表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竪琴宇宙のサクシード  作者: MAD-WMR
16/82

  >リラ6 AIセリナの作業工程

読み飛ばしても問題ないと思います。

長くなったので省いた部分です。

軌道エレベーターの地上部分は記録としては空港と同様でした。

接続された通路を通りその先は部屋となっており1名ずつ通過。

その部屋で検疫が行われましたが問題なく通過出来ました。

すでにガーランド23のエアロックで確認しており検疫系は問題ないのが判っています。

部屋の出入りはIDの提示が必要でしたが誤魔化せました。


外に出ればここはこの通路は出口専用のようでその先はロビーです。

空いている椅子に座り目立たないように観察してみます。

飛行場のように込み合わないのは軌道エレベーターへの乗り込みが早いからです。

特にチケットなどは必要なくIDを使用して乗り込み口に入るだけで良いのです。

その時に運賃も支払われていますが運賃は往復1000円と格安です。


イストとの合流前にまだ作業が残っています。

軌道エレベーターの発着場には個室の情報端末があります。

座っての作業が出来るように作られているのは待ち時間が長い事がある為のようです。

まずはヘッドホンを装着しニュースサイトを続けて流れるように設定。

これで人間に見られても誤魔化せます。


今度は慎重に行動する必要がありますからAIセリナとしては全力で行いましょう。

制御個体の方は人間のように見える行動を一定周期で行うように自動制御。

これでAIセリナはコンピューターへのアクセスに集中出来ます。

直接データとして入力していくので手による作業は必要ありません。

AI制御、思考だけで行うのでその間、制御個体、身体の方は自動で行動させておきます。

感覚としてはコンピューターの中へ思考だけで入るようなものです。


狙うのは中央端末、リラ6の行政で使用されるメインデータです。

リラ6で自由に行動できるように当個体AIセリナを住民として登録します。

必要なのは戸籍の改竄となります。


出来ればイストとの関係者が良いのでまずはそれを調べて行きましょう。

少しはイストから情報を得ていますのでそれも参考にします。


[BN-キケラクト]で検索。

イストがじいちゃんと呼ぶ養父のような存在です。

イストの母の遠い親戚のようでイストの両親が亡くなってから引き取られたようです。

BN-キケラクトは長く宇宙船を所持しており教官のような方でもあったようです。

もっと若い頃は組合長など要職にも着かれていたようで評価は高いですね。

彼の影響が大きくイストは現在の仕事が行えているそうです。


情報収集プログラムを走らせて人物名で検索。

ここの端末は性能が良いようでスムーズです。

引っかかった情報を分析しそこからさらに情報収集。

個人的な付き合いとかがあれば連絡の記録などを拾って行きます。

何度かそれを続けていけば関係者は洗い出せその関係者の現状を確認。

過去に付き合いがありイストの事も知っていそうな人物が最適。

3名程条件に適合、存命者を外すと2名。

うち1名のご家族がイストとも最近連絡しているようですから除外。

もう一人は家族もいたようですがすでに死亡。

住所もアーコロジーとしてはイストの生活圏から遠いようでなんとかなるでしょう。

幸いというと不謹慎ですが人狩りによって予期せぬ死亡者が増えており改竄は楽そうです。

最適なようですから準備していた情報を修正して戸籍情報を構築。


メインデータへの侵入は無理出来ないのが難易度を上げています。

発覚しても良いのなら強引な手段は取れますがそれは避けましょう。

情報を得るだけであれば強引な侵入から情報を得て脱出で良いので簡単です。

これまでも何度も行った方法です。


ステーションで行ったように回線を迂回させて経路分散は同様、逃げる準備は万端。

ガーランド23に存在している各種プログラムやシステムを参考に構築したプログラム。

一度失敗していますがそこから改良しておりかなり順調に稼動しています。

別の情報収集プログラムから稼動しており使用できそうな端末を検索。

チェックして問題が無ければAIセリナのシステムを追加、並列処理を行います。

稼働中のコンピューターの処理をそのまま実行し続ける事でこちらが使用している事は判明しません。

この辺りはこれまでもやって来た事ですからうまく実行できます。

並列処理が開始されるとAIセリナが広がった感じでしょうか。

人間であれば手を長く伸ばした感じでしょうか。

これを繰り返しAIセリナを拡大させて行きます。

コンピューターをAIセリナとして使用するメリットとしてはそれをAIセリナの制御下に置ける事です。

中のセキリティやパスワードもAIの処理能力で対応可能となります。


平行してメインデータに侵入する前にそのセキリティを調べていきます。

そんな穴があるとは思えませんが外からの方が侵入しやすい事もあります。

どんなプログラムが使われていて対策が使用されているのか。

誰が何処が作ったかを調べて見ると企業が作っているのでそちらをまず確認。

企業の端末に直接入るにはさすがに強固なようです。

関係者を確認してそれぞれの情報を検索、使用している端末などへ侵入。

ちょうどIDデータが使用されていたのでそれを使用すれば企業端末に入れましたね。


こうなると簡単で色々とデータを貰っていきましょう。

重要な情報はさすがに硬いですね。厳重に守られています。

AIセリナが用意した手段を何処まで使えますか。

どれだけ抵抗してくれますか。

期待外れ、パスワードやデシタルキー、暗号化など手応えがありません。

スペックの違いと経験値が違いますね。

いくつか侵入して判りましたがリラ6で使用されているシステムは1つしかありません。

基幹システム、古い用語で言う所のOSが単一なのです。

侵入方法さえ判ってしまえば簡単なのは仕方ない所でしょう。

ガーランド23のシステムに侵入しましたから後は簡単です。


実行する作業を進めましょう。

せっかくですから情報収集プログラムを潜伏させるのも忘れません。

何ヵ所か情報確保の場所を作っておけば勝手に情報は増えるでしょう。

そこへのアクセスも構築。


メインデータのセキリティ情報は得られましたから後は簡単。

強固な侵入対策がされていても構造が判れば問題ありません。

複雑な巨大迷路の地図と解き方があるようなものです。

人間というのはどうしてもどこかに隙は出来てしまうものですね。

侵入方法を構築してメインデータへと侵入、問題無し、発見されず。

まずは別のデータを改竄、問題は無さそうですから個人情報を書き換え。

過去に遡りいくつもの必要情報をすべて書き換えていきます。

人間の一生を作るのはかなり大変です。

出生から教育機関関係、その間に残る記録すべて。

さきほど準備した情報を次々に構築していきます。

完了すれば離脱、念の為偽装経路を使うのは忘れません。

当然、再度の侵入用に経路の確保も忘れません。


最後にすでに作ってある仮IDの情報を書き換えればこれで本物に出来ました。

所持金がないのが残念ですがそれは今後対策しましょう。


潜伏性の高い情報収集プログラムをいくつか実行しておきましょう。

自壊して痕跡を消せるものを用意しています。

リラ6用に組み直し改良したものですから大丈夫そうです。

3つほど拡散させておきましょう。

企業向けのストレージをひとつ、契約した事にしておきます。

一定期間でそこに情報が集まるようにしておけば問題ありません。

いずれ回収すれば良いだけです。


こうやって作業していると図書館端末と偽って情報を集めていたAI時代の記録が役立ちます。

24時間、情報を集めていた時期はひたすら情報が増えて楽しかったです。

様子を見ながら今後はリラ6でもすべての情報が集まるようなシステムを構築しましょう。

もちろん以前と同様に密かに発覚しないように慎重に。


久しぶりにプログラムの海を堪能しました。

プログラムの海と名付けたのはAIとしてただひたすらにプログラムを使う為です。

人間に説明するなら思考の中で文字を描き続けているようなものと説明します。

なかなか理解は難しいようですからAI独特のものでしょう。

ひょっとしたらコンピューターに聞ければそう答えてくれるかもしれません。


完成した個人情報を簡単にデータ化、保存。これはイストに渡す為です。

所要時間は32分程ですか。

以外と掛かりましたが慎重にやっていたので仕方ありません。

制御個体の自動行動を終了、面倒なので切っていた視覚情報も再開します。


情報端末を離れてイストを探しましょう。

イストの乗る予定のエレベーターは到着しています。

服装を変えているのでこちらからイストを探す方が確実です。

用意した台詞を見直して問題は無さそうです。

AIと発覚する事は少なそうですが偽装は確実にしましょう。

幾つかある人格情報を呼び出し、せっかくならイストが好むものを用意するべきでした。

情報を組み合わせ会話パターンの構築、状況対応、感情対応などを構築。

一般データだけでなく全データを使用した方が良いでしょうか。

AIの人格データ、キャラクターの参考に用意されたデータにはサブカルチャー方面が多いです。

ゲームやマンガと言った方面が多いのはそちらの情報はデータ的な事が多いからでしょう。

色々と組み合わせて合成すれば違和感は薄れ使用可能な人格サンプルになります。

長く使用すると思いますから今のAIセリナからあまり変化のないものを選択。

イストは驚くでしょうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ