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酔っ払いと

サブタイトルは私かもしれません。

酔いながら書きましたのでなんだか変な感じになってしまいました。

後半のほうでヒートアップしてしまい二人称みたいな書き方になりましたが、この小説はもうこれでいいんです。

好き勝手に書くんです。

 酒場の前に歩とピットはいた。


「いいか。ここには情報収集のために来たんだ」


「あぁ、分かってる」


 歩は部屋を飛び出してから早々にピットの部屋に行き、酒場に自分を連れていくように説得をしていた。説得といっても子どものように駄々をこねるだけ。わざわざ歩を酒場に連れていくメリットなどないのだから仕方がない。しかし、あまりにしつこいため根負けしたのが今のピットだ。


「何度も言うが下手なことだけはしないでくれよな」


 最低限、問題さえ起こさなければ情報取集はできる。問題さえ起こさなければ……。まぁ歩は盛大に酔うつもりでいるが。


「あぁ、分かってる」


 歩は話半分にしか聞いていない。さっさと酒が飲みたいのだ。


そして歩とピットは酒場へと入った。そこは農業が盛んな田舎くさいクレマにしては繁盛しているようで、人が多くいる。アーガストの王都に近いこともあり、人の行き来が多いためだろう。しかし通るのは騎士ばかり。クレマの先にあるのはちょっとした山と獣人が住む森だ。


 早速ピットと歩は席について飲み物を注文した。ピットは一般的なエールを、歩はこの店で一番酔える強いのを頼んだ。


「お前酒に強いのか?」


「あぁ、問題ない」


 ピットが心配になって聞いたが、歩は簡潔に答えた。この作品の第一話で書いたが、歩は酒に強くない。お察しの通りだ。


 注文してからすぐに酒はまだかと歩はそわそわし始めた。ピットも早く情報収集したいが、一応店に来たことだし最低一杯は普通に飲もうと思っている。そのため大人しく歩と酒を待っていた。


 しばらくしてようやく飲み物が運ばれてきた。


 ピットの前に出されたのはジョッキに注がれた至って普通のエールだが、歩の前に出されたのはショットグラスに注がれた色からして大丈夫なのかという紫色の液体だった。


「お、おい、これ大丈夫なのか?」


 歩はあまりの色にたじろぎながらも店員に聞いた。返ってきたのは「これはこのクレマの町の特産であるクレマールというお酒です。問題ありません」という店員お墨付きの問題ない発言だった。その後店員はすぐに他の席の客に呼び出されて行ってしまった。


「ま、待て、俺はそれ見たことないぞ」


この町に何度か来たことがあるピットですらこの酒は今までに見たことがないようだ。ということはこれを頼む人はそうそういないということなのだろう。店員の去り際に何とも言えない表情をしていたが、それは一番強い酒と言われて持ってきたが、この酒をまさか飲むのだろうかという表情だったのではないのだろうか。


「まぁ店員が問題ないと言ったんだ。いけるいける」


 そう言って歩はそれを一気に呷った。ピットはそれをジョッキに手をかけたまま見守った。そして飲み切ったショットグラスを勢いよくドンっと音を鳴らしてテーブルに振り下ろした。


「うむ、うまい!」


 歩の顔はまだ普通だ。それを見たピットも安心し、手にかけていたジョッキを傾けた。


「さて、俺はここにいる奴らに色々と聞いてくるから適当にやっといてくれ。……問題だけは起こさないでくれよ?」


「……あぁ」


 歩の返事に間があったことに疑問をもつピットだったが、自分にはやることがあるからと思い、気にせず他の客の元へと向かった。


「……問題ない」


 歩は誰もいない方向に向かって返事をした。もちろんピットの問題だけは起こさないでくれという言葉に対しての返事だ。目に見えておかしいところはないが、すでに歩は出来上がっていた。ピットが離れてから徐々に顔が赤くなっている。


「すみません」


 歩は音の鳴らない指パッチンをしながら店員を呼んだ。店員は声を聞いてそちらを向くと懸命に鳴らない指パッチンをしている歩を見て、なんともいたたまれない気持ちになった。それは店員が子供のころに川に向かってやった水切りがうまくいかなかったときの気持ちに似ていた。


「同じもろを」


 何とも言えない表情をした店員に歩は呂律が怪しくなりながらも注文をした。


 そして再び歩にクレマールが持ってこられたころ、ピットは順調に情報収集をしていた。


「王都の何か動きがあるって、一体どういったことなんだ?」


「いや、そこまで詳しくは分かんねーけど、勇者を召喚するんだとか噂になってたぞ。あれは確か三日くらい前だったかな。ここに飲みに来ていた城の騎士がそんなことを言ってたんだ」


 クレマの農夫らしい男がピットと話し込んでいた。勇者召喚の話は宰相によって漏らさないようにと厳重に注意されていたが、クレマに飲みにきた騎士の一人がうっかり漏らしてしまったようだ。


「他に何か聞いてないか?」


「いや、特にそれ以上は……」


 ピットはこれ以上ないということで、他の人に話を聞きに行こうとしていた。しかしそのとき、さっきまでいたテーブルの方からテーブルが破壊されるとてつもない破裂音が聴こえた。


 店にいた全員がそちらに向くと、酒を飲みほしていい気分の歩が椅子に座っていた。その目の前には粉々に破壊されたテーブルの残骸。


 店員がすぐさま諌めにきていた。それを見たピットは頭を抱える。


「おい! もっろ! もっろ酒ら!」


 歩の呂律は完全に回っていない。顔まで真っ赤にして叫ぶ行為からして怒っているかのように見える。声を聞けばただ酔っているだけなのはまるわかりではあるが。


「おい客人、ここは大声を上げて酒を飲む場所じゃねーんだ。さっさと帰んな」


 歩の声を聞いて奥からいかにもな筋骨隆々な大男が現れた。彼はここの店長であるが、昼間は裏手の畑で農業をやり、夜はここで店長をやる二足の草鞋を履いている者。ここは騎士がよく来るところであるため、こういう揉め事はたまにある。そういった揉め事はこの店長によって鉄拳制裁が行われる。ほとんどはその鉄拳制裁で収まるのだが……。


「うるへー! 俺はなー! なんでかなー! こんなところに来ちまったんだよ!!」


「あまり叫ぶんじゃねー! 他の客人に迷惑だろうが!!」


 歩の大声に負けずとも劣らない大声で店長が叫びながら歩へとその大質量なコブシが振るわれた。しかし、歩の頭へと振り下ろされたそれは、頭にぶつかった瞬間、分厚い鉄でもぶん殴ったような音を立てて止まった。


 歩は微動だにせず、店長を見る。店長はみるみるうちに顔が痛みに歪んでいき、最終的には絶叫を張り上げた。


 周りはいつも通りに店長の鉄拳制裁を見て囃し立てていたが、店長の絶叫を聞いて途端に別の意味で騒がしくなった。


「お、おい、店長が負けたぞ!」「何が起きたんだ!?」「ありえん……」「パイナポー!」


 ほとんどは鉄拳制裁で収まると書いたが、例外であったのは女性が騒いだときだけだ。店長も男であって女性には紳士である。女性に負けるのならいざしらず、男に負けるなんて今までに見たことない。周りの客たちも騒然となるのは仕方ない。


「おい歩! 問題は起こすなって言っただろ!!」


 ピットは見かねて歩を注意した。


「お前はなー! なんれイケメンなのにロリショタなんら!! なんれ俺はキルルクにあんな扱いを受けなきゃいけないんら!!」


 酔っているだけあって前半と後半のセリフにつながりが全くない。痛いところを突かれてピットもどっちに答えていいか分からないため、思わず――


「うるせー!! 俺だってキルルクにはなんでか嫌われてんだ!! お前よりな!!」


 感情を爆発させてしまった。そのまま勢いで歩へと殴りかかった。意味が分からん。私も酔っているのだ。詳しくは分からない。というかこの回はずっと酔っている。


 しかし、歩はピットのパンチにピクリともしない。殴ったピットは驚きよりも手の痛みが無視できず店長と同じように叫ぶありさま。


「くそが!!」


 ピットはスキルを使い筋肉を膨張させた。


 少し前の後書きにピットの能力を書きますと書いたので今のタイミングで書くが、ピットのスキルは一騎当千というスキルで、一時的に筋力を上昇させるスキルだ。その反動は使用した時間に応じて大きくなる。前々回で騎士に対して使用したときは一瞬だったため反動は皆無だったが。


 とにかく、ピットはスキルを使用して歩を全力で止めに入った。


 再びピットのコブシが歩へと向かう。しかし歩は見切ったかのように動き反撃をお見舞いした。そのコブシは素人のそれでいて、しかしスピードがありあえない速度だった。


 突然のことにピットも反応しきれず食らってしまった。


「ぐはっ……いいパンチじゃねーか」


 そこから青春映画の学生同士の殴り合いみたいな展開になった。私はそんな描写書きたくないので割愛する。




「はぁはぁ……いいコブシだったぜ」


「はぁ、はぁ、……お前もな」


 ピットと歩は酒場で仰向けに倒れていた。思わず私はコップから酒をこぼしてしまった。なんだこの展開。酒がもったいない!!


 周りはこの状況に拍手している。私とは反対に熱気に満ちていた。くっそ! くっそ!


 店長が倒れている歩とピットに手を差し伸べた。


「ナイスファイト」


 その表情は昔の自分を思い出すかのように懐かしむ顔だった。店長の若い頃もこういう青臭いことがあったのだろう。書きたくないので書かない!


 再び拍手が鳴り響き、歩とピットは仲良く肩を組んで酒場を後にした。ファ○ク!!


これからの尿圧は私が酔っぱらったときに書いていきますので、今後もこんな感じでおかしくなっていくと思います。


私が酔わずに書く小説は下記になります。

運魔法のサイコロ使い ~これは力であって運ではない~

http://ncode.syosetu.com/n8618cm/

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