4月30日(火)☽⇒☀:もやもやする朝
【京一】
そこで突如として、暗転した。
「…………あれ?」
次に視界に入って来たのは、いつもの薄紅色のもや。
唐突な終了。
今までこんなことはなかった。
明らかに、まだ途中だ。あれで終わりというのはおかしい。
あれでやられてしまって終わりだとすれば、魔法少女モノとして、明らかなバッドエンドではないか。
夢なのにバッドエンドとかあるのか。
ぱっ、と、もやの中からキューピーが出てきた。
「おいキューピー、なんだあれ。なんかいつもと違くないか。めっちゃ負けてたけど……」
僕の詰問に対して、小人は腕を組んでウウム、と唸った。
「これは、夢の不調デスネ」
「夢の不調?」
「いわゆる『悪夢』デスネ。もしかしたら現実の凛チャンになにかあったのかもしれないデス。
ホラ、イブチャンのときも現実の体調不良が夢でも影響してたデショ。アレと同じようなことデスネ」
以前、イブの夢に入ったとき、彼女は荒れ地の中で倒れてしまった。
あの日、彼女は現実では風邪を引いて学校を休んでいたのだった。
すぐに目当てのドラゴンを見つけて元気に回復していたものの、確かに夢の中でも急に高熱を出して倒れたのだ。
「夢と現実とは表裏一体、互いに影響し合うものなのデス。現実での不調は夢に影響を及ぼして異変を発生させマスし、その逆もまた然りデスヨ」
つまり、夢の中で魔法少女が敗北を喫した原因は、現実で彼女が不調を来しているから?
「まァ、一時的なことというのもあり得マス。明日の夢では回復して、いつも通りの夢に戻るかもしれませんシ」
「そうなのか」
相変わらず夢の世界は不思議が多く、僕にはその全容は計り知れない。
しかし小人がそう言うのなら、信じるほかない。
…………
……
朝になり、目が覚める。
あの空間から抜け出たのに、僕の胸はまだもやもやとしていた。




