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【2話】離れようとするあの人

あの人の離婚の原因は、セックスレスだった。

でも、それ以外は仲が良かったそうだ。

結婚した元奥さんとは

元奥さんから告白されて付き合い始めた。

結婚も言われるがままにしたと…

離婚しようと言ったのは、あの人からだった。

あの人は、両親が離婚して

親戚の家に預けられたり

お母さんが再婚したり

寂しい幼少期を送っていた…


付き合い始めてから1か月経った頃

私は初めてあの人の家に行った。

そこで私達は初めて結ばれた…

それからは、あの人の家に行くようになったのだが…

ある日、夜中に私の携帯が鳴った。

家からだった…

二男が泣きながら

「お母さん、どこにいるの?早く帰って来て」

私は「ごめん、すぐ帰るからね」と言い

すぐ、送って貰った。

帰ったら二男が待っていた。

「ごめん、本当にごめんね」

私は、ダメな母親だ…

私達は、二男に寂しい思いをさせたことを

猛省した…


だから、今度から

私の家で会うことにした。


それから、長男家族と私達と二男で

一緒に遊園地に行ったり

平穏な日々を過ごした。


誕生日には、エルメスの時計を貰った。

私は、そんな高いプレゼントをもらったのは

初めてだったから戸惑った。

私がプレゼントを、あまり貰った事がないからということもあったのだろうけど…

あの人は、照れながら…

大人だから当たり前だと言ってくれた。

幸せだった…


でも、ちょっとしたことで

喧嘩になることもあった…

あの人は、いつも冷静に淡々と私に話をしてくる。

それにイライラして、私は嫌な言葉を

言ってしまうこともあった。


あの人は、一見感じが良さそうに見えるけど

心の奥底に、残酷な面を持っていた。

それは知っている。

私達は、これから何度も

別れたり引っ付いたりを繰り返す…


あの人は、私とは根本的に

考え方が違う。

だから、うまくいかないと思う。

別れて欲しいと何度も言っていた…

私は嫌だと…

玄関で押し問答してしまうこともあった。


最初に別れた時は、

貰った時計を返したけど

あの人は翌日、時計を玄関のノブに置いて行った。

あの人は

「後悔すると分かっているけど…別れる…」とメールしてきた。

私は

「後悔しながら生きたらいいよ」

とメールを返した。

結局、その言葉に堪えて、戻ることになった。

あの人は、私と性格が合わないと分かっているのに

好きな気持ちが勝ってしまうと葛藤していた。


あの人は、毎月子どもと会うことになっていた。

その時に、元奥さんとも会うらしく…

私は、自分にはそういうのが無いから…

何も言えなかったけれど…

正直、嫉妬することもあった。

それでも、好きだったから

再婚あるあるだと思って、我慢した…


喧嘩を繰り返しながら、1年経った頃

私達は、また喧嘩をした。

あの人は

「やっぱり私とは合わない。別れたい」と言ったが

私は、嫌だと言った。

けれど、あの人の決意は固く…

嫌な言葉を吐きまくった。

私は気が付くと、あの人をビンタしていた。

私は

「分かった」と言うしかなかった…

あの人は、帰って行った。

分かっていたけど…

この時は、本当に辛かったことを思い出して

また、辛くなった…


私達は別れた…


ひどい面もあるけど…

私は、どうしても嫌いになれなかった…

仕事に行く時に聞く音楽が自分と重なると

泣きながら仕事に行っていた。

忘れなきゃと思えば思うほど

悲しくなって…忘れられない。

心から、あの人を消すことは出来なかった…

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