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幸福と無意味の探求

作者: 南 海未

幸せとはなんだろうか?

月曜日の朝、電車のホームでふと考える。私から見ると、周りの人間は極めて幸福そうに見える。私にも、楽しいと思う瞬間はいくらでもある。美味しい食べ物を食せば、人間的に喜びを感じる。友人と会話を交わすことも、それなりに幸せだと思える。ただ、自分の幸福を薄っぺらい幸福だと感じてしまう。動画配信サイトなどの無料快楽コンテンツに溺れ、無為な生活を過ごすような日々。いつからこんな生活になったのかと考えるが、昔との生活の変化は、それほどないのではないだろうか。物心ついた時にはスマートフォンなどの電子機器を触っていたし、そこまで昔との差異が大きいわけでもないように思うのだ。では、生まれてからずっと今のように退屈で無為な生活を過ごしてきた、そういうことなのだろうか。そんなことはないだろう。少なくとも、私にも奔放に遊んでいた幼年時代のようなものはある。その時間を、「無為な生活」だったとは思わない。であるならば、あの無邪気な、物事に意義なんて考えなかった幼年期の自分が、一番幸せなのではないか。思考して、行動に意味付けするようになったから、幸せとか不幸せとか言うようになったのだ。

そう思って体を前に倒した。

線路に自分らしきものを見る。はて、なぜまだ私は思考できるのだろう。そういえば、「人間の魂には重さがある」なんて話を聞いたことがある。本当に皮肉な話だ。

結局、いつまでも思念は残り続けるらしい。

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