問題ないでしょう」


 外聞ってめんどくさいね。僕は星を使い続けるだろうから、別にいいけど。……いや、僕シスム様の聖者じゃん。任命されたら闇属性魔術に関してはシスム様の聖印使わなくては。


「では、紋章を変えて使ってみるか」


 ――――――――――――――――――――


「私が対魔法結界を使いますから、移動はしなくても大丈夫ですよ」


「そうか、ではここで使ってみるとしよう」


 メイド達が家具を避けている間にCCSBとTUSB達を集める。何か嫌な予感と言うか、エンリートが何処まで人の子孫に力を貸すか分からないので、寝たきりの時に遊びで作った対龍ブレス結界、〈封龍息吹の冷壁〉を貼る。


「大いなる原初の火よ 


 凛々しい声が詠唱を紡いだ瞬間、大きな存在の視線が部屋を刺した。かの源龍皇からすれば目を向けた程度なのだろうけど。確実に意識を向けた事は確か、結界を全力で更新する。ついでに【マリル】と【ポテス】起動。


 光より分かたれし火の龍皇の御業 


 権能を起動した事により、自分からすれば強すぎる力ではあるが、僅かながら知覚できた。本来なら僕の力では知覚も、理解も出来ないレベルの力が、ほんの少しだけこの空間に降りてきている事が。


 末裔たる我が手元に宿れ〈リトルファイア〉」


 この言葉が紡がれた瞬間、発生したのは術式の効果を超えた火球。直径一メートル程ではあるが、その効果は想像を絶する物だろう。

 ――――――――――――――――――――

 火球が結界に当たり、効果を発揮したのは一瞬だった。爆炎こそ、封じ込める事に成功したが、貼っていた結界四つが全て壊された。


 現在は爆煙が部屋の中を漂っている。微風を発生させる術式と魔力で物質を操作する術式を使い、窓を開け空気を入れ替える。無事なアルテミス殿下が目に入ったので声をかける。


「部屋でやろうと言った僕が愚かでした。訓練場でやりましょう」


「な、何が一体どうなったのだ?」


 僕にも大して分かってないのに、初心者が分かったら驚きだよ。

 ――――――――――――――――――――

 練習する事二時間、僕は幾つか結論に辿り着いた。アルテミス殿下の魔力の質、濃さが僕の思っいた以上に、圧倒的に僕を上回る事。そして、エンリートの魔力と恐ろしい程親和性が高い事だ。


 手を繋ぎ〈リトルファイア〉を放つと言う練習をしていたのだか、凡そ二十回ぐらいアルテミス殿下の魔力に触れて術式行使の補助をしなければ判らなかった。


「アルテミス殿下、次の段階に進みましょ……どうしました?」


 顔が若干赤い?……ッ!!?魔力の方に傾注してた所為でティーネと手を繋ぐと言う状況に気づかなかった!?驚かせないように、少しずつ手を離す。場をどうにかする為に咳払いをして再び話しかける。


「アルテミス殿下、次の術式構築の段階に進みましょうか」


「そ、そうだな。私も自分の魔法が欲しかったんだ」


 同意が聞けたので、再び寮室に戻る

 ――――――――――――――――――――

 部屋に戻ったので、まずはどんな術式を作りたいのか聞いてみる。


「アルテミス殿下はどの様な魔法が欲しいですか?」


「剣に使える魔法が欲しいな。マジックを切り払えるようにしたい」


「マジックを切る、ですか。ならばエンチャントの術式を基本にしましょう」


 実は唯のエンチャントではマジックを切ることは出来ない。打ち消し合わせて消す事はできるが。


「私の龍器にエンチャントしようと思うのだが、実物を見て内容の方針を考えてくれないか?銘を布都御魂、能力は退魔が中心だ」


 アルテミス殿下の右手に光が集まり、一振りの大太刀が生まれる。鞘は黒く輝き、刀身は白い光を純白の燐光を溢れさせている。


「この様ならば、退魔の力を伸ばして魔滅の浄刃とするのがいいでしょう。


 エンリートの紋章を使えば、尚よくなると思う。それこそアンデットが飛んで逃げ出しそうなぐらい。


「エンチャントは難しいと聞くが、実際はどうなのだ?」


「何処から聞いたのですか、その情報?エンチャント自体は簡単です。問題なのはその後、魔力をエンチャントした対象に止まらせる事が難しく、並大抵の術師の術式行使技能では十分が限界でしょうか」


「私では五分ほどか、切り札となるな」


「術式で効果時間を指定すれば、その限りではありませんので問題ありませんよ。アルテミス殿下」


「そうなのか、では…………

 ――――――――――――――――――――

 SIED:アルテミス・ティーネ・イスタール


 私の真横、魔法を使う為に突き出した右手に自分の手を繋いでいるアレクを見る。真剣で、真っ直ぐと目の前の的を見ている彼の横顔を見るたびに、私の心は彼の専属メイドに若干の嫉妬を覚える。


 彼女はアレクといつか、必ず一緒になれる。その命、又は彼の命が潰えるまでアレクと歩むことができる。そのことが羨ましい。


 彼は身内に優しい。だけど、その他のことには興味を持たない限り、その優しさは振るわれない。自分も含めて。


 アレクの生まれた家もあるのだろう、彼は目的の為なら手段を選ばない。そして、選択肢の中に身内を切って目的達成をする選択肢があり、それが一番効果的な場合、彼は身内の役割を自分の役割と交代するだろう。


 余りにも危うい。彼のそんな傾向が掴めた時、私は『私が彼の側に居よう』と思った。事実、剣術の授業の時、特に実戦練習ではその戦闘方法は素人である事もあるが、捨て身のような戦い方が多かった。私の剣は分類するなら剛剣に当たる。斬撃が当たれば練習用の剣とはいえ、十二分に痛い。怪我の無いように動こうとするならば、ヒットアンドアウェイが適切なのだ。それなのに彼は最初から切り掛かって来た。時間こそたったが、病み上がりだと言うのに。


 だか、彼は私の考えを、願いを拒むだろう。何故なら、アレクと私が八歳の時、親睦を深めると言う目的で開かれたお茶会で起きたあの事件の時に、彼は――――――

















 ――――私を庇い、今、この瞬間も呪いに蝕まれているのだから。



 ――――――――――――――――――――

 本日の成果

 イーミール君

 ステータス

 名前:イーミール・レオン・エルカミス

 種族:龍人族(ドラゴンニュート)

 MJ(メインジョブ)聖者:シスム レベル25

 SJ(サブジョブ) 学者 レベル30 MAX→銃師見習い レベル1

 生命力:18,480/18,480(+4,640)

 魔力:218,489/218,489(+97,980)

 STR:155(+40)

 VIT:116

 INT:457(+120)

 DEX:190

 AGI:145

 MID:477(+120)

 スキル

 召喚術 レベル35 従魔契約術 レベル30

 錬金術 レベル48 死霊魔術 レベル30

 光魔術 レベル35 風魔術 レベル35

 闇魔術 レベル35 並列発動 レベル15

 雷魔術 レベル20 影魔術 レベル20

 空間魔術 レベル25 光魔法 レベル20

 闇魔法 レベル20 風魔法 レベル20

 光魔導 レベル15 闇魔導 レベル15

 風魔導 レベル15 

 学習 レベル60 解析 レベル27

 中級剣術 レベル15 工学 レベル35

 科学 レベル35 魔力学 レベル35

 精霊学 レベル25 

 体力回復速度強化 レベル15

 魔力回復速度強化 レベル20

 イスタール帝国史 レベル40

 礼儀作法(イスタール式) レベル50

 話術 レベル40 速読 レベル50

 ダンス レベル30

 権能『ハマリエル』

 称号

 【聖者:シスム】【寵愛:シスム】

 術式

 【転移:シスムの神域『星辰の空間庭園』】【龍体変化】【龍器召喚】【マリル】【ポテス】

 所持金 二十万シル

 プラス

 ポテス君召喚 空間支配術式完成 売った素材のお金 十ニ万と五千シル

 マイナス

 銃代 一万シル

ふふ、頑張れ。第二皇女殿下、進藤心鑑、君たちの手の中に既に鍵は揃っている。





黄道十二宮の悪魔について。

作者は某魔道書のゲームやってたので、ソロモン72柱とデカン36柱序列を上から十二宮に割り振る事にします。そもそも、黄道十二宮天使、悪魔は本作の根本設定を十二宮星座で作ろうとしてた時の名残りなので、割と適当に作ろうとしてます。根本設定に関わるのも、七元徳天使と七大罪悪魔しかいないのでね。

護衛近衛騎士について。

くっ殺ろ騎士では無いです。入学式の時にもいましたが、書き忘れました。因みに今学院は二名の皇族が居るので、学院には二十名ぐらいの近衛騎士と三十名ぐらいの暗部所属員によって守られてます。皇帝陛下?護衛なんぞ要らん程強いが?彼はね、龍器が強すぎるんだ。イーミール君ぶつけると普通の強い剣士になるけど。戦う機会どうしようかな〜。

魔術文字について。

ハッキリ言って英語です、上下左右反対の筆記体で、その上崩されていますが。魔法文字との違いは人類種が制御できるか、です。

火源飛龍皇エンリートについて

飛龍源龍皇バハムートからイスタール帝国がある地域の平定を任せられていたが、瘴気に侵された深淵領域の攻略に呼び出された為、自分の信奉者の中から最も賢い人間に自分の血を分け、龍人族にして統治権、王位を与えた。その最も賢い人間がイスタール王国初代国王です。

銃について

確かに開発はされた、が上位金属を破壊するには、多めの魔力か上位金属の銃弾が必要なのでコスパが悪い。なので軍用にはされなかった。だがイーミールはホーリーマミさんよろしく銃と弾を魔力から無限生成できるので、彼にとっては有用武器になる。ここら辺は気づいたらホーリーマミさん化してた。血の骨のローなゲリウスさんとも化すかもしれないけど。

イーミール君の呪いについて

諸々の伏線は貼っていましたが、どうでしょうか?イーミール君が過去の話を話したがらない理由はここにあって、双龍宝勲章を持っている理由は第二皇女殿下を庇ったからです。そして、呪いを持っている事からイーミール君は第二皇女殿下の幼馴染という立場でありながらも婚約者第三候補で止まっていました。そしてイーミール君が第二皇女殿下に若干距離を取ろうとしているのは、抑えている呪いを第二皇女殿下に移動させない為。初めにも書きましたが、進藤心鑑と第二皇女殿下の中に呪いを祓う鍵は揃っています。

イーミール君の種族変化について

前回も書きましたが、もっと詳しく。神童と言われたイーミール君は幼少の頃から今の第二皇女殿下を上回る魔力の質、濃さを持っていましたし、操り、高められる限界も今の第二皇女殿下の七十倍まで可能でした。ですか、現在も体内の呪いに対抗する為にイーミール君の生命力と大量の魔力は使用されており、本来なら魔力欠乏症を起こさずに行えた魔力貯蔵がイーミール君に残ったほんの少しの魔力を吸い取った為に魔力欠乏症を引き起こしていました。そして十歳で覚醒できたの筈ですが、十三歳までに遅れに遅れました。本当なら、生まれた頃から他者を圧倒できる資質を持っていました。その才能を知っていた第二皇女殿下だからこそ、悔いは大きいのです。皇帝陛下も、呪いが解けたとしたら両手を上げて婚約者に選びます。てか、そうゆう予定でした。

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