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家の猫がポーションとってきた。  作者: 熊ごろう


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「72話」

 小部屋から小部屋までの距離は大したことはない、せいぜい100mとかそこらである。

 部屋前についた俺は、念のためポーションを飲み、鉈を抜いて確かめる……確かめると言っても、見たって何がわかるって話だけどさ、何となくだよ何となく。


 もしかしたら刃こぼれとか有るかも知れないじゃん。

 あったとしてもそのまま戦うんですけどねっ。



 まあ、見た感じ特に何も異常はなかったので、右手に持ち直して、盾も構えておく。


 さて、突入しようかな?と考えていると後ろから誰かが近づいてくる。



 振り返ってみると、都丸さんだった。

 手には何やら機械を持っている。


「これ付けてもらってもいいか?」


 そう言って俺に差し出したのは小型のカメラだった。

 都丸さんは都丸さんでカメラを手にしているので、俺視点と離れた位置からの視点、両方を映像として撮りたいようだ。ほかの隊員さんも持っているし、皆で撮るつもりだろうか?


 俺は別につけるのは構わないけど、結構激しく動くつもりなので落としてしまうんじゃないか?と不安がある。


「カメラですか? ……落ちちゃうかもですけど、良いですか?」


「ああ、落ちても問題ない。壊れても構わんぞ」


 落ちても良いらしい。

 都丸さん達も撮るし、俺につける方は撮れたらいいなーぐらいの扱いなのかもしれない。


 落ちても良いと言うのであれば問題はない。

 一応しっかりと落ちないようにヘルメットに固定して……よし、やるか。


 中にいるゴブリンは10匹。まずは手前にいる3体をやって、それ以降は流れでやろう。


「そう言うことなら……じゃ、行きますね」


 そう都丸さんに言って、鉈と盾を構えて……ぐっと足に力を籠める。

 靴についた特殊効果により、靴が滑る事はない。 籠めた力は余すことなく加速へと変換され、俺の体は弾丸の様にゴブリンへと向かい飛んでいく。


 全力で振るった鉈は、まるで抵抗など無いかの様にゴブリンの首を通っていく。

 一振りで攻撃できたの2体までだった。 俺は残りの1体に向かい、思いっきり蹴りを放つ。


 頭が二つ宙に飛び、一つは爆ぜた。


 この時点で漸く残りのゴブリンがこちらに反応し始める。

 だが、その動きは俺と比べると酷く緩慢だ。


 ゴブリン達が振り返った頃には頭がまた二つ宙に飛び、叩きつけた盾が上半身を砕く。



 ここまで来てやっとゴブリンが攻撃をし始めた。


「ほっ」


 一斉にこちらに飛び掛かってくるゴブリンを、俺は飛び上がる事で回避した。

 体を反転させ天井に着地し顔を上げると、そこには一か所に固まるゴブリンの姿がある。


 うん、まとまっていてやりやすい。

 ここがスキルの使いどころだと思った俺は、迷わずスキルを発動する。


「土蜘蛛ォ!!」


 天井を蹴り、その勢いでもって顕現した土蜘蛛の爪をゴブリン達に全力で叩きつけた。

 この爪は巨大で、恐ろしいまでの重量感があるが、振るう分にはそれを感じる事はない。

 ただ、叩きつけられる側としては、その見た目通りの重量物を叩きつけたダメージが発生するようだ。

 この辺りはスキルの特殊性なのかも知れない。



 当然そんな物を叩きつけられたゴブリンがタダで済むはずがない、砕け散った床と共にゴブリンだった物が辺りに飛び散った。



 そう、床と共に飛び散ってしまった。

 まさかここまで盛大に床に穴が開くとは思わなかった。

 しかも思いっきり叩きつけたせいで、砕けた床が飛んでいく速度は恐ろしい事になっている。


 破片は叩きつけた個所を中心に360度満遍なく飛んで行った……つまり、その先にはこちらを撮影している隊員さん達がいる訳で。


 やべえ!大惨事だ……と思ったが、破片は隊員さんに当たる前に全て叩き落されていた。



 俺の様子を見ていたクロがきっちりフォローしてくれていた。

 クロ!まじでありがとう!!




 やらかしたけど、しれーっと皆の元に戻る俺。


 幸いなことに、彼らは破片が飛んでくる事に気が付いていなかったのか、特に非難されることは無かった……やべえやべえ。



 俺の戦闘をみた彼らの反応は様々だ。

 口をぽかーんと開けている者、目をキラキラしている者、ドン引きしている者、などなど。

 化け物扱いされないよね? 大丈夫?


「うわぁ……」


「おい、撮れたか今の……?」


「っは! え、あ……一応撮れてはいますが」


「やばすぎいっ! まじで漫画みたいっすよ! 動き見えないとかぱねえ!」


「すっごいねー」


 まあ、大丈夫そうかな。

 こっちを見る目に恐怖心はあまり無さそうだ。

 たぶんだけどね。



 俺は隊員たちの横をすすすっと通り、こっちをじとーっと見てるクロの元へと向かった。


「クロ、防いでくれてありがとうね」


 そうクロにお礼を言うと、クロはふんっと鼻を鳴らしてこっちをじーっと見てくる。


「チュ、チュール3本……」


 分かってんだろうなー?おー? 見たいなその表情に、俺はとっさに指を3本立て、チュール3本と言ってしまう。

 が、クロの表情は変わらない……た、足りぬと言うのか。



「……じゃ5本で」


 結局指を4本、そして5本と増やしてやっとクロが満足そうに頷いた。

 在庫あったよな……? 無かったら帰った早々にスーパーにダッシュせにゃならんぞっ。

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― 新着の感想 ―
[一言] チュール5本とは中々・・・ゴクリ
[一言] 隊員の命=チュール5本。。 編集してスロー再生をみたらガクブルだろうね 次の日からクロさん呼びになるかも知れん……。 桐箱に入った高級な鰹節を持って来るかもしれない。 それをプイッと無視し…
[良い点] クロさん交渉上手ぅ!!
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