ドライノーズ
ドライアイという言葉は知っているが、その鼻版、すなわち、ドライノーズというものがあることを、最近知った。
もうずいぶん前から、冬場に鼻をかむと、ティッシュに100%血がつき、アレルギー性鼻炎だからかと思っていたが、ちゃんと専門用語があったということだ。
私の鼻づまり歴は長い。
小学生のときなどは、悲惨であった。
ちょくちょく、「いばヴぉくわはダがつヴぁっていばす(今ぼくは鼻が詰まっています)」状態だった。
特に苦しいのは授業中だ。
静まり返る中、ずるずる鼻をすするのも恥ずかしいし、かといってそのままだとハナたれ小僧になる。
だから、休み時間中にぶうぶう鼻をかんで鼻水を出し切ろうとするのだが、これがまた、どうしたわけか、出ないのだ。鼻の奥で詰まっているのか、鼻の管(?)が狭まってるのか、まったくもう何なんだよ状態だが、どうしようもない。
息をするのも苦しいわ、口ぽかんも恥ずかしいわで、とにかくもう鼻地獄だった。阿鼻叫喚に『鼻』の字が入っているのはここから来ているに違いない(いや、違うだろう)。
『小さく丸めた綿を鼻の奥に突っ込むことで、1時間は鼻水吸収ばっちり、モレません』といった生理用ナプキンならぬ鼻ナプキンみたいなものを誰か発明してくれないかと、何度願ったことだろう(いまだにそれは発明されてない)……。
ところが、大人になったら、嘘のように鼻づまりがなくなった(風邪のときを除く)。
体質が変わったのだろうか。
何にせよ喜ばしいことだと思っていたが、代わりのように、「鼻をかむと鼻血ぶう」症状が出現した。
このまま放置していていいのかなと心配になることもあるのだが、冬が終わり暖かくなると改善するので、ずっと放置状態だった。ただの『乾燥鼻』だろうと思って。
それがドライノーズという、れっきとした名称を持つものだったとは。
要するに、『乾燥鼻』という自己判断は正しかったわけである。
ただ日本語にしただけだし。
このドライノーズの根本的治療はないようで、対処療法として、マスクをしたり、スプレーを鼻に突っ込んで噴射したりと、つまりは加湿をすればいいのだそうだ。
というわけで、ドラッグストアでスプレーでも買うとするか。
さすれば、今冬は、「鼻をかむと鼻血ぶう」な人ではなくなるかも知れない。多分。