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竪琴宇宙のサクシード  作者: MAD-WMR
41/82

3-7 生産ステーション解放:状況確認

「紹介されましたように私はガーランド23の乗員セリナと申します。

 船長イストの指示でメッセージを届けに来ました。

 これは皆さんで聞いて頂いく方が良いでしょう。

 イストは今回の事件について解決策がありその協力を皆さんに要請しています。

 危険を伴いますが出来るだけ多くの方の協力があれば素早く解決が行えます。」


遠くの側の乗員から視線を向けて最後にヤマモト船長へ。


「聞かせてください。」


姿勢を正して大きく頷きながら船長の返答。

乗員たちも聞く体勢となる。


「イスト船長は拉致されておりこれにはサティッシュ・シンの関与が確認、確定しています。

 現在、軌道エレベーターステーションとここ生産ステーションは不法に占拠されています。

 これらにもサティシュ・シンが関与していると考えられています。

 イストから拉致直前に送られて来た連絡で対処法を預かりました。」


イストの監禁や軌道エレベーターステーションの占拠に周辺が騒がしくなります。

現在時刻は04:22、情報を得ていない方も多いようです。

2度手を打ち鳴らしヤマモト船長が一瞬で静かにさせました。


「協力したいのですがサトウ氏から我々は計画に向けて無事に居るようにと言われています。」


若い人を中心に船長にへの反論がいくつも上がります。

サトウ氏は先に手を打っていたのですね。


「落ち着きなさい!

 怪我をして船の運用が出来なければ計画に参加出来ません。

 サトウ氏はイストさんに指示された通り船を運用出来る事を優先してくださいと言われました。

 イストさんにお話を伺い参加を決めた私の判断です。

 指示された役割について交代出来る要員はありません。

 それが最大の理由です。」


不慣れな宇宙船戦闘に向けて短期間のシュミュレーション訓練のみ。

いきなりその人員配置が変われば万全とは言えないでしょう。

サトウ氏の指示もヤマモト船長の判断も正しいものです。


「ガーランド23側では信頼出来る協力者が判断出来ませんでした。

 間違いなく信頼出来るのは計画に参加されている船の方々。

 その為にこちらの船に接触させて頂きました。

 船の乗員が対応出来ないのであればどなたかを紹介して頂くか連絡をして頂きたいのです。

 また事情があり今までの状況も不明です。

 生産ステーションで今夜起きた事を説明して頂けると助かります。」


イストの緊急連絡は21:41、現在時刻までの間このステーションで起きた事は把握出来ていません。

それについて情報を得られるのは重要です。

ステーション奪回についてはイストの協力に計画している船の人員を動員すれば可能でした。

サトウ氏の要請、命令があるのではそれは難しく人員調達の計画は変更です。

協力者であるこの船の乗員から情報は得られるでしょう。

確実に協力を得られる勢力がありそれはキリアトさんと従業員たちです。

それについても信用出来る人間の判別が出来ません。

イストの交流や情報確認が不足しています。

もちろん情報収集は適時行っています。

ネットでの情報収集ではどの人間が信用出来るかなどの情報を得るのは難しいのです。

そのような情報をデータで残す人間は少ないのです。

またその情報が正しいとも限りません。


雑多な思考を実行していますが乗員たちの会話、確認される各情報は得ています。

当然人間のように適度に会話対応も行っています。


01:23頃、港の外壁の封鎖、宇宙船の緊急固定。

中央制御室に確認連絡、事故発生と対応中との連絡。

そこまでに警報や緊急放送など無し。

再度詳細の問い合わせ、中央制御室に繋がらず。

2:00過ぎ再度の連絡。

内容は事故によってステーションの機能が停止、復旧中の為生存者は待機。

空気が抜けている箇所が存在しており出歩かないようにと注意喚起。

以降連絡がつかず。


夜間待機の乗員はヤマモトさんに報告し乗員閣員は警戒待機と状況確認。

中央から連絡が無いのと連絡がつかないのは対応に追われている為と推測。

静観している状態でした。


事故発生場所についての連絡があったか?

発生場所周辺への立ち入り禁止や警告はあったか?

緊急事態発生時の状況としては現在の状況は適切か?

他に何点か質問を行い現在状態の不可解さを理解させます。


この船では常に夜間待機要員がいますが他の船はそうでもないようです。

安全な港の係留中では行わない船も多いそうです。

そうなると他の船では現在状況を知らない可能性もあります。

サティッシュ勢力の計画は雑で穴が多いと判断していました。

人間心理や時間帯、環境などを含めると十分な計画かもしれません。

警報を鳴らさずにステーションの封鎖を実行。

それについての問い合わせにのみ事故と対応中を返答。

現在活動中の人間を特定できます。

そういった点を考慮した計画であれば評価を改めましょう。


現在確認の手段が無くステーションの状況については不明。

本当に事故が発生しているのか、こちらの提示したある勢力による制圧が行われているのか。

手持ちの情報としてはサトウ氏からの連絡です。

このような時の為に用意しました。

サティッシュ・シンの活動や今後の予測について書かれたものです。

そちらをヤマモトさんに公開、確認して頂きました。

こちらの行動の正当性を認めて頂けなければ協力して頂けません。


「長老サトウさんからの情報も確認しました。

 サティッシュ・シンがイストさんの拉致に関係しステーションを占拠したのは確実です。

 このままステーションが封鎖されたままでは船は出港出来ません。

 指示する立場であるイストさんが居なければ計画は実行できません。

 5分で決めます。

 サトウさんからの指示は守らなければなりません。

 その上でセリナさんへ協力するのであればどうすれば良いか。

 どうしますか?」


普段からこういった手法を行っているのか乗員たちはスムーズに意見を出し合っています。

2分経過、3分経過と読み上げながらヤマモトさんも議論に参加。

妥協するべき点やどこまで協力するか無理するかなどが決定されていきます。


会議状況を把握、計画と今後の不確定要素の思案、考察、推測。

サティッシュ・シンの勢力、サトウ氏の呼称に従いリラ支配派。

武装をしている可能性についてが不明点です。

不確定な計画で柔軟な対応が必要になるでしょう。

こちらの武装についてもいつ公開すべきか提供すべきかが問題です。


「それでは決定したようにお願いします。」


ヤマモトさんの言葉で閉められ会議が終了しました。


「差し出がましいですが何点か修正をよろしいですか。

 時間は重要であり急いでいただく必要があります。」


「構いません。出来る範囲で修正、協力しましょう。」


「まず各船、勢力への連絡ですが2名で行ってください。

 現在通信連絡は出来ません。

 状況を確認出来ましたら1名が先方への説明、もう一名は帰還、報告をお願いします。

 その後報告、連絡の必要があれば行き先からどなたかに頼んでください。

 申し訳ありませんが情報拠点として当船をしようさせて頂きます。

 ガーランド23は重要な船として警戒、監視されている可能性があります。

 ステーション内部へは緊急用通路、メンテナンス用通路を利用して移動が可能です。

 こちらは停泊中の船舶情報、ステーションの通路地図となります。」


少し強制的に修正点を提案し引き続き情報も提示することでそのまま行動へ移して頂きます。

6名、3組が選ばれすぐに出発。

4つ隣の船は攻撃計画参加船。上層にある船はヤマモトさんが確実に信頼出来るとした船。

もう一箇所はステーション内部、船工房のギルドマスターの元へ。


>この生産ステーションの宇宙船技術者だけですがギルド、技術者組合があります。

 なぜかは不明ですがそうなっています。

 失われた歴史の中にそうなった経緯はあるのでしょう。調べてみたいものです。


ギルドマスターはサトウ氏に協力、連絡しています。

接触出来ればギルド関係の協力者を動員出来るでしょう。


「誰か本日キリアトさんを見ませんでしたか?」


「キリアトさんなら夜にいつもの飯屋で騒いでましたよ。」


「ではステーションに残っておられますね。」


「最近は下のブロック置き場に泊まってます。

 こないだそんな話しました。

 居住ブロックが残っていたので格安で借りたそうです。

 下での作業もあるし夜の仕事もあるし楽が出来てるって言ってました。」


「それではそちらにも連絡をお願いします。」


「キリアトさんにはメッセージを届けて頂けますか?

 面識はありますので対応して頂けると考えます。」


「じゃあ俺が行きます。」


さっき話していた乗員が立候補し他の1名もすぐに決定します。

キリアトさんの従業員に知人、友人が居るそうですから適任という事です。


ヤマモトさんはサトウ氏の計画関係者、もしくは計画について知っている可能性が高いでしょう。

ここで明確に尋ねても返答はないでしょう。

それも考慮し今後の予定について話しておきます。

各所への連絡や何かあった場合の対応などです。

当個体が単体で行動した場合でもリラの住民である程度行動できるでしょう。


8分ほどで最初の報告、攻撃計画参加船は無人でした。

もう一名はもう一隻へ向かいました。

この生産ステーションの港は8ブロックに分割されています。

上から見て45度ずつ8ブロック、それぞれの区域で船の大きさや目的が違います。

今のブロックから正反対の場所に中型ブロック船の係留エリア。

上層には大型ブロック船の係留エリアになります。

中型ブロック船まで行くということです。


『ヤマモトさん、ステーション職員が通路から連絡して来ました。

 代表者が指名されています。』


操縦ブロックからの通信が部屋にスピーカーて流れました。


『こちらで対応します。通信は音量落として船内へお願いします。』


壁の端末でそう指示しそのまま操作を続けています。


「当船責任者ヤマモトです。どのようなご用件でしょうか。」


「早朝に申し訳ありません。

 イストさんからの指示があります。」


「このまま話して頂いて構いません。」


「イストさんの計画について変更がありました。

 このステーションの事故によって計画変更があり至急という事です。

 他の船の方もすでに移動しています。

 会議を行いますので案内を頼まれました。

 乗員の方たち全員で来て欲しいとの事です。

 通信が使えずこうして連絡に来たのです。」


端末で了解してくださいと表示しヤマモトさんに提示します。


「判りました。乗員に連絡しますのでしばらくお待ちください。」


通信を終了したのを確認します。


「どういうことでしょうか?」


「ヤマモトさんはこの連絡を受けていればどうされましたか?」


「事故の影響ということを考えれば従っていたでしょう。」


「他の船が無人であった理由でしょう。

 指示に従ってください。こちらは別行動で対応します。

 他の船の乗員に接触できる可能性があります。」


「判りました。おひとりで大丈夫ですか?」


「キケラクトさんの教えをいくつもイストから教えて頂きましたから問題ありません。」


ヤマモトさんはうんうんと頷かれました。

やはりキケラクトという名前は効果が大きいのでしょう。

すぐに夜間要員1名を連絡要員として残し今後の指示。

他の乗員を集めエアロックから通路を繋ぎ移動開始です。


こちらは船の緊急用エアロックから離脱しそれを追いかけましょう。

計画予定は変更されやはり修正が必要です。

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