表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/54

4月15日(月)☽⇒☀:甘い朝



 【京一】



 その日の魔法少女の活躍劇は、調理実習が舞台だった。今日の授業と同じだ。


 まあ夢なのだから、現実での出来事が反映していても不自然ではない。

 その稚拙な内容に関しても、いまさら突っ込む気は起きない。


「きょーいち、ほら、これ食べて?」


 魔人との戦いを終え、変身を解いた幼い凛が、紙皿に乗せたチョコケーキを僕に差し出してくる。

 本日、十七歳の凛からもらったあの一切れに比べると、かなり分厚く切られた一個分である。

 ……どうしよう。

 そういえば生チョコが嫌いだと認識したのは、ちょうど今のこの体格の時期で、そのときに食べた量もこのぐらいだった。


「どしたの? とってもおいしいよ?」

 凛が、無垢な目を向けてくる。

 あくまで善意で差し出してくれている少女に向かって、嫌いだからいらない、とは、言い難い。

 いくら夢の中の凛であるとはいえ、幼い女の子の厚意を無下にするのはさすがに憚られる……。


 いや、でも、そうだ。

 これは夢の中なのだ。

 ということはもしかしたら、食べても平気なのではないか。

 頬をつねっても痛みはないように、苦手なものを食べても気分が悪くなったりはしないのではないか。


 きっとそうだ。よし、ここは賭けよう。


 僕は少女の差し出す紙皿を受け取り、チョコケーキにかじりついた。…………。



 結果、凛がものすごく謝ってきて、逆に僕もものすごく謝って、気まずい空気になってしまった。

 …………

 ……



 目が覚める。


「う……」

 夢の中の出来事のはずなのに、どうにも甘ったるい味が口の中に残っている感じがしてならない。

 ひどい寝覚めだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ