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ダイグはレアを連れ戻そうとする

 ダイグは城に戻った後、またカシトの元でしごかれた。


 そしてカシトとダイグが王城に戻ると、すぐに王に挨拶をする。


「ダイグ、治癒士の貴重さは分かったか?」


「…はい」


「英雄が居なくなった損害は分かるか?」


「はい」


「カシト、ダイグは分かったと言っているがどう思う?」


「正直言ってまだ修行不足です。悪い意味でのプライドの高さが消えず、改心したとは言えません。私と共に魔物狩りの苦行を続けるのがいいでしょう」


 ダイグは焦って口を挟んだ。

「もう身を以て知りました!レアに謝りに行きたいのです」


 まずい!あそこに戻るのはもう嫌だ!

 カシト兄さんは化け物だ。

 あそこに長く居て気が狂わない方がおかしい!


 ダイグは才能があっても訓練を怠った為、前線での戦闘について行けず、死ぬほど苦しい思いをしていた。


 謝ってでも前線は回避する!

 そしてレアを連れ戻すことが出来れば、ゼンキも戻ってくる。

 結果、結果さえ出せばいいんだ!


「ほお!」

「意外だ。ダイグからその言葉が出るとは思わなかった」


「ダイグ、謝りに行ってこい。ただし、カシトがダイグに同行し見張れ」


「「分かりました!」」


 ダイグとカシトは部隊を連れてシオンの領地に向かう。




 ◇




 ダイグは道中何度もカシトに「余計なことはするな。とにかくただ謝って終わらせろ」と何度も念を押された。


 こうしてシオンが居る屋敷までたどり着く。


「ダイグ、分かっていると思うが、余計なことはするな。ただ謝ればいい」


「分かっております」


 謝った後、レアを連れ戻し、苦境を抜け出す!

 ダイグはこりない。


 ダイグとカシトは4人の護衛を後ろに連れて屋敷に向かい、他の者は外に待たせた。






 屋敷の入り口が開かれると、正面中心にシオンが立ち、その横にバートン・アッシュ・レア・マリンが立つ。


 対峙するそのサイドにはメイドと護衛が立って礼をする。


「よく来た。レアに謝るという事だが、早く済ませてくれ」

 シオンが冷たく言った。


「すまなかった」

 ダイグが頭を下げる。

 そしてすぐに「レア、戻ってきてくれ!反省しよう!大事にする」と叫んだ。


 レアが身をすくめると同時にシオンが庇う様にレアの前に立つ。

 それと同時にカシトが「ダイグを連れてつまみ出せ!」と護衛に命令した。


 4人の護衛全員がダイグを連れだそうとする。


「は、離せ!俺を誰だと思っている!」

 そう言ってダイグが暴れた。


 ここでレアを連れ戻さねば俺の立場が無い!

 

 邪魔な兵士どもめ!


「殴って黙らせろ!気絶させても構わん!」


 ダイグは護衛に殴られて、外に引きずり出された。


 屋敷の扉が閉められる。


 ダイグがおかしな行動を取った場合こうするようカシトとシオンの間でお互いにすり合わせは済んでいたのだ。


 扉から締め出されたダイグはまた暴れ出すが、さらに殴られて気絶する。







 ダイグが気付いた時、街の外のキャンプに居た。


 まずい!


 しばらく魔物討伐の前線に連れ戻される!


 レアの奴め、俺の言う事を聞いていれば良かったんだ!


 くそが!


 



 ダイグは外に出て剣を振り、木に当たり散らした。


 剣で木を何度も斬りつけ、足で蹴りつける。


「くそがああああ!」


「だ、ダイグ様!そんなに大声を出されたら魔物が寄ってきます」


 魔物の叫び声が聞こえる。


「くそ!くそくそくそくそおおおおおお!」


 ダイグは無駄な戦いを強いられた。


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