4月15日(月)☽⇒☀:甘い朝
【京一】
その日の魔法少女の活躍劇は、調理実習が舞台だった。今日の授業と同じだ。
まあ夢なのだから、現実での出来事が反映していても不自然ではない。
その稚拙な内容に関しても、いまさら突っ込む気は起きない。
「きょーいち、ほら、これ食べて?」
魔人との戦いを終え、変身を解いた幼い凛が、紙皿に乗せたチョコケーキを僕に差し出してくる。
本日、十七歳の凛からもらったあの一切れに比べると、かなり分厚く切られた一個分である。
……どうしよう。
そういえば生チョコが嫌いだと認識したのは、ちょうど今のこの体格の時期で、そのときに食べた量もこのぐらいだった。
「どしたの? とってもおいしいよ?」
凛が、無垢な目を向けてくる。
あくまで善意で差し出してくれている少女に向かって、嫌いだからいらない、とは、言い難い。
いくら夢の中の凛であるとはいえ、幼い女の子の厚意を無下にするのはさすがに憚られる……。
いや、でも、そうだ。
これは夢の中なのだ。
ということはもしかしたら、食べても平気なのではないか。
頬をつねっても痛みはないように、苦手なものを食べても気分が悪くなったりはしないのではないか。
きっとそうだ。よし、ここは賭けよう。
僕は少女の差し出す紙皿を受け取り、チョコケーキにかじりついた。…………。
結果、凛がものすごく謝ってきて、逆に僕もものすごく謝って、気まずい空気になってしまった。
…………
……
目が覚める。
「う……」
夢の中の出来事のはずなのに、どうにも甘ったるい味が口の中に残っている感じがしてならない。
ひどい寝覚めだ。




