「358話」
本日2回目の更新。
次の土日はたぶんお休みです。
「ああ、それはね! ほら島津君もやっているように、肉体のダメージを無視するぐらいわけないことだから!! ……と思ってたんだけどねえ?」
「腹筋攣って死にかけてませんでした?」
「それは別に戦闘中って訳じゃないからね!!」
なるほどなるほど。
つまりはだ。
「予想以上にメンタル糞雑魚だったと」
「そういうこと!!」
つまり神様(笑)だったと。
そりゃこんなところでこき使われる訳だ。
「いや、本当まいったね」
「どうかしたんですか?」
生首はアマツとまともに戦えるだけましだったんだなあ……と生首の評価をちょっぴり改めていると、珍しくアマツさんが深刻そうな表情を浮かべていることに気が付いた。
話の流れ的にあいつのことだろうけど、何か問題が起きたのだろうか。
「彼、この後の階層は分裂して徘徊して貰う予定だったんだけどね」
「分裂……」
斬り放題だぜ。
てか分裂したらさらにメンタルヤバくならない? 大丈夫?
あとドロップちゃんとしたドロップあるよね? お肉とかやめてね?
「島津君に殺されたのが余程トラウマになったようで心折れちゃって、しばらく再起不能になってしまったんだよ、まいったね! ハハハッ!!」
「ガラスのハートすぎる」
ダメじゃん!!
てかアマツさんもそんなメンタルのやつ配置しちゃあかんでしょーが。
生首みたいな図太いやつ……は俺とアマツさんのメンタルが先にやられそうだから無しとして。
もうちょっとさ、いなかったんだろうか配置できそうな人。
他のダンジョンのユニークモンスターとか、そっちに回してゲートキーパーやれそうなのがあいつしか残ってなかったんかなあ。
「私たちは人とは違うからねえ。精神的なダメージが君たちでいう肉体のダメージのそれと同じようなものなんだよ」
「復活するまで10年は掛かるだろうね!!」
おー……余計配置しちゃあかんのじゃないのですかね。
下手すりゃこれから毎日お前を斬り刻もうぜ! ってなってた訳ですし、もっとメンタル鋼な人員を配置すべきだと思うんだ、俺。
「まあどうにかするから大丈夫だよ! でも、あと10日ぐらいは先に進むの待って欲しいなっ!!!」
ようは今先に進んでも誰もおらんぞってことだね。
アマツさん、いつもの様に胡散臭い笑みを浮かべているようで実は内心焦ってそう。
「わかりました。ちょっと休みいれときたかったんでむしろ丁度良いっす」
ここは一つアマツさんのことを思って先に進むのは一旦止めて置こう。
それに俺もクロも肉体と精神どちらも消耗しているし休みが必要なのは本当だ。
あとは例のイベントもあるわけですし、いつでも受け取れるようにしておかないとねえ??
貰えなかったら心が折れそう。
「そうかい、助かるよ! それじゃちょっと頑張ってくるね!!」
「あ、これ引き取って……消えるのはやっ」
と、了解した旨をアマツさんに伝えると、止める間もなくスッと姿を消してしまった。
足元に残った生首へ視線を向けると、何が不満なのか髪の束をぺしぺしと足へ叩き付けてくるではないか。
「命の恩人に対してこれとは何だい、これとはっ」
「……しゃあねえ、持って帰るかぁ」
それを言われると弱い。
絶対離さないと言わんばかりに巻き付けられた髪に鳥肌を立てながら、はあとため息をつく。
持って帰っても今までと何か変わる訳じゃないし、むしろ体に潜むことが無くなった分だけましと言える。そう自分に良い訳しつつクロを抱えてその場を後にするのであった。
「どうしてこうなった」
装備を修理し、素っ裸から解放された俺は龍化を解いて自宅へと戻り……アマツに生首を渡さなかったことを心底後悔していた。
頭を抱える俺、そしてどこか遠くを見ているクロの目の前に居るのは二つの生首だ。
「お、このクッションいいじゃないか」
「それは私が使っているんだから、そっちは床に転がっていたまえ」
クッションの取り合いをしている生首二つをみているとクラクラと眩暈がしてくる。
だってさ、まさかそんなことになるとか予想できる訳ないじゃんか!
なんで頭が二つあるんだよ! お前ら本当に人間か!?
あ、一応神様だったよちくしょうがあっ!
てかさっき殺してきた神様(笑)も分裂できるんだから、こいつが出来ない訳ないな。
それに今まで家にいた奴も一応本体じゃなかったし、俺の体内に潜んでいたのが本体……いやもう訳わからん。
くそう……せめて一つならまだましなんだけどよお。
生首が二つとかノイローゼになるわ。
どうにか一つになってくれんかなあこいつら……あ、そうだ! もしかしたら。
「……? 何してるんだね??」
「いや、くっつけたら対消滅しないかなって」
「相変わらず失礼なやつだな君はっ」
片方の生首をつかんで、もう片方に押し付けてみたけど消えないか。
こう、ぷよ〇よとかみたいにくっ付けたらどうにかならんかなって思ったけど、ダメかあ……ダメなのかあ。
「せめて一つになってくんない……?」
「出来るけどねえ」
「まじ!?」
ダメ元で言ってみたらあっさり出来ると答えがかえってきた!
そうならそうと早く言ってくれよー……もう。
「一つになったら今の状態から……そうだね、両腕ぐらいは生えると思うけど、それでもいいかね?」
「……」
どこぞの怪異か何かかな?
お年玉(*‘ω‘ *)なかみは生首よー。
私もお年玉ほしいですね。_(:3」∠)_生首はいらんけど。




