苦痛の決断
これは酷い事になってるなー
災害レベルをはるかに超えてるぞ。
砂漠か?ここは。
何一つ残ってないぞ。
まじで俺達の知る魔王って感じだ。
まさか夜星のみんなを巻き込むなんて。
そこまでして何がしたいんです?
こいつらはただの私の兵士でしょ。使い捨ての駒に過ぎない。
操ってでも自分が最強で居たいの?
面白そうな奴らだね。
やっちまえー我が兵士達。
彼女達を解放してあげなよ。
そこまでして私達に勝ちたいのか。
あなた本当に変わってしまったんですね。
かつての友すら利用して、兵を送り込んで来たか。
優しい茜さんに戻って来てください。
彼女達にも背よわせるつもりですか?
どうやら話は通じないようだ。
茜にはすまないがあの子達には眠ってて貰う。
あなた魔竜か。なかなか面白い。種族だね。
こいつこんなに強かったんだなー。
うわーーー。
あのパーティー強くない?
かっこいい。
あの名前聞いても?
ごめん。それは出来ない。
私達の存在は秘密なんだ口どめされてるしね。
なるべくあなた達とは関わらないで居たいんだ。
ねじ伏せられるくらい実力者なんてそうそういないよ。
私達もあなた達の事を探らないから、
私達の事も追わないで欲しい。
探って欲しくない事情なんて誰にでもある事でしょ。
さぁ。早く逃げるんだ。
危ないから、なるべく遠くに逃げな。
追いつかれないように必死に逃げるんだ。
待たせたな。トドメを刺してやる。
魔王いや茜。また数百年の眠りにつきな。
命だけは取らないでおこう。
長い眠りのまま自分の罪と共に。封印されるのだ。
じゃあね。私達の魔力の娘よ。
深い眠りへと誘う。起きた頃には知る人物は
いないだろうが、お前ならなんとか頑張っていけるさ。
しばらくの別れさ。
魔王はどうなったの?
封印され深い眠りについたよ。
しばらくは目覚めない。
苦痛の決断だが、これは私達が選んだ決断。
倒すより封印を選んだ。
それでいい。悔いはないから。
そして操られていた夜星のみんなも
呪いから解放に成功した。
茜は助ける時間が間に合わなかったから。
かなりの侵食されて普段の悪魔の意識もなかったからな。
しょうがないさ。あいつも自分でも意識が保てなかった
んだから。
暴走した力があれほどだったのは驚きだが、
私達の実力が無ければ、手をつけられないくらい
の力だったのは確か。
命懸けとは恐ろしいって改めて思った。
しっかし危なかった。まさかあの子達が近くに
居たとは。あー俺達は生きている事は知られては
ならない。生き返ったとは言え。
迂闊に話しかける所だった。
簡単に姿は表せない。私達はあの子達の心の支え。
だからあの子達の元から避ける事を選んだんだからな。
五人とも元気そうで良かった。
癖とか仕草とか発言の言葉とかで分かる場合あるもんね。
バレないように注意しないと。
あの子たちは探しに来るかも知れない。
でもどこかひっそりと暮らす事にする。
あの子たちの成長を陰ながら見守ろう。
誰も私達を知らないどこかに。
そうだね。またどこかで会えるかも知れないけど。
今はそうしておこう。