表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

36/54

マジカル☆リンちゃん:『マジカル☆リンちゃん、大ピンチ!?』


 小学一年生のリンちゃんは、お母さんにおつかいをたのまれて、商店がいまで、やって来ていました。


「はあ……」


 いつも明るいリンちゃんですが、その日はためいきをついています。

 こんどの休みに、お父さんがいっしょにあそんでくれるとやくそくしていたのに、お父さんはおしごとが入ってしまって、あそべなくなったと言うのです。

 ざんねんです。

 でも、お父さんはおしごとがいそがしい人なので、仕方がないのです。

 わがままを言ってはいけません。


 うつむきながら歩いていたリンちゃんでしたが、ふと、商店がいが、さわがしいことに気がつきます。

 いっつもにぎやかな商店がいですが、今日はいつもとちがって、ふおんな空気です。


 あるところに、人だかりができていました。

 そこはたしか、宝石店です。

 リンちゃんは入ったことがないけど、いつもお店の前をとおるとき、中にならべられている宝石を見て、とってもきれいだなあ、と思っていました。


 宝石店の前で、みんながあつまって、ざわざわとさわいでいます。

 ヤジウマ、というやつです。

 けいさつの人が何人も立って、人だかりをせきとめています。


 みんなが話しているのを聞くと、なんと、宝石ゴートーがあらわれたらしいのです。

 しかも、ひとじちをとってお店の中に立てこもっているといいます。


 これはもう、ほうっておけません!


 リンちゃんは、ろじうらにかくれて、変身をしました。そしていそいで、お店の前に。


「やったぞ、マジカル☆リンちゃんが来てくれた!」

 あつまっていた人たち、そしてけいさつの人たちも、リンちゃんが来たのを見て安心しました。

 リンちゃんは今まで、魔法少女に変身していくつも事件をかいけつしていて、すっかり町を守るヒロインとしてみんなに知られていたのです。


「こらー、ゴートーなんてしちゃだめです! ひとじちをかいほうして、すぐに出てきなさーいっ」


 リンちゃんはお店の中のゴートーに向かって大きな声で言います。

 すると、なんとすぐにゴートーはお店の中からノコノコと出てきたのです。しかも、一人です。


「お前がマジカル☆リンちゃんか……。待ってたぜ」

「えっ?」

「はははは……、騒ぎを起こしてやれば出てくると思ってなァ。私はお前を倒しに来たんだよ」


 ブキミに笑いながら、ゴートーが言います。


 お店の中からひとじちがにげ出してきます。

 ひとまず、それはよかった。

 でも、ということは本当に、このゴートーはリンちゃんをおびき出すのが目的だったということになります。


「ど、どういうこと? あなたはだれ?」

「私はダイヤモンド伯爵。店の宝石はすべていただいたぜ」


 そう言ってダイヤモンド伯爵という男は大きなふくろを出して見せました。そして、「そこで見ていやがれ」と言うと、なんとふくろに入った大りょうの宝石を口に入れて、一気にのみこんでしまったのです!


「あーっ、宝石が!」

 リンちゃんはあわてました。きれいな宝石が、わるものの胃の中に!


 大りょうの宝石をのみこんた男は、なんだかぶるぶるとふるえ出しました。

 そして、メキメキと音を立てて少しずつ体がふくらんでいきます。


 ふつうの大人の身長だったのに、少しずつ体が大きくなっていって、ついには二メートルほどの大男になってしまいました。


 まずいです。男はあっという間にかいぶつに変身してしまいました。けいさつがヤジウマの人たちを、とおざけます。


「もったいないなあ、宝石を食べちゃうなんてぇ~! 怒ったゾ、これでもくらいなさい、『ぐんぐにる』ーっ!」


 リンちゃんはステッキをふりかぶって、光の矢をはなちます。

 すごいはやさの矢は、伯爵にはかわしようがありません。ちょくげきしました!


 ……しかし、伯爵にあたった『グングニル』は、彼のむねをつらぬくことなく、パアンとはじけて、消えてしまったのです。


「う、うそ。なんで……?」


 相手のしんぞうを、かならずつらぬく魔法の矢です。

 きかないはずがありません。しかし伯爵はピンピンとしています。

 その体をよく見ると、なんと、キラキラと光っているではありませんか。


「ふふふ、ふははははははっ、どうだ魔法少女め。貴様の魔法では私の体を貫くことなどできないのだっ」

 なんと、伯爵の体はダイヤモンドになっていたのです。

 そのかたさでは、リンちゃんの魔法の矢はききません。


「そんなあ……」

「怪物をことごとく倒しやがる生意気な魔法少女がいると聞いて、私はそいつを始末してやるべく地上にやって来たのだ。……だが、この程度か、ふはははは」


 体が大きくなって、笑い声ももっとブキミになりました。


「ふん。くらえ! ダイヤモンドパンチ」

 キラキラと光るこぶしを、リンちゃんにめがけてはなつ、ダイヤモンド伯爵。

「……す、『すゔぇる』!」


 リンちゃんは、あわてて魔法のバリヤをはります。

 しかし、伯爵のパンチで、バリヤごとふきとばされてしまうリンちゃん。


「きゃあっ」

 ずさささ、と地面をころげるリンちゃん。


「ふははは、『マジカル☆リンちゃん』も、これでおしまいだ」


 地面にたおれたリンちゃんに向かって、ゆっくり、ゆっくりとちかづいてくるダイヤモンド伯爵。

 伯爵が、空に向かって両手をかかげます。

 すると、空に、大きな大きなダイヤモンドのかたまりができあがっていきます。


「そんな……」

「つぶれてしまえ!」


 ぶん、と両手をふりおろす、伯爵。

 大きなダイヤモンドのかたまりが、リンちゃんに向かっておちてきます。リンちゃんは、――――――――――――――――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ