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家の猫がポーションとってきた。  作者: 熊ごろう


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「60話」

 

 と、隊長さんはそこまで話すと急に考え込む様に黙ってしまう。


 いや、そこで黙られると怖いんですけど……。


「……まずこのまま住めるかですが、今まで通りの生活を過ごすのは厳しいかと思います」


 ふむ。

 今まで通りでなければ住めるって事?


 やっぱさ、多少不自由でも俺としてはこの家に居たい。

 色々と思い出いっぱいだかんね。


「ハチ公前のダンジョンはニュースでご覧になったかと思いますが、あそこと同様に周囲を建物で囲む必要があります。 あそこまで大規模では無いにしろ、庭の大半は建物で埋まるでしょう」


「あー……」


 それは確かにそうだ。

 ダンジョン剥き出しはあかんよなあ。 それこそダンジョンに興味津々な人たちが勝手に入って来てしまうかも知れない。


 てか間違いなく来る。


「さらには自衛隊が常駐する事になりますし、かなり住み辛くなるかと……恐らく近隣の住民も含め、引っ越しを勧められると思います。 従わない場合は土地を接収する事も考えられますね」


「うわー」


 常駐もまあ分かる。

 見張り居なければ侵入し放題だしね。


 しかし、接収かー……近隣の人も含めてとか、そこまでちょっと考えていなかった。

 都心からはちょっと離れているし、そこまで住宅が密集している訳じゃないんだけど、それでも数軒は対象になりそうだ。



「ですが、島津さんの事情次第では交渉の余地はあるかと」


「なるほど」


 事情は汲んでくれそうだと。

 情報提供者には協力をってことだね。


 ちょっと近所の人の話を聞いてもらって、ダメそうな感じであれば……アマツにお願いしてダンジョン移転してもらうか。

 出来れば近所がいいなー……まあ割と土地余っているし、移転先は問題ないだろう。

 移動がちょっと面倒になるだけかな。


「ダンジョンに潜り続けられるかについては条件次第で可能です。 一般人としては難しいでしょうが……島津さんは予備自衛官制度をご存じですか?」


「一応は」


 なんか普段は普通に会社で仕事してて、いざって時に動員かかる自衛官。みたいなイメージぐらいしか知らないけどね。


 とは言え一応知ってはいるので都丸さんにはそう返事しておいた。


 それを聞いた都丸さんは満足そうに頷くと、言葉を続ける。


「でしたら話は早い。 一般人では難しい、ならば自衛官になってしまえば良いのです。 実はこの件について上からも言われていましてね……何せ現状世界で最もダンジョンに詳しく、攻略を進めているのが島津さんですからね。 色々と融通も利くかと思います。もちろんデメリットがまったく無い、と言うことでは無いですが」


 なるほど?

 でも予備自衛官ってそう簡単になれるものだったっけ? と疑問が浮かぶが、そこは融通が利くとのことなので何とかなるのだろう。


 ダンジョンに潜れると言う事であれば、なっても良いと俺は思っている。

 ここでYESと答えなければ、まともに潜るれるのは何時になるか分からんしね。

 一般開放されるまではまだ暫し時間が係るだろう。



 デメリットは……なんだろうね? 組織としての指示に従わないとダメとか? 変な指示で無ければ問題はないと思うけど。


 こればっかりは実際になってみないと分からないね。



「わかりました。 あとで詳しく聞かせてください」


「ええ、勿論です。 身の安全については、国内にいる限り恐らくは大丈夫です。 我々の身内になって頂けるのであればより安全かと思いますよ?」


 あ、そっか。組織に入るってことはそういうメリットもあるのな。

 俺個人よりも自衛隊と言う組織の中に居れば、ある程度守ってもらえると……。


「なるほど。 ……まあ、私としては受ける方向で内心ほぼ決まってます。 あとでクロと相談してからでも良いですか?」


 うん、やっぱ俺としてはこの話受けたほうが良いと思う。

 クロと相談だね。




「クロと相談……?」


 と、俺の言葉を聞いた都丸さんが首を傾げる。

 そういやダンジョンでモンスター倒すと身体能力上がるとは言ったけれど、猫とかは頭も良くなりますって言ってなかったな。


「……あ、ダンジョン内でモンスターを倒した影響で、猫とかは頭も良くなるそうなんです。 決して俺がアレな人って訳じゃないです」


 アレじゃないです。


「ははぁ、道理で賢いと思いましたよ。 申し訳ないですが、後ほど到着する別チームにその辺りについてもお話願えますか?」


「はい、大丈夫です」


 クロは実際賢いからね。

 別チームの人とやらを吃驚させてやろうじゃないの。


 家のクロを褒め称えるがよかろうなのだ。



 さて、あと聞きたい事は何か……あ、そういや来月麦の収穫とかあったな。

 麦の後はトウモロコシだったかな? 結構忙しくなるはずだよね。


「あとはー……行動の自由ってあるんでしょうか? 実は祖父母が農家やってまして、来月かなり忙しそうなんでお手伝いしたいんですが……」


「ええ、その辺りは自由に行動出来ると思います。 ただ護衛兼見張りが付くことになると思いますが……」


「それぐらいであれば問題ないです。 何かあったらフォローもしてくれるんですよね?」


「ええ、勿論です」


 なるほどなるほど。

 割と自由なのね。 見張りはしょうがない……というかむしろ有難いかな。

 何かあった時頼りにしちゃおう。


 大体聞けたかな……この後まだまだ質問が出てくるかもだけど、とりあえずはここまでで良いか。

 あとは別チームの人に聞いても良いしね。



 あくまで都丸さんの予想ではあるけど、都丸さんも上から色々お話は聞いているだろうし、180度話が変わるなんて事はないでしょ。たぶんね。




 と言った感じで都丸さんと色々話しこんでいた訳だけど。

 お腹も大分落ち着いたあたりで、そろそろ別チームが来る頃だと言うお話だったので、皆でダンジョンから出ることにする。




「なんか車と人が増えてる……」


 地上に戻ると車と人が増えていた。

 家の敷地内には入っていないが、道路で何やら機材を用意しているのがちらほらと……どうみても隊員じゃない人がいるので、あれが別の調査チームの人だろうか? 白衣とか着ている人もいるし、なんだろうね科学者とかなのかなあ?


 あとは、工事用の車両っぽいのも居るなあ。

 あれはダンジョンの周りを囲む建物を建てる用だろうか。


「あれが別チームなのかな?」


「ええ、これから本格的に調査が始まります。 島津さんに話を聞くのは……まだ来ていないようですね、自宅でお待ちいただけますか? 我々は調査チームに付いていかねばならないので……」


 俺から話を聞く人達はまだ来てないのか。

 で、来るまでは待機とな。


 都丸さん達は調査チームと合流し、再びダンジョンに向かうようだね。


「あ、そうなんですね。 皆さん今日はありがとうございました。 また焼き肉でも食いましょうねー」


 そう言って隊員さんに手を振り、家へと引っ込む俺。

 隊員さん達は俺に手を振り返すと別チームの方へと向かっていった。




 いやー……疲れた。

 肉体的には余裕だけど、精神的に疲れた。


「何とか上手くいってる感じかな? あとは調査チームの質問に答えて……うん、頑張るよ。ありがとね、クロ」


 ソファーにだらりと寝そべり、そう独り言ちる俺。

 するとクロがソファーに飛び乗り、俺の顔をじっと見つめ、にゃーと鳴いてゴロリと横になる。


 お疲れ、がんばれってことかな?


 丸くなるクロを撫で、俺は少しの間休息をとるのであった。





 休憩を始めて大体1時間が経過した。時刻は14時を過ぎたあたりだろうか、ふいに玄関のチャイムが鳴らされる。



「はいはい、今いきまーす。 お待たせしま――」


 そう言って玄関の鍵を開け、扉を開くと……そいつらは俺を押しのけるようにして玄関へと入ってくる。


「――島津康平さんですね? ダンジョンについて聞きたい事があります、お時間よろしいですか?」


 入るなりそう言ったのは、黒いスーツを着た男だ。

 後ろにいる連中も格好は同じである。


 どう見ても隊員ではない……妙にギラついたその目に、何やら酷く嫌な予感がした。

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― 新着の感想 ―
予備生になったら将来的に国民に解放するって話が遠のきそうだけど? 冒険者の代わりに予備生制度使うってんならまだ納得できるけど あと結局工事とか入れるのか?国は個人の感傷なんて忖度しないからな……
じいちゃん達にも話しといたほうが良かったのでは?と思わなくもないが、心配させちゃうか(;・∀・) でも最終的に話すんだから一緒?(ㆁωㆁ*)
めんどくさい展開ばかりで縮こまってて、いやぁ面白くないなぁ。
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