黒曜石の包丁
10日後
「みなさん見てください、こちらなんと黒曜石の包丁です!」
晴翔の右手には昨夜完成した黒曜石の包丁があった。それは、少しばかしがたつきがあるもかなり綺麗に作られていた。
「この包丁、黒曜石だから何なんだと思っているでしょう。ちょっと見てくださいね。」
晴翔は肉を取り出す。豚肉のようだ。これを切ります。
肉に刃を当てて切る。そうするとびっくりするくらいスパッと切れた。そのこともあり生徒たちは興味深々である。
「先生他にも黒曜石の包丁やったらいろいろ切れるんですか?」
生徒が質問を投げかけてきた。
「残念。実は黒曜石ってもろいんです。なので石とかそういうの切れないですね。けど、肉や野菜はめちゃめちゃ切りやすいので家庭にあると便利ですね。ちなみにこれは先生の手作りです。」
「うわぁすげぇ」
生徒たちはとても喜んでいる。この包丁を作るのに10日ほどかかったもののこんなに喜ばれるなら作ってみて正解だったと晴翔は思ったのであった。
22時09分
自宅への帰り道、少し小腹が減ったためコンビニによることにした。店内は店員さん以外人がおらず商品もそれほど残っていなかった。
晴翔はおにぎりを2つと500mmの水を購入し店内を出た。
店内を出て車に戻ろうと1歩足を出そうとした、だが突然晴翔はとてつもないめまいに襲われた。
視界がグニャグニャと変わってくる。気づいた時にはさっきまでいた景色の面影が全く見られなくなっていた。
「え?」
そこには猫の耳やウサギの耳が付いた人々や馬のような顔が付いた人がいた。しかもみな大概の人々が黒髪ではなく緑や青、黄色など様々な色であった。