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Lost of Parents  作者: 来夢
1/2

プロフィール


〜♫


ピッ


枕元で、何ヶ月か前に買ってもらった携帯が鳴った。

誰からの着信かは見なくても分かる。


「……おはよ」


光希(みつき)、もう7時よ。早く起きてきなさい」


「うん」


私が携帯を持つようになってから、

母は起こしにくるのが面倒になったらしく、

朝はいつも携帯で起こされる。


起こされる、というか、携帯が鳴る頃にはほとんど起きている。

高校に入ってからは朝に勉強するようになったため、つい時間を忘れてしまうのだ。


覚束ない足取りで階段を降りる。

いつものニュース番組。慌ただしく仕事の準備をする両親。テーブルに顔を突っ伏した弟。

いつもの朝の光景。


そこに匂いはない。

普通の家庭なら、目玉焼きとか、ベーコンとかハムとか、そういうのを焼いた匂いがあるんじゃないだろうか。

私の家は、トーストを焼いた匂いがかすかに残っているかどうかだ。


「おはよう、ヨーグルトつくる?」


「……うん」


このヨーグルトとは、一口大に切ったバナナに市販のヨーグルトをかけただけのデザートのようなものだ。

私はダイエットをしているわけではないのだが、待たなくていい分作るのが楽なのか、私の朝食は最近いつもこれだ。



「光希、どれがいいと思う?」


朝食を食べ終え、服装を整えていると、

父が声をかけてきた。

ネクタイを選んでいるらしい。


「知らないよ。どれでもいい」


「そんな言い方ないだろ」


声色を落として父が言った。

たったあれだけのことでイラついたらしい。

イライラしているのはこっちだ。

この朝の忙しい時間。

思春期の私は、父親に話しかけられるだけでも嫌だっていうのに。


「じゃあ、その黄色のやつ」


「うるさい。もういい」


ああ、拗ねた。子どもみたいだ。


私は嫌なオーラを放つ父親を無視して、支度を進めた。

じゃあ、行ってくるね。そう言って出て行く母は、まるで自分がこの世界で1番忙しいみたいな言い草だった。



嫌い、嫌い。

子どもっぽい、感情的な両親が。

こんな人たちが両親だなんて、ゾッとする。

情けない。


嫌だ、嫌いだ、きらい、きらい、大嫌い。

親なんて、いなくなってしまえばいいのに!

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