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この恋に嘘はない  作者: 吉丁虫
2/2

事件発生

2話目です。よろしくお願いします。

「また明日な冬夜!俺は部活行ってくるわ」


「おう。また明日な」


全ての授業を終え、爽やかに部活に行く六尾と別れた冬夜は、独り寂しく帰路についた。といっても、冬夜の家は学校から歩いてすぐの住宅街にあるので寂しさを感じる時間は短かった。


ほんの4〜5分位で家の前に辿り着いた冬夜は、家の前に怪しい人がいることに気づいた。林昌高校の女子制服を着ているのだが、植木鉢の下を覗いたり、ポストの中をチェックしている。


「鍵なら僕が持ってるぞ、夏橘」


犯人の名は、吉見夏橘(よしみなつき)、高校1年生、冬夜家の隣りの家に住んでいるいわゆる幼馴染というやつである。ショートにした髪が良く似合う活発な女子だ。


「あっ兄ちゃん!おかえりなさい!」


「あぁただいま。てかその兄ちゃんっての学校であった時は言うなよ?一応先輩なんだからな」


「まぁまぁいいじゃん、細かいことは。それより早く開けてよぉ」


吉見の両親は看護師をしている。二人とも夜勤の日も多々あり、そういう日は牧野家でお泊まりだった。そのため牧野家には夏橘の部屋もありほとんど冬夜の妹みたいなものだった。…が、それは小学校までの話。中学からは夏橘は自分の家の鍵を持っていたはずだ。


「その前に…お前、鍵どこにやったんだよ?」


「……」


「どこにやったんだ?」


「…なくしました」


「ったく…相変わらずだなお前は…ほらっ開けてやったから入れよ」


「わぁーい!ありがとう、兄ちゃん!」


「入るのはいいけど、着替えはどうするんだ?持ってきてないんだろ?」


昔は、泊まりになる時は、夏橘の母親があらかじめ着替えを持ってきてくれていたが、今回はそうはいかない。


「大丈夫!今日はお父さんが帰れる日だから晩御飯だけだよ」


「そうか。ちなみに何食べたい?」


「んーとね、ラーメン!」


「…わかったよ。ちょっと晩飯には早いけど今から行こう」


帰宅して5分と経たないうちに、冬夜と夏橘はラーメン屋に向かうのだった。






「ごちそうさま!いや〜美味しかった〜」


すっかり日が暮れ、辺りに電灯の光が灯り始めたころ。ラーメンを食べ終わった冬夜と夏橘は、帰り道を歩いていた。


「たくさん食べてくれるのは構わんがどうして僕の奢りなんだ…」


ちなみに夏橘が食べたのは炒飯セット麺大盛り、しかも替玉まで頼んでいた。2回も。人の金で食べ過ぎである。


「えぇ〜だってぇ、私お金持ってないから最初から兄ちゃんに奢ってもらうつも…」


不意に夏橘が言葉を止めた。理由はすぐ冬夜にもわかった。少し前の歩道に人が倒れているのだ。


冬夜と夏橘は慌てて駆け寄った。周りの人は誰も助けようとはしていなかった。そして、倒れた人が誰なのかわかった時、冬夜は戦慄(せんりつ)した。


「おい!桜!起きろ!」


倒れていたのは、綺麗な顔には似合わない、殴られた跡のついた幡代桜であった…





読んて頂きありがとうございます。感想などございましたら書いてもらえると嬉しいです。更新頻度は気まぐれですがよろしくお願いします。

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