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勇者召喚

ある程度の世界観は作れたので投稿しました。

まだストーリーの流れは決まっていません。

一体歩は何から世界を救うのでしょうか。

 ここ、下賀歩が召喚された国は神聖王国アーガストといい、この世界――アースニアの東に位置する。


 アーガストはこの世界の神である創造神の名のもとに動く国であり、代々世界の情勢が傾いたときに王族の中から一人だけ勇者を召喚するスキルを神から授かる。


 そして現在アースニアには謎の魔物の暴走が各地で起こっており、アーガストでも多大な被害を受けている。


 人口の多さで数の軍事力を持つアーガストだが、広大な領地を有するあまり全てに手が回る状態ではいられず徐々に魔物の暴走を鎮圧することができなくなってきていた。


 そんな時、アーガストの王であるアズル・アーガストの娘、レジーナ・アーガストに神から勇者召喚のスキルが授けられた。


 アズル王はすぐさま勇者召喚を行おうと動いたが、宰相がそれを止めた。


 今までの歴史上、幾度と勇者召喚が行われてきた。そのたびに勇者召喚に関する情報はアーガストに蓄積されており、その時の勇者の人となりと勇者の処遇を知る宰相はアズル王を止めるに至った。


 ほとんどの勇者は品行方正であり、国を――世界を救うための行動を起こしてくれた。しかし召喚された全ての勇者がそうではなかった。


 勇者は召喚された後にすぐに神から強力なスキルを授かる。それは勇者の思いや行動に起因し、それに見合うスキルになる。例えば目の前に美しい女性がいて、その女性をどんな手を使ってでも手に入れたいと強く思い行動した場合、<支配>というその名の通りの人を支配し思いのままに動かすことができるスキルを授かったり、<魅了>という人の心を魅了しいうことを聞かせるスキルを授かったりする。前者はスキル使用者が命令した通りにしか動かないが、後者はスキル使用者が命令したこと以外にも受けた人自身が考え行動することができる。どんな手ということがどのようなものにより、スキルの細部に関わってくる。


 そしてそれは人となりに関わってくる。


 今まで召喚された勇者の中で悪意ある思いと行動を起こし、国にとって危険な存在になった者もいる。


 それらは国によってすぐに処分された。


 勇者は確かに強力なスキルを授かるが、召喚されて間もない勇者はスキルに慣れておらずまともにスキルを使うことができない。


 召喚されたばかりの勇者は一般人に毛が生えた程度の強さしか持っていない。


 その時に国は勇者の人となりを見極め、どのように扱うかを決める。


 そして勇者が処分された場合、新たな勇者を呼ぶことになる。処分しなければ新たな勇者を召喚することができない。


 しかし稀にだが、スキルを授かったばかりだというのにスキルを使いこなす者もいた。それは召喚される前の世界で授かったスキルと同じようなことができた場合である。例えば召喚される前の世界で何かしらの武術を極めていた場合、その武術に関わるスキルは今までの延長線上にあるものであるため、使いこなすのは容易である。そしてその召喚されたばかりでスキルを使いこなす者が悪意を持っていた場合、処分することはなかなか叶わない。


 そのため勇者召喚は万全の準備をしなければならない。万全と言っても、勇者召喚ができるということは世界の情勢が傾き国が危うい場合であるため、その時のできる限りの万全になってしまう。


 そういったことがあるため、宰相は王へと万全の準備をすることを進言した。





 そして万全の準備が整い、勇者召喚が行われる日。


 アズル王とレジーナ王女、そして宰相を中心に数十人の騎士が広間に集まっていた。


「レジーナよ、準備は良いか?」


 アズル王がレジーナ王女にその厳つい顔を向けて聞いた。


 アズル王には三人の子供がいる。その子供の中で特にレジーナ王女を溺愛している。そのため危険のある勇者召喚の場に宰相と共に自ら出張り、勇者召喚を――レジーナ王女を見守ろうとした。


「はい……いつでもよろしいです」


 レジーナ王女は勇者召喚の歴史を聞かされていない。アズル王が当日まで娘に心配させないようにと配慮したため、宰相にも伏せるようにと言ってあった。


 しかし周りの緊張感からか、レジーナ王女は緊張した面持ちで手を胸の前で組んでいる。さらに周りの騎士たちの多さに、この勇者召喚に危険があるのではないかとレジーナ王女は感づいていた。


「皆の者、心してかかれ!」


 宰相が周りの騎士たちに発破を掛ける。


 武器を構えてはいないが、騎士たちはいつでも動けるように構えている。


 レジーナ王女は膝をつき、手を組んで顔を伏せ、赤く長い髪を地面へと垂らし勇者を召喚しようと神に祈った。


 少しするとレジーナ王女の前に白い煙が徐々に立ち込めていく。それを見ていた騎士たちは一様に同様していた。


 そして霧が人一人分ほどの大きさになったとき人影が見えてきた。


 今度は徐々に煙が晴れてくる。


 そのころにはレジーナ王女も周りの反応に気づき顔を上げた。


 そして煙が完全に晴れた瞬間――ものすごい勢いの尿がレジーナ王女を襲った。


 レジーナ王女は突然のことに何が起きたか分からず目を瞑った。


 周りの者たちも何が起こっているのか理解できずにいる中、数名の騎士だけが抜剣した。


 レジーナ王女が顔をずらして目を開けた瞬間――


「きゃああああああああああああああああああああああああああ!!」


 悲鳴が広間に木霊した。


 それを聞いた抜剣していなかった騎士たちの全員がすぐさま抜剣した。


「私の可愛い娘になんてことを!! 即刻処分せよ!」


 アズル王は娘が汚されたことに激怒し、すぐさま騎士たちに命令した。


「お待ちください王よ。処分するには性急すぎます。まずは捕らえて様子をみるべきかと」


 宰相はアズル王へと進言した。


 宰相は冷静であった。ここで失敗すれば最悪、王と王女を失い騎士たちも全滅する恐れがある。そのようなことになれば国への被害は甚大。それと召喚された勇者の状態が気になった。


「そんなこと言っていられるか! 処分だ!」


 しかしアズル王の怒りは収まらない。


「王よ、国のためです。ここは堪えてください」


「ぐっうううううう」


 国のためだという言葉を聞いて、アズル王はギリッと歯を食いしばりどうにか怒りを我慢する。


「即刻捕らえよ」


 それを確認した宰相は騎士たちに改めて命令した。


 先に抜剣をしていた騎士たちが命令を聞いた直後に動き、勇者――歩を取り押さえた。


「いてててて。ちょっろおめえら、なんなんだ。コスプレもののAVか? 俺はそんなものに出た覚えはねぇぞ!」


 歩はヘラヘラと笑いながら気分を高揚させて叫んだ。


 歩は盛大に酔っていた。女性の顔に小便をするという行為と周りの騎士たちの格好を見て変な勘違いをしている。しかし歩はそういうのは嫌いではない。


「さっさと牢屋へ連れて行け!」


 ヘラヘラと笑う歩とは対照的にアズル王は怒りをぶつけるようにそう叫んだ。


お読みいただきありがとうございます。


勇者召喚=このスキルを代償に払うことで異世界から勇者を召喚する。

というスキルですが、召喚された勇者が世界の危機の原因を解決せずに死んでしまうと、また神から勇者召喚が授けられます。

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