炙り出された犯人
私は冷蔵庫を閉めた。
「ねえ」
妹が振り向く。
「なに?」
「私のプリン知らない?」
妹は一瞬考えてから言う。
「え、知らないよ」
「そっか」
私はテーブルに座った。
「弟は?」
妹が言う。
「さっき部屋行った」
ちょうどその時、弟が廊下から出てきた。
「何?」
私は聞く。
「私のプリン食べた?」
弟は即答した。
「食べてない」
私は頷く。
「そう」
しばらく沈黙。
弟が言う。
「なんで?」
私は答える。
「いや、ただ聞いただけ」
弟は笑う。
「疑ってんの?」
私は首を振った。
「ううん」
少し間を置く。
「でもさ」
弟が腕を組む。
「なに」
私は聞いた。
「プリンって好き?」
弟は肩をすくめる。
「普通」
「どれくらい?」
「どれくらいって?」
「コンビニ行ったら買う?」
弟は少し考える。
「……まあ、たまに」
「今日食べた?」
弟が言う。
「食べてない」
私は頷く。
「そっか」
また沈黙。
妹が言う。
「もういいじゃんプリンくらい」
私は笑った。
「うん」
そして弟を見る。
「でもさ」
弟が眉をひそめる。
「なに」
私は言った。
私は弟を見る。
「今日、コンビニ行った?」
弟は首を振る。
「行ってない」
「プリン食べた?」
「食べてない」
「甘い物好き?」
「普通」
私は頷いた。
「そっか」
少し沈黙。
私は言った。
「じゃあさ」
弟が顔を上げる。
「なに」
「なんでさっきから
口の横にカラメルついてるの?」
弟が固まる。
妹が吹き出す。
弟は観念して言った。
「……食べた」
私は立ち上がる。
「いいよ」
弟が安心した顔をする。
「怒らないの?」
私は冷蔵庫を開ける。
「うん」
そして言う。
「その代わり」
弟を見る。
「明日」
「プリン三つ買ってきて」
弟が言う。
「なんで三つ?」
私は答える。
「私と妹の分」
少し間を置く。
「あと」
弟の肩をぽんと叩く。
「犯人の分」




