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ヒキコモリな彼女の動かし方

 説得を任された扇はあらためてソフィアに声をかけた。


「よろしくソフィア。早速だけど、どうしてここを動きたくないんだ?」


 最初は言葉に詰まった様子のソフィアだったが、やがておずおずと話しだした。


「だ、だっていきなり異世界につれてこられて、後は勝手にしろって言われてもどうしたらいいかわからないじゃないですか」


 先ほど優愛と二人きりでいた時は興奮していたソフィアだが、時間をおいたのが良かったのかびくびくとしながらも多少は落ち着いた様子だ。


「そ、それにこの場所へ連れてこられたんですから、ここから元の世界へ帰れるかもしれないと思ったんです」


「でも、連れてきた元凶のメディは返さないって言ってたけど?」


「……」


 痛いところを突かれたのか、ソフィアはそのまま沈黙してしまう。


 ……どうもソフィアは何かしら理由があってここを動きたくないわけではなく、混乱していてこれから先の行動をどうしたらいいか判断できなくなっているらしい。


 しかし、いつ魔物が出るかわからないこの場所にとどまり続けるのは危険だ。


 悩むのは町に着いてからでも遅くはないだろう。


 扇は少し強引にでもソフィアを連れていくことを決め、問いかける。


「よしっ、ソフィアに二つ選択肢をあげよう」


「―――はい?」


「―――え?」


 突然話を変えた扇をソフィアと優愛は不思議そうに見つめる。


 それに構わず扇は話を続ける。


「1、歩いて俺たちについてくる。2、さっき会ったばっかりのよく知らない男におんぶされて連れてかれる」


 そう言って、扇は自分を指さす。


「え、ええっ!?」


 ソフィアは驚き、目を丸くしている。


「おっと、抵抗は無駄だぜ? 俺はこう見えてもおんぶの天才だからな、寝っ転がってようがなにしてようが、即座におんぶできる。さあ、どうする?」


 適当なことを言いながら、扇はソフィアに解答をせまる。


 別にふざけているわけじゃなく扇なりに考えた結果の行動だ。


 判断のできない状態なら、判断が簡単な二択をつきつけて移動させてしまえばいい……。


 悩んでいるソフィアの様子から、後もうひと押しだと考えた扇は優愛に目配せをする。


 すぐに扇の意図を察した優愛はわざとらしく大きな声を上げる。


「会ったばかりの人におんぶされるなんて、あたしは絶対にいやだわ。それなら歩いたほうがましね」


 優愛のダメ押しが効いたのか、しばらく悩んだ後ソフィアはゆっくりと頷いた。


「わ、わかりました。歩いてついていきます」

少し短いです。ごめんなさい。

次回は戦闘シーンが入る予定です。

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