魔王城に残る者。
そっか。半数が去ったんだね。
あの子達はあの子達なりの選択をしたんだね。
残念だけどしょうがない。
そして私の元に残ったのが君たちなんだね。
茜お嬢様が不安なんでしょうけど
頑張らせてもらいます。
別に気にしてないよ。
ところであの。茜お嬢様一つ聞いていいですか?
何んですか?
他の魔族の皆様は一体?
もしかして怒ってます?
あー考え事してただけ。
それで。魔族の話だっけ?
私に支えていた魔族達はもういない。
君達の知る事件が全て。
野次達の件ですね。
その時魔界の魔族全てが滅んだと聞いている。
幸い私は船の方にいたからこうして無事だったが、
みなさんも滅ぼされたという事ですか。
あー。桜夜達と共に、滅んだ。
しかも魔族全体に影響した。
当時聞いた時、耳を疑ったけど。
身代わりになってくれていたのだろう。
ここに残るのは君達と五つ子のみだ。
魔法少女のみなさんは?
あの子達は魔族を警戒してか、
親が連れかったよ。
こんな奴らに娘を預けられないとね。
もうここには二度と立ち入れさせないと
宣言されたよ。たとえ娘が反対しても。
私からも聞いていいですか?
水来さんと蒼葉さんの娘さん達は?
まだその子達の話してなかったね。残りの四人も
死んだと聞いている。さっきの私の魔族達が
その子達を必死にかばって。守ろうとしたが、
残念ながら命を救う事は出来なかったそうだ。
最後の手紙にそう書かれていた。
必死に最後の力を振り絞って書いたのだろう。
手紙も血が付いてる部分もあったし。
だから君たちには感謝してるんだ。
災害と言ってもいいくらい沢山の犠牲者が
出た。とんでもないぐらいの死人が。
必死に止めて、誰も殺さず、捕まえるまでに
至った。本当に感謝しか言えない。
ありがとう。魔王として改めてお礼を言おう。
私達は何も。感謝される事はありません。
茉菜ちゃん達がほぼと言っていいくらい
全てを終わらせたんですから。
感謝する相手を間違っています。
ここにいる全員は見ている事しか出来ませんでしたから
力を出す前に全て終わった。
これが本当の事実です。
だから頭を下げないで下さい。
情けなかったと今でも思いますよ。
わし達、手も足も出なかったのに。
あいつらは凄かったのじゃ。
力の差を見せつけられたと言うか。
正義感と勇敢さを持ってた。
わしらに出来なかった事を全部もってる。
あれがわしらとの違いじゃ。
友情失格かと思うくらいに。
代わりに五つ子をわしらが面倒をみる。
情けないままではいられないからのう。
五人で決めたのじゃ。
一人一人。向き合って、わしらなりの
恩を返す。あの時は何も出来なかったけど、
今度こそ。わしらにチャンスを。
頼むのじゃ。
頭を上げてください。
お父様達が信じた仲間のみなさんです。
チャンスも何も、私は怒ってなどいませんよ。
末永くこれからもよろしくお願いします。
本当にありがたい。
この子の未来を楽しみにしたい。
この子達は何もでも染まっていない。
性格は変わっているけど。
でも普通の女の子達だ。
君達なら任せらるだろう。
お任せください。きっと導いて見せます。
頑張ってください。
私達頑張ります。