通り雨の救済
「おらぁ、金よこせぇ!!」
皆さんこんにちは、主人公です。突然ですが、怖いお兄さんに襲われています。
「お金なんてありません! ジャンプしてもジャラジャラ音しません! あなたに服ビリビリに破られましたけど、お金出ませんでしたよね!?」
「ちっ、しゃあねえなぁ。だったら腹の中のもの全部出せ!」
「胃の中のものをあなたの手にぶちまければよろしいのですね?」
「臓器だよ、ゾ・ウ・キ!! 腹開いて出しやがれぇ!!」
このお兄さん危険過ぎます。僕怖いです。誰か助けてください。
「とっととしねえなら……俺が引きずり出してやるぅ!!」
あー、死にましたねこれ。
「……ん? 通り雨か。しゃあねえ、今日のところは引き上げてやる!! 次は持ってる金、耳揃えて用意しておくんだなぁ!!」
あのお兄さん死刑ですね。雷の神に頼んで公開処刑してもらいましょう。
「おーい少年、見てたから分かると思うけど、行ったよ」
「ありがとうございます、ありがとうございます!」
僕が抜けた、裸のままの少年は僕に何度も礼をする。
「助けたくなったから助けただけだよ。僕は雨ーー通り雨の神だからね」
通り雨はどこにでも訪れるものだからね、主人公の少年君。
途中、主人公の中に神が入って代わりに会話しています。いつ入ったのか、あるいはいつから入っていたのか、ぜひ考察してみてください。




