声の力
(注意)この話は少し読みづらくなっています。
ハナウタをクチズサミながら、桜に包まれた坂道を登る。この景色をあと何度見ることが出来るだろうか。
もうじき僕は、この地を去ることになる。厳しい親のキメゴトだから、いくらネガイテモ変えられない。
そういえば、心から愛していた彼女がそれを始めて知った日は、彼女の涙とススリナキが全然収まらなかったっけ。
僕もオオゴエで泣きたいな。こんなの、僕がノゾムものではないのだから。ノゾムなら、ここにずっといたいよ!
そんなホンシンも、誰の耳にも届かない。心からのサケビゴエだって、誰にも伝わらない。
「お前、随分と強い力を持っているんだな」
「誰!? それに、力って一体何のこと……?」
いきなり僕に近づいてきた、フードを被った男。顔はフードで隠れていて、よく見えない。口はなんとかみえるのだが、全身を黒一色で統一しているせいで黒い塊に口が付いているように見えてしまう。
なんともオソロシイ姿だ。
「言葉には力がある。例えば、「言霊」がそうだ。その力は時にいかなる武器よりも強くなり、いかなる薬よりも癒してくれるが、実は誰にでも扱えてしまうのが現実だ」
「あなた、何が言いたいんだ?」
「お前は、他の人間以上に言葉の力を扱うことが出来る。今言ったこと以外にも、特定の言葉から命を生む出すことだって出来てしまう。
見ろ、この異形の怪物たちを。これらは皆、先程までのお前の「言葉」から生まれた。お前の力が生み出したんだ」
男の背後にずらりと並ぶ怪物たち。これが、僕の力から……?
「そのコワノリキを使えば、お前のノゾミゴトだって叶えることが出来てしまう。俺が導いてやってもいいが、どうだ?」
男の言葉から新たに生まれた、二体の怪物。その力に魅入られた僕は、男の提案に了承した。
「ふはは、新たな言霊使いの誕生だ!!」
男のワライゴエが、桜の花びらと共に空へと消えていった。
読みづらくなってしまいすみません。カタカナ表記を通常表記にしたものを次話に投稿します。




