慣れない誘惑
ユウジは別の女の子の護衛で、女の子が居るホテルの近くの喫茶店で待機していた。
ユウジ達のような護衛の服はスーツと決まっている。
既に待機してから2時間は経っている。
ユウジはさっきのカナの艶かしい足と瞳、長い黒髪が頭を過ぎる。
デリへル嬢と護衛はSEXする事がご法度だ、それは分かっているがユウジも男だ、流石にさっきのは下半身に落ち着きが無くなったのを感じていた。
「ユウジさん」
後ろから声をかけられた。振り向くと自分が護衛する女の子だった。
「終わったの?俺には報告しなくていいよ、そのまま帰りな。」
護衛は緊急時に出向けばいいのであって、女の子達の送迎は任されていなかった。
「あ、いえ、ちょっと時間あるんで隣いいですか?」
にこやかに笑いながらいたずらっぽく話しかけてくる。
ユウジがカナを特別扱いし出してからこういった絡みはよくあった。ユウジは黙って頷くとカウンター席の隣の席を引いた。
「わー優しい、ありがとうございます。」
「タカコちゃんだっけ?仕事の後は疲れるだろ、終わったら直帰ってルール破っていいのか。」
ユウジは仕事の顔になってタカコに話しかけた。店の者にとっては女の子は大事な商品だ、無駄な労力は使わせられない。
「いいじゃないですか、そんな怖い顔をしてー、もう怖いですって。」
ユウジの腕をバンバン叩いてタカコははしゃぐ。
ユウジはイラっとした。
「分かった、手短に言ってやるよ。俺がカナとよくつるむようになってから女達は理由を聞こうとしたり、面白がったり、俺に取り入ろうとしたり、色々やってきたけど、迷惑でしかないんだよな。
俺これでもカナを特別扱いしてる訳じゃねーしな。仕事の話じゃねーんならもう店に帰れ、俺構ってられねーんだわ。」
タカコは顔を強ばらせて固まっていたが、すぐに顔を真っ赤にして怒鳴り出した。
「なんだよ勘違い野郎が!誰がお前なんかに取り入ろうとするかよ!バカみてぇ!暇そうだったから声掛けてやったんだよ!思い上がってろクズ!!」
タカコは鞄を乱暴に掴むとヒールの音を高く鳴らしながら喫茶店を出て行った。
店中のお客さんが何事かとユウジを見ていた。
仕事上こういったヒステリーに慣れていたユウジはスーツから財布を出すとレジへ向かった。
「すみませんでした。」
と一言残すと喫茶店を出て次の場所へ向かった。