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赤いベンツ  作者: naomitiara-tica
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保険会社

この物語は創作です。モデルはありません。

友達の紹介で、保険会社の営業をやる事になった。



試験に受かれば年齢、経歴、資格を問われず誰でも正社員になれるし、会社の母体が大きいので、福利厚生も手厚い。給料は、成績が伴えば、高級を望む事も出来るし、何といっても保険会社の魅力ば、時間の融通が効く事だった。



ミツキは今まで、営業の仕事、特に保険屋さんと言われる保険会社で働く女達ほど頭がおかしい人種はいないと思っていたが、成る程、納得した。



この時間の自由が効く事が最大の魅力なのであろう。上に上がろうとすればするほどノルマは厳しいが、真面目にやれば決してこなせない数字では無く、勿論制限は何かとあるが、つまりどんな人からでも、どんな内容でも、特に新人の頃は、取り敢えず一ヶ月に一枚の契約書を貰ってくれば良いのだった。



しかも、高年齢になっても働けるし、一部ではあるがまあまあ成功したと言われる女達は月収50万ボーナス100万なんてのはゾロゾロいた。



ミツキはこの仕事に一時期夢中になった。美人で勝気でやる気が有って頭の回転の良いミツキは、営業所の新人の中でも群を抜いて優秀だった。



まずは着ている服と持っているバックが人様と違う。



いろんな理由でこの仕事に就いた女達がいた。自分探しに来た者。居場所を求めて来た者。自分のやりたい事を思う存分自分の収入でやりたい者。集団生活をぬるま湯のようにしていたい者。しかし何と言っても大部分は金の為であった。旦那がいる者、居ない者、旦那が金を入れない者、少ない者。それぞれがいろんな尺度と思惑で、金を稼ぐのに必死だった。



その中に置いて、上から下まで、カバンも靴もブランド品、挙句ギリギリ借金取りに押さえられなかった中古ではあったがベンツで出勤してくる輩は、支社500人と言えど、そうそう居なかった。



周りの営業員達は最初、誰もがミツキに対して一斉にドン引きした。



が、ミツキが毎月毎月、必死に契約書をあげてくる姿を見て、誰もが何も言わなくなった。所長やトレーナーや、チーム長も、ミツキに頑張って貰いたくてチヤホヤと持ち上げ始めた。



ミツキも最初の一年は、やっぱり私は私、何でも出来るのだ、仕事なんて真面目にやればこんなもんだ、この調子で一気に高級取りの道をまっしぐら、元旦那を見返してやるのだ........



そして旦那なんかにちんたら我が家のローンを払わせるのでは無く私が当たり前のように家をあいつから買い取るのだ。そもそも私の父親が建てた家では無いか?....と内心、息巻いて居た。



しかし............



保険営業の厳しさは経験した者ならわかるが、運が良ければ最初は取れるのだ。何とかかんとか。しかしそのうち、見込み客が無くなる事が必ずやって来る。そして、成績が下がると給料もボーナスも容赦無く下がる。非常に良く出来たシステムだ。



そうそう簡単に天下は取れず、続けて高成績をあげるには水面下で毎日毎月、血を吐くような努力が必要なのだ。



そして、ミツキにもそんな日がやって来た。

頑張って働き出したミツキ。成績につまづき出します。

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